08年の振り込め詐欺被害は276億円と過去最悪(04年の284億円)を辛うじて免れたことが14日、警察庁のまとめで分かった。昨年10月を撲滅月間とし、現金自動出入機(ATM)に警察官を張り付けるなどして、10〜12月の月別被害額を9月までの月平均より4〜5割減少させたことが奏功した。
しかし、07年(251億円)より約1割増で、10〜12月も月平均で約1千件、13億円もの被害が出ている。このため警察庁は2月を再び撲滅月間に決め、「10月の被害(約16億円)の半減」を目指す。
まとめによると、オレオレ詐欺が最多の約155億円▽被害が急増していた還付金詐欺は約47億円▽融資保証金詐欺約38億円▽架空請求詐欺約36億円。上半期と下半期を比べると還付金詐欺は68%減、オレオレ詐欺は32%減と抑え込んだ。
都道府県別では、最多の東京が約60億円。以下、(2)神奈川約32億円(3)埼玉約23億円(4)千葉約20億円(5)愛知約15億円(6)大阪約7億8千万円(7)兵庫約6億6千万円(8)岐阜約6億4千万円(9)静岡約6億3千万円(10)北海道約6億1千万円と続く。
2月の撲滅月間では、不正口座について、実害が出ていない段階でも詐欺に使われていると判断できれば金融機関に凍結を依頼し、被害の未然防止をはかる。また、詐欺グループが使用する携帯電話の番号が判明すれば、その番号に警察官が名乗って電話する「追い散らし」を全国規模で行う。(野田一郎)