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細菌繁殖しやすい麻酔薬を使い回し、大阪の美容外科(1/2ページ)

2008年12月23日

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 大阪市北区の美容外科「エールクリニック」で、美容手術を受けた患者に投与した麻酔薬の残液を別の患者に使い回していたことが22日、大阪市保健所の立ち入り検査でわかった。同クリニック側がこれまで2回使い回しがあったことを認めているという。この麻酔薬は細菌増殖の危険性が高くメーカーが使い回しを禁じており、同保健所は医薬品の使用法について改善を指導した。クリニックの関係者は朝日新聞の取材に「使い回しが常態化していた」と話している。

 同保健所によると、使い回しされていたのは、全身麻酔薬「プロポフォール」(販売名フレゾフォール)。同クリニックで使っていたのは主に50ミリリットル(約5千円)の瓶詰で、脂肪吸引や豊胸手術の際に使っていた。

 メーカー(東京)によると、この麻酔薬は防腐剤を使わず、栄養価の高い脂肪乳剤を溶液としているため、一度開封すれば、敗血症の原因になるセラチア菌などの細菌が繁殖しやすい。メーカーは添付文書の「重要な基本的注意」に、1人の患者に1回のみ使用する▽使用した残液や注射器は手術終了時の早い時点で廃棄する――などと明記している。メーカーは「医師であれば細菌増殖の危険性は当然認識しているはず」と話している。

 同保健所の立ち入り検査に対し、診察や手術をほとんど手がける院長(39)は「一度使った麻酔薬の残液をいったん保管し、翌日の別人の手術で使い回したことが、3〜4月に計2回あった」などと説明。その理由について「薬品の基本的な知識を欠いていた」と話しているという。

 同保健所は「不適当な使用」として、改善を指導するとともに、再発防止策を定めるよう求めた。

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