都内で昨年1年間に発生した振り込め詐欺の被害額が前年比4700万円減の59億9000万円にとどまったことが警視庁のまとめで分かった。昨年9、10月のATM(現金自動受払機)集中警戒が奏功し、過去最悪のペースで被害額が増えた上半期の37億8000万円から被害が減少傾向に転じ、下半期は22億1000万円だった。
警視庁によると、昨年1年間の振り込め詐欺認知件数は前年比221件増の3718件。内訳はオレオレ詐欺2039件(前年2074件)▽架空請求詐欺351件(同340件)▽融資保証金詐欺245件(同262件)▽還付金詐欺1083件(同821件)。年間ベースの認知件数は前年比増だったが、昨秋の機動隊などを動員した大規模なATM警戒により、下半期(7~12月)のオレオレ詐欺の認知件数は859件、還付金詐欺は152件にとどまった。
一方、現金の回収に仮装バイク便を使うなど、手渡しによるオレオレ詐欺の被害が10月以降増加傾向にあり、警視庁は多様化する手口に警戒を強めている。【杉本修作】
毎日新聞 2009年1月7日 地方版