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楽しい趣味、長く続けると認知症予防に効果 都老研調査

2009年1月10日20時28分

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 自宅で日常生活を送れるものの、軽い認知機能の衰えがある「認知症予備群」の高齢者でも、計画力を鍛える知的な趣味と運動を定期的に長く続けると、記憶力や注意力などが改善することが、東京都老人総合研究所(都老研)と世田谷区の研究でわかった。

 都老研と同区は02〜08年、同区内の高齢者388人(平均年齢72歳)を対象に研究を実施。事前テストで、23%にあたる91人に軽い認知機能の低下があった。

 この91人のうち38人に、趣味の活動と運動を組み合わせた3年間のプログラムに参加してもらった。旅行、パソコン、園芸など、計画を立てたり、考えたりすることが必要な趣味の活動に独自の手順書を用意し、サークル単位で続けてもらった。

 3年後に再テストをしたところ、38人は、プログラムに参加しなかった53人に比べて記憶、注意、思考、言語のいずれの認知機能でも成績が明らかに良かった。特に、30分前の話を思い出す記憶力、ランダムに散らばった文字を目で順に追う注意力などの項目が良くなっていた。

 都老研の矢冨直美・主任研究員は「計画力を刺激する知的な活動を長く楽しく続けたことが、脳を活性化し、認知機能の低下を遅らせた可能性がある」とみている。

 地域ぐるみの認知症予防を研究している国立長寿医療センター(愛知県大府市)の遠藤英俊・包括診療部長は「予防効果の評価は精査が必要だが、これだけの規模で元気な高齢者を3年という長期間見守った認知症の予防研究は国内外でも珍しい」と話す。(権敬淑)

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