全国の警察が今年1~11月に認知した刑法犯件数は前年同期比4.9%減の167万4773件で6年連続で減少したことが警察庁の調べで分かった。年間でも2年連続で200万件を下回る見通し。東京・秋葉原の無差別殺傷事件(6月)などいわゆる通り魔事件は13件、死傷者42人に上り、統計を取り始めた93年以降では最多となった。警察庁は「経済社会情勢の先行きが不透明な中、犯罪情勢の動向を注視していきたい」と話している。【河嶋浩司】
検挙件数は53万5856件(前年同期比5.5%減)、検挙者数は31万3111人(同7.5%減)。ひったくりや自販機狙い、侵入窃盗が大幅に減少した。02年から増加傾向だった検挙率は前年同期の32.2%から32%と0.2ポイント減少した。
重要犯罪(殺人、強盗、放火、強姦(ごうかん)、誘拐、強制わいせつ)の認知件数は1万4666件(同6.9%減)で、このうち殺人だけが1200件(同7.4%増)と増加した。検挙されたうち511件(49.6%)は親族間殺人で、件数、割合とも前年同期に比べ増加した。
通り魔事件は前年同期比で5件増え、死者11人、負傷者31人に上った。1月に東京都品川区の戸越銀座商店街で2人が負傷。その後、秋葉原事件では死者7人、負傷者10人、茨城県土浦市のJR荒川沖駅事件(3月)では死者1人、負傷者7人と一度に大勢の人が犠牲になった。
また、高齢者(65歳以上)の刑法犯の検挙人数は前年同期比で137件増えて4万5059人。98年の1万3739人から毎年増加しており、年間でも過去最多の07年の4万8597人を上回る勢いとなっている。
毎日新聞 2008年12月12日 5時03分(最終更新 12月12日 9時45分)