イスラエル軍の空爆で、煙が上がるパレスチナ自治区ガザ=AP
ガザ地区南部ラファで27日、イスラエル軍の空爆で炎上するハマス治安組織の施設の消火作業に当たるパレスチナ人消防士=AP
パレスチナ自治区ガザで27日、イスラエル軍の空爆で負傷し、現場から運び出されるパレスチナ人男性=ロイター
ガザ地区南部ラファで27日、イスラエル軍の空爆で破壊された建物のがれきの中から遺体を運び出すパレスチナ人たち=AP
パレスチナ自治区ガザで27日、イスラエル軍の空爆で負傷したハマスの警察官を現場から運び出す人たち=ロイター
ガザ空爆後、国境近くの基地に戻るイスラエルのF16戦闘機=ロイター
【カイロ=平田篤央】イスラエル軍は27日、パレスチナ自治区ガザで、同地区を支配するイスラム過激派ハマスの複数の治安拠点を空爆し、ロイター通信は医療筋の情報として、少なくとも155人が死亡したと伝えた。イスラエルの報道によると、軍の攻撃による1日の死者数としては67年の第3次中東戦争後、最大という。
ハマスはロケット弾で反撃し、イスラエル側で1人が死亡。さらに「あらゆる手段を用いた報復」を宣言した。今後、自爆テロを含めた攻撃を強めるのは必至だ。両者は6月から半年間の停戦を続けてきたが、全面的な衝突に発展する懸念が強まっている。
ハマス警察の報道官はロイター通信に対し、空爆を受けた警察施設では訓練を終えた警察官の卒業式典が開かれていたと話した。死者には警察長官も含まれるという。
一方、イスラエル軍は声明を出し、今回の攻撃は「ハマスのテロ活動の結果だ」と強調。空爆の対象は、テロ活動の訓練キャンプと武器弾薬の貯蔵庫だと説明した。さらに「必要があれば攻撃を拡大する用意がある」と警告した。
アラブ連盟(21カ国とパレスチナ解放機構で構成)は同日、緊急声明を出してイスラエルを強く非難するとともに、国連に対し安全保障理事会を開催するよう求めた。
イスラエルとハマス ハマスは87年にガザで創設され、イスラエルで自爆テロを実行する一方、93年のオスロ合意後に自治が始まった人口約150万人のガザで、福祉や教育、医療活動を通じて民衆の支持を拡大してきた。