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生活危機:08世界不況 毎日新聞で紹介、元派遣労働者男性に支援の声続々

 ◇「夫の会社で働いてほしい」「人ごとと思えない」

 今月13日の毎日新聞朝刊の記事「派遣切り41歳路上生活転落」で紹介した元派遣労働者の男性に、就職先の紹介を申し出る電話や励ましの手紙が毎日新聞に相次いで寄せられている。景気後退で厳しい年の瀬。メーカーによる派遣切りは一向に収まらないが、届いた声には「何とか助けたい」との温かい思いが詰まっている。【日野行介】

 男性と出会ったのは今月11日。大阪市北区の川岸にある公園だった。男性はベンチに横たわって眠っていた。段ボールも敷かず、服や靴が比較的新しいので、派遣切りに遭ったのでは、と思い、起きるのを待って取材を申し込んだ。男性は恥ずかしそうに「結構です。勘弁してください」と繰り返し、応じようとしなかった。

 翌日、再び公園に行くと、男性はベンチで横になっていた。「全国の主要なハローワークに住居を失った労働者を対象に相談窓口ができる」と伝えると、男性は「良いことを教えてもらいました」と打ち解け、本名を語った。そして匿名を条件に取材に応じてくれた。

 愛知県内の自動車部品工場から派遣契約を打ち切られ、1週間前から路上生活をしていること。国立大学の法学部を卒業し、大手メーカーに正社員として勤めながら職場になじめずに退職し、非正規雇用を転々としていること。母親と折り合いが悪く、実家に戻れないこと……。

 そのまじめな話しぶりから、人付き合いが少し苦手で、損をしているような素朴な人柄が感じ取れた。「早く就職したい」。次の仕事にかける意欲を聞き、少しだけ安心した。就職面接を受ける予定があるとも言っていた。

 記事掲載のあと、ある女性は毎日新聞に「私の夫の会社で働いてほしい」と電話をかけてきた。また「正社員を退職し、実家に戻れないなんて人ごととは思えない」といった手紙も届いた。こんな温かい声を男性に伝えたかったが、男性が命綱のように大切にしていた携帯電話はつながらない。野宿していた公園にも姿は見当たらない。もう一度、男性と会い、手紙などを手渡したい。

毎日新聞 2008年12月20日 中部夕刊

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