県立病院好生館で手術を受けた際、誤って腎臓を摘出されたとして、佐賀市の女性が県に約2300万円を求めていた損害賠償請求訴訟は24日、佐賀地裁(神山隆一裁判長)で和解が成立した。県が女性に和解金1000万円を支払う。
和解案では「事前に十分な検査をし、十分な説明を行った上で治療法を決定すべきだった」と好生館のミスを指摘したうえで「原告に説明していれば腎臓の全摘出の同意をしたとは考えられず、全摘出したことは過失が認められる」とした。
訴状によると、女性は01年7月、悪性腫瘍(しゅよう)があるとして好生館で右の腎臓の全摘出手術を受けたが、術後、手術ミスを知り、精神的にショックを受けた。
女性は和解後、「医療に携わる人は高い技術や技能、モラルを持って働いてほしい」と話した。【高芝菜穂子】
毎日新聞 2008年12月25日 地方版