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韓ドラ下火、赤字に苦しむテレビ局&制作会社(下)

◆韓流「バブル」ははじけたが、ギャラは変わらず

 「S級」タレントのドラマ1話当たりのギャラは2002年までは500万ウォン(約35万円)ほどだった。しかし、最近の資料によると、ソン・スンホンが7000万ウォン(約490万円)、イ・ジョンジェ5000万ウォン(約350万円)、チェ・ジウが4800万ウォン(約340万円)と5年で10倍以上に跳ね上がっている。そしてついには韓国ドラマ制作社協会が今月5日、ドラマ『銭の戦争』の1話当たりの出演料として1億7050万ウォン(約1200万円)を要求した俳優パク・シニャンに対し、無期限のドラマ出演停止処分を下した。

 鮮文大のキム・ジンウン教授は「ヒット作は『冬のソナタ』と『宮廷女官チャングムの誓い』しかなかったが、ドラマを制作すれば海外でヒットするという前提で、投機するかのごとく人気スターらのギャラを跳ね上げた。このため制作費が上昇し、各種間接広告やスポンサーを募ったものの赤字が続いた」と指摘した。

 ドラマPD協会によると、『太王四神記』『ベートーベン・ウイルス』などを制作したキム・ジョンハクプロダクションは昨年の381億ウォン(約26億6000万円)の赤字に続き、今年も74億ウォン(約5億1000万円)の赤字が予想されるとのこと。オリーブナイン、チョロクベム・メディアらほかの制作会社も同様だ。一部では、本業よりもコスダック(KODAQ)上場に熱を上げるなど、韓流ブームに便乗して「一攫千金」をもくろむ会社すらあった。

◆「韓流ウッド」から「韓流」を抜いたほうが…

 韓流ブーム以降に設立されたテレビ局の海外支社も業績を上げることが難しくなっている。KBSアメリカは昨年の80万ドル(約7200万円)の赤字に続き、今年も300万ドル(約2億7000万円)の赤字が予想されている。京畿道の「ハルリュー(韓流)ウッド」建設事業は、韓流を前面に押し出す事業モデルの妥当性について疑問が投げかけられており、韓流ウッド・プロジェクトから韓流を抜くことを検討している。京畿道は来月に公聴会を開き、この件について決定する。京畿道・韓流ウッド事業団のチェ・ゲドンチーム長は「事業目的は当初から、韓流団地を建設するのではなく、高陽市に観光文化団地を開発することだ。文化コンテンツに関した団地計画には変わりはない」と語った。

 聖公会大のチョ・ウンギ教授は「ドラマ制作会社やテレビ局は近視眼的な見方にとらわれ、長期的なビジョンがなかった。短期間で収入を上げることが難しい文化産業の特性上、長期的な視点で産業インフラを構築する必要がある」と述べた。

申東薫(シン・ドンフン)記者

廉康洙(ヨム・ガンス)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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