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学校でも死者、食糧足らず… ガザの日本人国連職員語る

2008年12月30日10時1分

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 【エルサレム=村上伸一】イスラエル軍が激しい空爆を続けるパレスチナ自治区ガザで、難民救援に取り組む日本人国連職員、寺畑由美さん(32)が29日、朝日新聞に電話で状況を語った。今は国連施設に避難しているが、周辺で爆音が響き、隣の学校や道路への空爆で生徒らが死亡したという。

 寺畑さんは5年前からNGO(非政府組織)の援助活動でガザに住み始め、今年2月にUNRWAの職員になった。空爆下のガザにいる唯一の日本人と見られる。

 空爆の始まった27日は休日で自宅アパートにいた。午前11時半ごろ、ドーンという爆音が続いて建物が激しく揺れ、窓をのぞくと警察署から黒煙が上がっていた。国連の無線で避難命令が出され、防弾車でガザ本部へ。

 途中の道路では多くの男性が右往左往していた。小中学校の期末試験が行われていたため、父親たちが子供たちを捜し回っていたようだ。

 国連施設では、事務所の床で雑魚寝している。27日には隣の職業訓練学校の生徒6人が、学校のすぐ外で空爆にともなう金属片などを受けて死亡。うち2人は女性だった。死亡した国連職員や家族を失った職員もいる。

 国連は外国人職員のガザ脱出を試みているが、イスラエル軍が境界を閉鎖していて出られない。29日もイスラエル軍の境界検問所へ向かったが、ガザの武装勢力がイスラエルへ撃ち込もうとした迫撃砲弾が100メートル先で爆発し、断念して引き返した。

 食糧が入って来ないため、空爆のすきをうかがってパン屋の前に男性の長い行列ができている。食べ物が大幅に不足している。家庭では1日16時間近い停電が続き、人々は毛布を何枚も羽織って寒さに耐えている状態だ。

 病院も混乱している。もともと医薬品が足らず、今回の空爆で遺体安置所も足りなくなって、遺体を床に置かざるを得ないという。

 寺畑さんは「人々の間にはイスラエル軍への怒りと、無関心な国際社会への失望が渦巻いている」と話した。

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