経営悪化などを理由に廃業した東京の「京品ホテル」側が、解雇した従業員らがホテルを不法に占拠しているとして、その退去などの仮処分を申し立てた問題で、東京地裁は従業員側にホテルの明け渡しを命じる決定をしました。
東京・港区にある老舗ホテル、「京品ホテル」。問題が表面化したのは、去年10月でした。
「私が全部100%決める」(ホテル経営者、去年10月)
「自分が100%決めてきたから、60億円の借金ができたのでしょう」(従業員、去年10月)
経営悪化などを理由にホテルを廃業し、従業員を解雇した経営者側。これに対し従業員側は・・・。
「100%みなさんのためを思って・・・」(ホテル経営者、去年10月)
「そうじゃない。ためになってない」(従業員、去年10月)
組合を立ち上げ、ホテルの自主営業を続けています。そして、解雇の撤回などを求める仮処分を申し立てました。一方、経営者側もホテルの明け渡しなどを求める仮処分を申し立てました。
対立する従業員側と経営者側。東京地裁は15日、従業員側にホテルの明け渡しと退去を命じました。「事業の決定は事業者側が自由に行えるもので、従業員が争えない」などと指摘、経営者側の主張を全面的に認めました。
【この決定に従業員側は――】
「決定が出たからと言って、あと1か月でやめようとか、今月いっぱいでやめようとか、そういう気持ちはさらさらないです」(従業員側、今月15日)
従業員側は異議を申し立てていて、老舗ホテルをめぐるこの対立はまだ続きそうです。(15日17:27)