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社会

外国人に安心な医療を 通訳派遣の制度化目指す 

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外国人から医療通訳の依頼を受けるスタッフ=神戸市長田区海運町3、多言語センターFACIL

 日本語の不自由な外国人が安心して医療サービスを受けられるよう、通訳派遣のモデル事業を展開する神戸市長田区の特定非営利活動法人(NPO法人)「多言語センターFACIL(ファシル)」が派遣の制度化を目指している。現在は限られている派遣先を、すべての病院や診療所に拡大、高まるニーズに対応する。行政と医療現場の協力が不可欠で、京都市など先進地の取り組みを参考に実現への道を探る。(今泉欣也)

 ファシルは、地域と外国人社会のつなぎ役として一九九九年に設立された。二十八言語に対応し、約五百人の登録通訳者らが情報発信、通訳・翻訳などを行っている。

 医療通訳の必要性は在住外国人の増加に伴い全国的に高まっており、ファシルは二〇〇三年、システム構築に着手。行政からも医療機関に働きかけてもらい、〇五年から協力病院への通訳派遣を始めた。患者は一回千五百円を負担し、通訳は診察内容や薬の飲み方などの情報を伝える。

 依頼は県外からを含め年間約百件。吉富志津代理事長(51)は「スタッフや運営資金に限りがあり、現状の対応が精いっぱい。利用希望者はもっといる」と話す。子どもや知人に通訳を頼むケースもあるが、「正確に訳さなければ医療事故につながりかねない」と指摘。どの医療機関でも安心して受診できるよう、行政や病院も運営費を負担する仕組みづくりなどを検討する。

 先月には、大手製薬会社ファイザー(東京)の「心とからだのヘルスケアに関する市民活動・市民研究支援」の対象に選ばれた。〇九年に二百万円の助成を受け、先進的に取り組む神奈川県や京都市で協力病院、医師らに通訳派遣の効果について聞き取り調査する。

 吉富理事長は「誤ったイメージで外国人患者が敬遠されるケースも少なくない。通訳派遣の制度化は医療機関にも患者数増加などのメリットがあることを理解してもらいたい」と話している。

(12/28 09:29)

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