ログイン
IDでもっと便利に[ 新規取得 ]

ジャンル
サブジャンル

国内

<掘り出しニュース>高専生お手柄! 実験で教科書定説覆す 09年度版から修正へ

1月13日18時47分配信 毎日新聞


 ◇ゴム状硫黄→褐色× 黄色〇−−09年度版から修正へ

 高専生が教科書の定説を覆した−−。鶴岡市井岡の鶴岡工業高等専門学校物質工学科3年の高橋研一さん(17)が、高校化学の教科書に登場する「ゴム状硫黄」の色は「褐色」ではなく「黄色」が正しいと実験で証明した。指導教授を通じ出版社も間違いを確認し、文部科学省に訂正を申請。09年度版の教科書から修正される。高橋さんは「硫黄臭に耐えながら、実験を続けた成果が認められてうれしい」と喜んでいる。【長南里香】

 ゴム状硫黄とは硫黄の同素体。硫黄に熱を加えて冷やすとできる、ゴムのような弾力性を持った硫黄を指す。10社の教科書に「褐色、黒褐色、濃褐色」などと記載され、大学入試も「褐色」が正解とされてきた。

 化学部の高橋さんは2年前、顧問の金綱秀典教授に「黄色のゴム状硫黄ができたことがある」と聞き、「できるなら面白い」と真実を確かめたくなった。週2回の部活動を実験に費やし、市販の硫黄粉末や結晶など計5種を試験管に入れて加熱し、冷水で冷やす作業を繰り返した。

 「晩ご飯の時、手に染みついた硫黄臭に苦しめられた」と振り返る足掛け1年半に及ぶ実験の結果、硫黄の純度による違いが明らかになった。純度98%と99%の硫黄粉末などで作ったものは教科書の記述通り褐色や黒だったが、純度99・5%の硫黄結晶で作ると黄色のゴム状硫黄ができた。純度99%以下のゴム状硫黄は含まれる不純物のせいで、褐色や黒になるという結果を導いた。

 これを受けて金綱教授は自分も執筆している「新版化学1」(大日本図書)に訂正を申し入れ、09年度版から「ゴム状硫黄は硫黄の純度が高いと黄色になる」と注釈が加わることになった。金綱教授は「私もゴム状硫黄は褐色という定説をうのみにし、真実を見過ごしてきた。常識にとらわれない柔軟な思考が新事実を突き止めた」と驚いている。

最終更新:1月13日18時47分




Yahoo!ニュース関連記事

関連トピックス

主なニュースサイトで 教科書 の記事を読む

この記事を読んでいる人はこんな記事も読んでいます

みんなの感想 この話題についてみんながどう感じたかわかります。

みんなの感想(話題ランキング)


提供RSS