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医療訴訟:がんの手術ミス認め青洲会に賠償命令 福岡地裁

 がんと診断された腎臓の摘出手術直後に死亡した福岡市の男性会社員(当時45歳)の遺族が、主治医の執刀ミスなどが原因として、医療法人青洲会(長崎県平戸市)に約1億1900万円の損害賠償を求めた訴訟で、福岡地裁(永松健幹裁判長)は9日、計約1900万円の支払いを命じた。永松裁判長は「手術時に不必要な動脈を縛った」と、主治医らの過失と死亡との因果関係を認定した。

 訴えていたのは、死亡した下川良一さんの遺族で子供3人。

 判決によると、下川さんは04年5月に左腎臓がんと診断され、青洲会が開設する福岡青洲会病院(福岡県粕屋町)に入院。主治医の執刀で左腎臓の摘出手術を受けたが、術後から肝臓の状態が悪化し3日後に死亡した。

 永松裁判長は「手術時に必要のない動脈を縛ったことで、肝梗塞(こうそく)を起こし心肺停止につながった」と指摘。術後の経過でも「血液検査で肝臓の異常を示す数値が出ていたが、適切な検査や処置を怠った」と、原告側の主張を全面的に認めたが、がんの所見などから下川さんの5年生存率が0%に近かったとして損害額を算定した。

 遺族は業務上過失致死の疑いで主治医の告訴も検討するという。

 青洲会は「判決内容が精査できておらず、控訴するかどうかも含めてコメントは控えたい」としている。

毎日新聞 2009年1月10日 10時41分

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