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本田雅一のリアルタイム・アナリシス:Blu-ray Discへ3D技術を取り込む――BDAが言及

昨年のフォーマット統一後、初となるBlu-ray Disc Asossiation(BDA)プロモーション部会主催の記者会見は、いつになく和やかなムードの中で行われた。

 昨年の2月に事実上のフォーマット統一を迎えて以来、初めて開かれた今回の「2009 International CES」。ここで行われたBlu-ray Disc Asossiation(BDA)プロモーション部会主催の記者会見は、いつになく和やかなムードの中で行われた。

 BDA北米支部プロモーション部会のチェアマンのアンディ・パーソンズ氏(パイオニア所属)のスピーチは、いつもシンプルに短くメッセージをまとめるのだが、今回はとくに短かった。「フォーマットは統一された。あとはビジネスを拡大するだけ」といったところだろうか。

photophoto BDA北米支部プロモーション部会のチェアマンのアンディ・パーソンズ氏とBDパッケージソフトの売上げ推移。2008年は2400万枚を記録した

 現在、BDソフトが再生できる機器は世界中で1070万台。これはセルスルー、つまり実売数によるものだという。ただし数値にはPlaystation 3(以下、PS3)やPCなども含まれている。PS3の販売台数が約610万台程度で、その数字とBDドライブ搭載PCを引くとBDプレーヤー/レコーダーのワールドワイドでの実績が出てくるが、これは300万台を少し超えているぐらいだと関係者は話していた(実は記者会見では、1070万台にPCは含まれないと発言していたが、別途確認したところによると、PCの台数も含まれていた)。

photophoto BD対応機器とパッケージソフトの現状

 これは、DVDが立ち上げから3年経過した時点での数字に対して2倍にあたる。もちろん、PS3が含まれていることが数字を良いものにしているともいえるが、一方でまだ完全に行き渡ったわけではないHDTVでしか楽しめない機器であることを考えれば、好調といえるのかもしれない。

 BDAのプロモーション部会が市場を楽観できているのは、米国における年末商戦のスタートを告げるブラックフライデー以来、急激にソフトウェア、ハードウェアの売り上げが伸び始めたからだ。実はブラックフライデー前、昨年秋ぐらいまでの段階では、BDにフォーマットが統一されたにもかかわらず、予想を下回る売り上げしかないと、映画スタジオ側からは失望感を伝える声が上がっていた。

 ところがブラックフライデーとともに売り上げは急進。10月、やっと初めて月間のソフトウェア売り上げが200万本を突破したところだったのが、11月には300万本を超え、そして12月には約800万本を超えるまでに売り上げが増加。ワーナー・ブラザースの「ダークナイト」が、BDソフトとしては初めてミリオンセラーとなった。

 年間トータルでの売上本数は2409万本と、昨年の4.5倍以上に成長しているものの、フォーマット統一後であることを考えるとやや物足りない。しかし、前述したように、そのペースは年末商戦から急激に立ち上がってきていることが、業界に明るさをもたらしているのだろう。

 またパーソンズ氏は、2009年の取り組みとして、BD-Liveへの注力やデジタルコピー(PCや携帯機器へのダウンロード)へと力を入れていくほか、3D技術のBDへの取り込みについて、積極的に話し合いを進めていくと明言した。BDAとして3D映像に対して言及するのは初めてで、ハードウェアメーカーの事情(各社による方式の非統一や実現に向けてのスケジュールの違いなど)をこえてBDAとしてのステートメントが出されたことで、いよいよ3D映像のパッケージ化にアクセルがかかるとみられる。

photophoto 各社のBDプレーヤー。星印が付いているのはBD-Live対応機(左)。2009年の取り組み(右)。最後に3Dと明記されている

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3D | Blu-ray | CES | 販売台数


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