携帯電話に向けて英語で吹き込むと、画面に認識した英文と翻訳された日本語が並んで表示される=NEC提供
NECは、英語と日本語の双方向の同時翻訳機能を搭載した携帯電話を実現した。口頭で短文を吹き込むと、約1秒で翻訳された文章が画面に表示される。日本語から英語に翻訳するソフトウエアはすでに開発していたが、その逆も可能にしたソフトに改良。携帯電話メーカーで初めて商品化に道筋をつけた。
海外でも国内と同じ携帯電話番号が利用できるサービスが普及しており、海外旅行での利用者を狙う。インターネットに接続する必要はない。登録した単語は日本語が約5万語、英語で約3万6千語。一息で話せる10単語未満の長さならば、80〜85%の精度で正しく翻訳できる。
パソコンなどで翻訳ソフトはあるが、メモリー容量を抑えて、携帯電話のように処理能力の低い機器上でも動くソフトに改良したのがポイント。音声と周囲の騒音を明確に区別。さらに、識別が難しい単語の時は、使用頻度が高い方を優先的に選ぶなど工夫を加え、精度を高めた。
この機能を搭載した携帯電話を発売する時期や、携帯電話会社などは未定。将来は、電子辞書や腕時計などにも展開できるという。