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坂田、2回KO負け 防衛失敗 '09/1/1

 ▽WBA世界フライ級タイトルマッチ12回戦

デンカオセーン・ K O    坂田 健史

シンワンチャー  2回2分55秒 (協 栄)
(タ イ)           50・7キロ
50・6キロ

 世界ボクシング協会(WBA)フライ級タイトルマッチ12回戦は31日、広島サンプラザで行われ、王者で広島県府中町出身の坂田健史(協栄)が挑戦者で同級1位のデンカオセーン・シンワンチャー(タイ)に2回2分55秒、KOで破れ、5度目の防衛に失敗した。

 1回から坂田は守勢に回ると、2回に右ストレートでダウンを喫してKO負けした。坂田の戦績は40戦33勝(15KO)5敗2分け。日本のジム所属の現役世界王者は8人(女子2人を含み、日本人7人)となった。(友岡真彦)

 ▽悪夢の顔面強打

 見たくなかった光景がリング中央に広がった。喜ぶ新王者をリングに残し、元王者は赤コーナーを後にした。

 悪夢は突然訪れた。2回残り30秒を切ったころ、デンカオセーンの右ショートストレートが顔面にヒット。坂田は崩れ落ちるようにキャンバスにあおむけになった。8カウントで立ち上がったが、審判は無情にも10個目のカウントを数えた。

 人生初のKO負け。控室ではまばたきもせず、こわばった表情からは生気が消えた。「まだ信じられない。疲れていないし、試合をした感じがしない」。一点を見据えたまま、思い出したくない一瞬を振り返った。

 4度目の挑戦でようやく手にし、これまで4度守ったベルトを地元ファンの前で失った。「こういう結果になって申し訳ない。最高の状態だと思ってリングに上がったが、この結果だった。今後のことはゆっくり考えたい」と去就については明言しなかった。試合後に客席から飛んだ声は「次があるぞ」「取り返せ」。復活を願うファンの思いは、不屈の男に届くだろうか―。(友岡真彦)

【写真説明】2回、デンカオセーンの右ストレートを浴びてダウンする坂田(撮影・天畠智則)




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