TBSが昼の情報番組「ピンポン!」で、トヨタ自動車の業績悪化で大幅な税収減となる愛知県田原市について「道路は穴が開いても放置」と誤った内容を伝え、市の抗議を受けて謝罪していたことが分かった。
田原市にはトヨタの工場があり、今年度に約70億円を見込んでいた法人市民税の大半を失う見通し。田原市の財政を取り上げた12日の番組で、アナウンサーが「道路は穴が開いても放置、河川ははんらんするかもしれない」「小中学校の耐震化工事ができなくなり、市内の小中学生は心配」とコメントした。
これに対し、市は「(道路や河川を含め)公共施設などの維持管理に関する予算は的確に確保する」「小中学校の校舎のうち98.4%が耐震化工事を完了済み。残る棟も設計は完了し、耐震化率は全国でもトップレベル」とTBSに文書で抗議するとともに、市のホームページで「バラエティー仕立てで放映されたことは遺憾」と反論した。
TBSは「取材に甘さがあった」と市に電話で謝罪し、どう対応するかを両者で話し合っている。
TBS広報部は取材に「市からは『事業を見直す可能性がある』と説明を受けた。その例として、河川や道路、耐震工事などがありうると聞いていたが、『見直し』とは『できなくなる』ことだと誤解して、アナウンサーがコメントしてしまった」としている。
鈴木克幸市長は「間違った情報が独り歩きして、市民に不安が広がっては困る」と話している。(山本晃一)