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【社会】

娘の血液から細菌4種 点滴に腐敗水混入

2008年12月25日 夕刊

 入院中の五女(1つ)の点滴に腐敗水を混入したとして殺人未遂容疑で母親の高木香織容疑者(35)=岐阜県関市=が逮捕された事件で、京都大病院に転院直後の検査で、五女の血液から少なくとも4種類の細菌が検出されていたことが分かった。

 京都府警は、転院前から同様の混入を繰り返していた可能性があるとみており、病院関係者らからも事情を聴き詳しい経緯を調べる。

 病院によると、菌の種類は、入院してから4日後に判明。カンジダ菌や緑膿(りょくのう)菌属など、身の回りに存在する常在菌だが、血液から同時に複数の種類が検出されることは、通常あり得ないという。

 病院は人為的な混入を疑い、看護師らから五女に必要以上に接触するなどの不審な行動の報告もあったため府警に相談。五女が治療を受けている集中治療室(ICU)のビデオモニターを利用、録画しながら行動を観察し始めたという。

 五女は11月27日、岐阜県の病院に入院し胃腸炎と診断された。その後、重症感染症が疑われ、今月2日に京大病院に転院した。

◆本紙に心境、夫「信じられない」

 高木香織容疑者の夫(49)=会社員=は25日朝、岐阜県関市の自宅で本紙の取材に応じ「まったく信じられない」と驚きを隠さなかった。

 報道されている高木容疑者の病室内での不可解な行動に「あり得ない。何かの間違いであってほしい」と語気を強めた。

 高木容疑者とは数日前、五女を見舞いに京都に行ったときに会ったといい「まったく普通だった」と話した。今月7日に五女が集中治療室(ICU)に入ってから、高木容疑者は1日2回の面会時間に欠かさずICUを訪れ「早く会いたい。一般病室に戻ってほしい」と漏らしていたという。夫は「家族内は、普段からよく会話を交わし仲がよかった。本当に普通の母親。親子関係が希薄な家族が多い中、子どもの面倒をものすごくよく見てくれていた」と妻をかばった。

 別の親族によると、次女と三女は膠原(こうげん)病で、四女は敗血症で死亡した。いずれも4歳までに亡くなったことに夫は「ものすごく悲しかったが、しょうがないという思いがあった。おかしいとは感じなかった」と話した。

 

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