国民健康保険(国保)の保険料滞納によって生じた「子どもの無保険」問題で、中学生以下の子どもを一律に救済する改正国保法が19日、参院本会議で全会一致で可決、成立した。厚生労働省調査(9月15日現在)で判明した無保険の子は全国で約3万3000人を数えたが、来年4月以降、子どもには保険証を無条件で交付し、医療を保障する。
改正法は、市町村に対し、滞納世帯でも義務教育以下の子どもは通常の保険給付が受けられるよう、期限6カ月の短期保険証を交付することを新たに義務付ける。国保は、世帯単位で保険証を発行する。現行法が、保険料を1年以上滞納した世帯には保険証を返還させ、給付停止としたことが無保険の子の問題につながった。改正法は世帯単位の原則を一部で見直し、義務教育以下は一律に給付停止の除外対象とした。
一方、保険料の滞納を助長しないよう、市町村に対して、滞納者からの徴収を確保するための「必要な措置」を講じるよう定めた。給付が増加する分の国から自治体への財源措置は見送られており、今後の課題となる。【竹島一登、平野光芳】
毎日新聞 2008年12月19日 東京夕刊