最終更新: 2008/12/19 01:14

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パロマ湯沸かし器一酸化炭素中毒死事件初公判 上嶋浩幸さんの母「無罪はあり得ない」

パロマ工業製のガス湯沸かし器による一酸化炭素中毒事故で、東京・港区の大学生ら2人を死傷させたとして、業務上過失致死傷罪に問われたパロマ工業元社長の小林敏宏被告(71)らの初公判が開かれた。
小林元社長らは、「事故が起きるとは思わなかった」などと、無罪を主張した。
上嶋浩幸さん(当時18)の母・幸子さん(55)は、「どうして、こんなに20人以上の死者を出してる人たちが、無罪でいられるの? 無罪はあり得ません」と語った。
2005年11月、当時大学生だった上嶋浩幸さんの命を奪ったパロマ工業製のガス湯沸かし器による一酸化炭素中毒事故は、安全装置の不正改造が事故原因だったが、業務上過失致死傷の罪に問われているパロマ工業の元社長らは、初公判で無罪を主張した。
小林敏宏被告は「修理業者は、パロマ工業とは別の独立した業者で、不正な改造をやめさせることはできなかった。事故が起こるとも思っていなかった」と主張した。
一方、検察側は冒頭陳述で「2人の被告のみが事故情報を統一的に把握し、全国的な事故防止策をとることができた」などと、その責任を指摘した。
しかし弁護側は、「両被告は、事故原因の詳細を知らず、当時の法令では、製品を点検・回収する義務を負っていない」と反論した。
母・幸子さんは、「にらみつけるように、小林社長の方を見て、そのうちにやっぱり子どもの浩幸の声が聞こえてきて、『お母さん、がんばって』っていうふうに聞こえてきたんで」と話した。
ゲームのプログラマーとなる夢もかなうことなく亡くなった浩幸さん。
無罪の主張に母・幸子さんは、「初公判から帰ってきたよ。ちゃんとひろ君も聞いてくれた? ね? 何かやっぱり、ひろ君も頭にきたでしょ」と、浩幸さんの遺影に語りかけた。
母・幸子さんは、「(法廷の)囲いから向こうに行けて、直接お話できるだったらば、そこでまず『浩幸を返してください』、『パロマは憎いです』って言いたかった。一番愛する子どもを奪ってしまったのは、パロマのせいなんだから、だからそんな『無罪です』なんて主張しないで、罪を認めてください、認めなさいって思いますね」と話した。
いつも一緒にいられるようにと、浩幸さんの服を着せた人形を作ってもらった幸子さんは、18日に初めて2人の被告に会ったという。
母・幸子さんは、「ここに来るなり、お墓に眠っているひろ君の前で、謝罪を言ってほしいです。きっと、それは浩幸も待っていると思います」、「その刑に服するとか何かしてよって。企業のトップですから、そのくらいの責任は取ってもらいたい」、「(息子さんには、どのように報告される?)やっぱりひろ君、パロマは何も認めてくんなかったよって、ひろ君の死が無駄にならないようにお母さんがんばるからねって」と話した。

(12/19 00:38)


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