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部活と学業:専門家ら「学習支援、レベル別授業で」

安敏錫(アン・ミンソク)議員、黄水淵(ファン・スヨン)会長、キム・ジョン教授

 現場のスポーツ指導者や専門家は「生徒たちの学習権は当然の権利」と口を揃える。数十年間続いてきた「授業不参加」の悪習を断ち切る時が来たというわけだ。一方、学習権ばかりを強調して才能あるスポーツ選手の育成を怠ってはならない、という意見もある。「フィギュアスケートのキム・ヨナや水泳の朴泰桓(パク・テファン)が一般の生徒たちと同じように勉強していたら、今のような結果を出せただろうか」ということだ。

 学校スポーツの改善を主張してきた民主党の安敏錫(アン・ミンソク)議員は、運動部員が授業に出ない問題について、「練習量と結果は必ずしも比例するものではない」と強調する。「練習であれ勉強であれ、楽しく自発的に行うべきだ。合宿所での起床の合図が閻魔大王の使いのように鳴り響くようでは、何の効果があるだろうか」ということだ。安議員はさらに「大韓体育会内部に特別の委員会を設置し、特別な素質のあるスポーツ選手がその才能を生かせるように管理を行い、同時に彼らにとって必要な英語、インターネット、漢字などの教育プログラムを準備して指導を行うべきだ」と述べた。

 学校体育振興研究会の黄水淵(ファン・スヨン)会長も、「一般の生徒たちも補充授業や特別授業を行っている。選手だからといって彼らが土曜日や休日に自分のレベルに合った授業を受け、勉強の遅れを取り戻せない理由は何か」と問う。学習権の保証は結果的に学校やスポーツ指導者の意志にかかっているということだ。国民体育振興公団体育科学研究院のハン・テリョン研究員は、「米国式学習支援制度の導入などにより、選手たちが授業に出られなかった分を補充し、またこれを実施する学校には制度的に何らかの支援ができるようにすべきだ」と主張する。

 教育界では学校体育のランク分けという現実に沿った意見を主張している。具体的には「エリート」→「1部リーグ」(現在の選手レベル)→「2部リーグ」(サークルレベル)に区分し、その中の1部と2部については一般学生と同じように授業を受けさせるべきということだ。トップレベルの競技力を失うことなく、一般学生選手の学習権の損失も同時に防ぐというものだ。

 「勉強一辺倒」へと制度が急激に変化すれば、ただでさえ底辺のない非人気種目が完全に崩壊する、という悲観的な見方もある。

 漢陽大学のキム・ジョン教授は、「韓国はスポーツの底辺は狭いのに国際大会では優れた成績を要求する独特な文化を持っている」「3年から5年の長期的な計画を立て、非人気種目での競技力低下を食い止めながら徐々に学力を高めていくべきだ」と主張する。また「米国のように大学内で非人気種目を特別に保護・育成する体制も検討するべきだ」という。キム教授はさらに、大韓教育協議会傘下に大学スポーツ委員会を設置するなどして、体育政策の歩調を合わせていくべきという意見も提示した。

 学業を強調するだけでなく、従来の選手たちに対する配慮を要求する声もあった。今月11日に文化体育観光部と大韓サッカー協会が来年から学期中の大会開催を全面的に禁止したことについて、現場では「これまで勉強などできなかった中学生や高校生の選手たちはどうしろというのか」「彼らだけが犠牲になるのではないか」という不満の声も出ている。

キム・ドンソク記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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