男性だけでは入れないプリクラコーナーは、若い女性でにぎわう=大阪市北区、高橋一徳撮影
男性だけでは入れないプリクラコーナーは、若い女性でにぎわう=大阪市北区、高橋一徳撮影
手軽に写真シールを作製できることで人気を集めるプリクラコーナーから、男性客を締め出す動きが広がっている。女性客が撮影中に盗撮されたり、のぞかれたりする被害を防ぐためだ。かつての人気を取り戻すため、画像修整機能付きのハイテク機種が主流になったことが、「男子禁制」の動きに拍車をかけている。プリクラの最新事情は――。
大阪市北区のアミューズメント施設「梅田ジョイポリス」のプリクラコーナーは正月休み、若い女性らでごった返した。入場口には「こちらのコーナーは女性&カップル限定 男性のみのご入場はできません」と書かれた看板が置かれていた。
1010万画素の一眼レフカメラを備えた機種や、画像処理で目が大きく見えるようにする「デカ目」機能を備えた機種など23台が並ぶ。婦警の制服や巫女(みこ)の衣装を貸し出す「コスプリ」カウンターも用意。1年前にほかの店で若い男にスカートの中を撮られる被害にあった女性客(16)は「安心できるので、プリクラを撮るときはわざわざこの店に来ます」。一方、男性客(22)は「逆差別。女性専用車両じゃないけど、時代が求めているんですかねえ」。
同店を運営するセガは原則、女性専用のプリクラコーナーを全国で展開。セガ広報部は「盗撮防止目的のほか、メーンユーザーの若い女性に男性の目を気にせず、楽しんでもらうため」と説明する。
大阪府豊中市の千里中央駅近くのアミューズメント施設も、男性のみの利用は御法度だ。店長は「利用者の9割以上は女性。売り上げへの影響はほとんどない」と話す。
プリクラの1号機は、95年にセガとアトラスが共同開発した「プリント倶楽部」。女子中高校生に爆発的なブームを呼んだ。しかし、カメラ付き携帯電話の普及もあって徐々に人気は下火に。日本アミューズメントマシン工業協会(東京)によると、02年度に605億円だった売上高は07年度、307億円まで減ったという。