「永世竜王」の資格を獲得した渡辺明棋士=18日午後8時24分、山形県天童市、戸村登撮影
将棋の第21期竜王戦七番勝負(読売新聞社主催)の第7局は17、18の両日、山形県天童市で指され、渡辺明竜王(24)が挑戦者の羽生善治名人(38)=棋聖、王座、王将=に140手で勝ち、4勝3敗で竜王位を防衛した。竜王戦で初の5連覇を達成し、初代「永世竜王」の資格を手にした。3連敗後の4連勝も将棋界で初めて。同じく永世竜王を取れば将棋全タイトルの永世七冠だった羽生名人は、あと1勝が届かなかった。
渡辺竜王は東京都葛飾区出身。04年に森内俊之九段(38)を破って初タイトルの竜王を獲得し、4連覇中に木村一基八段(35)、佐藤康光棋王(39)を次々と倒してきた。今回、羽生名人にも勝ったことで、「羽生世代」を代表する棋士をすべて倒したことになる。
今シリーズは、出だしから3連敗していきなりカド番に立たされたが、第4局で絶体絶命の局面をしのぐと、第5局、第6局では快勝。第7局では難解な終盤の競り合いを制して、逆転防衛に成功した。
一方、羽生名人は今回勝てば通算7期でも得られる永世竜王の資格者になっていたが、次回へ持ち越しとなった。(村上耕司)
〈渡辺竜王の話〉防衛は非常にうれしい。出だしが悪かったので、4局目から悔いが残らないように思いっきり指せたのがよかった。5連覇は信じられないですね。
〈羽生名人の話〉4局目もこの対局も、チャンスがある将棋を勝ちきれなかったのでこの結果はやむ終えない。(永世竜王を逃したことについては)力いっぱいやったのでしょうがない。