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脳死になった子どもからの臓器移植について、小児科の医師でつくる学会は、これまで「実施は時期尚早だ」としてきましたが、近く検討チームを設けて、この見解を見直す方針を固めました。
日本小児科学会は15歳未満の子どもが脳死になった場合の臓器提供について、虐待で脳死になったケースを見分ける体制が整っていないなどとして、4年前、実施は時期尚早だとする見解をまとめました。
しかし、最近は、大きな病院を中心にけがや病気が虐待によって生じたものかどうか見分ける体制が整ってきたなどとして、今月中に検討チームを設けて、見解を見直す方針を固めたものです。
学会は、難しいとされている子どもの脳死判定についても、脳死状態の子どもの治療に関するデータが集まってきたため、医学的に判断がつきやすくなってきたなどとしています。
検討チームには小児科や臓器移植を行う医師のほか弁護士や移植を受けた患者にも参加してもらい、ことしじゅうに新たな見解をまとめたいとしています。
日本小児科学会の横田俊平会長は「日本は子どもの臓器移植を欧米に頼ってきたが、海外では患者の受け入れを制限する動きも出てきている。
社会の変化や医療の進歩に応じた見解を示したい」と話しています。
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