「メキシコ型」グローブ採用、A級優勝者に挑戦権

2007年12月24日08時07分

 熱海で開かれた日本プロボクシング協会の理事会では前記「山木ジムの協会加盟承認」の他、いくつか重要事項を決議したが、そのひとつとして、公式試合における日本製「メキシコ型」グローブの採用を決めている。
 日本ボクシングコミッション管轄下の公式試合では、「ウイニング」がわが国唯一の公認グローブ・メーカーで、国内で行われる試合のほとんどで使用されている。「日本製よりメキシコ製の方がパンチが効く」といわれるが、これは必ずしもそうではないという説もある。ただ、現在使用されている日本製は、同じ重さでもメキシコ製と比べると一回り大きい。これによりガードするには有利だが、クリーンヒットしにくく、面白い試合を提供するには不十分という声が業界の中で出ていた。ウイニング社はこの要望に応えて「メキシコ型」を試作。来年4月から新型グローブを採用することになった。これにより、期待のKOシーンが増えるかどうかはさておき、ボクサーはよりディフェンス面の工夫を迫られることになるのはたしかである。
 この他、協会主催の「A級選手(賞金)トーナメント」について、優勝者にチャンピオンカーニバル出場権を与えることも決めた。このトーナメントは1986年にスタートし、当初は実力者、人気選手が多く参加したが、賞金額が少ないなど出場メリットが弱いこともあって年々カードが弱くなり、開催を取りやめた年もあった。しかし例年11月に決勝が行われるトーナメントで優勝者に翌年開催のカーニバルで日本タイトル挑戦権が与えられれば、出場希望者も増え、よりレベルアップするものと期待されている。
 なお、東日本協会から出されていた「日本、東洋太平洋チャンピオンにならなければ、世界挑戦できない」と協会の申し合わせを変更する件については、一部から「世界ランキング15以内に入れば、挑戦する権利があるはず」との異論も出て、今回は見送りに。今後修正案を出すことになった。