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非常勤講師、ネットで活動する労働組合を結成へ

2009年1月9日13時29分

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 学校で働く非常勤講師らが不安定な雇用条件や待遇の改善を求めるため、インターネット上で活動する労働組合「サイバーユニオンきょうと」を11日、京都市で結成する。ネットの匿名性を生かして意見を集め、教育委員会などに働きかけていくという。日教組本部(東京)は「非常勤講師だけの組合を立ち上げるのは、全国的に珍しい」と話している。

 「サイバーユニオン」に加入する条件は、京都府内の学校に非常勤の講師や職員として勤務していること。府内には計約2千人がいるという。要望や相談などをネットで受け付けることで、氏名を前面に出さず、本音を言いやすくする狙いがある。世話人代表は、同市の元小学校教諭野崎康夫さん(60)。定年後の昨年4月に非常勤講師となり、正規雇用との待遇の差に驚いたのが労組結成のきっかけだという。

 一つの例が健康保険。非常勤講師の場合、学校で授業がある期間は協会けんぽ(旧・政府管掌健康保険)に入るが、夏休みなど授業がない間は国民健康保険に切り替わるケースがあるほか、雇用契約を学期ごとに更新しなければならない講師もいる。時間外手当もない。野崎さんは「土曜日の行事などに出勤するよう頼まれることもあるが、雇用継続を期待する非常勤側は断りにくい」と話す。

 非常勤の講師・職員については、大阪府が来年度、約350人の雇用契約を更新しない方針を打ち出すなど、不安定な処遇が各地で問題化している。龍谷大の脇田滋教授(労働法)は「そもそも教員の非正規雇用自体が問題。非常勤講師が実名で声を上げにくい中、サイバーユニオンには現場の声を集約して訴える効果がある」と話す。「サイバーユニオン」のホームページは(http://www.kyoto-union.net/)。(溝呂木佐季)

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