シャープは12日、液晶パネル工場の一部を閉鎖するなどし、液晶事業を再編すると発表した。これに伴い、三重(三重県多気町)、天理(奈良県天理市)、亀山(三重県亀山市)の3工場で、計約380人の派遣社員を削減する。液晶パネル市場に余剰感が出るなか、古いラインの整理で生産効率を高める。
携帯電話やパソコン用など中小型液晶パネルを生産する三重と天理の旧式ラインを09年1月から閉鎖し、亀山工場に移管する。このラインに従事する派遣社員との契約更新をしない。主に大型パネルを生産する亀山の派遣社員も、需給を調整する必要もあり減らす。
今年3月末現在で、亀山には約2800人、三重には約2600人、天理には約1800人の従業員がいる。三重、天理の正社員は、09年度中に稼働予定の堺工場に移すなどして対応する。
井淵良明・副社長執行役員は同日午前の記者会見で、「(市場全体の余剰感をみても)再編に着手する最適なタイミングと判断した」と話した。シャープ全体では、約1300人の派遣社員がいる。