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麻生首相ハローワーク視察で珍妙やりとり

ハローワーク渋谷を視察し、緊急特別相談窓口で話を聞く麻生首相(代表撮影

 麻生太郎首相(68)は19日、東京都渋谷区のハローワークを視察に訪れ、求職する若者に「何かありませんかと言うんじゃ仕事は見つからない」と持論を展開した。景気後退の拡大で、職探しもままならない現状で、あまりの「的外れ」な発言。政府は早急な対応策を講じている中、首相のせっかくのパフォーマンスはまたも効果半減に終わった。
なぜか説教調 やること、なすことがどうも…。

 景気後退による企業の採用内定取り消しや派遣社員の契約途中の解雇など雇用情勢が悪化する中、麻生首相は渋谷区神山町の自宅からほど近い「ハローワーク渋谷」を訪問した。求職者で混雑する非正規労働者向けの緊急特別相談窓口を視察し、北海道から上京したという若い男性に声を掛けた。

 首相は「今まで何してたんだ?」と笑顔で若者に話しかけたが、次第に目線が鋭くなり「これがやりたい、というのがないと相談される方もな…。何かありませんかね、と言うんじゃなかなか仕事は見つからないよ」となぜか“説教”調。正面になって向き合い話し込む姿はまるで圧迫面接の様相で、「目的意識がないと雇う方もその気にならない。何をやりたいかを決めないと就職は難しい」とピシャリ。持論を説いた。

 若者から「やりたいことはある程度決まっている。六本木などおしゃれなところで働きたい」と希望を打ち明けられると、首相は「何となく格好いい仕事は給料が安い。力仕事、しんどい仕事の方が実入りはでかい」と麻生流アドバイス。珍妙なやり取りが続いた。

 会社経営を経験した者だからこそ言える鋭い指摘を連発した首相。しかし、今は目的があっても仕事を見つけるのが困難な雇用危機の最中で、首相の“正論”が当てはまるとは限らない。首相就任以来、精力的に現場に足を運んでいるが、少々空回り気味。どこかの社長気取りのような今回の発言には「的外れ」との批判も出そうだ。

 上機嫌で視察を終えた後、記者団に「求人と求職の現場の差がはっきりしている。政府が思い付く限りのことはすべてやらせていただいている。ハローワークが雇用への意識を持って緊急対応しているのが分かった」と強調した。

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(2008年12月20日06時02分  スポーツ報知)

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