厚生労働省は26日、契約期間の満了に伴う「雇い止め」や期間途中の契約解除による解雇などで、今年10月から来年3月までに職を失う非正社員が、全国で8万5千人に上る見込みだと発表した。11月の前回集計では3万人だったが、わずか1カ月で2.8倍に膨れあがった。また、来春の就職予定者のうち、内定を取り消された大学生や高校生が769人に上ることも公表した。こちらも前回の331人から2.3倍に増えた。雇用情勢は厳しさを増しており、どちらも今後、さらに増える可能性がある。
全国のハローワークなどを通じ、19日までに確認できた人数を集計した。
失業する非正社員のうち、派遣が5万7千人と7割近くにのぼった。そのほか期間従業員など契約社員が1万6千人、請負が8千人など。業種別では、製造業が96%を占めた。
全体のうち、契約期間が満了する前に、中途で契約を解除されたり解雇されたりした人が46%もいた。期間満了前の解雇は、労働契約法で「やむを得ない事由がある場合でなければできない」とされており、同省は指導を強める。
雇い止めや解雇の時期をみると、確認できた7万2千人のうち、11月までの合計は1万8千人だったが、12月だけで3万4千人と半数近くを占め、年の瀬にかけて職を失う人が多いことが浮き彫りになった。1月に失職する予定の人も1万2千人いた。
失業とともに社員寮の退去を余儀なくされ、住むところがなくなる人は、確認できた3万5千人のうちだけで、2千人にのぼった。
都道府県別では、トヨタ自動車を中心に自動車産業が集積する愛知県が1万509人で最も多く、電機・精密機器が集まる長野県(4193人)と、自動車部品メーカーが多い福島県(3856人)が続いた。東海や北関東など、製造業の工場が集積している地域で、特に多かった。