大分県の大分キヤノン(国東市)と大分キヤノンマテリアル(杵築〈きつき〉市)の減産に伴い約1200人の非正規社員が解雇される問題で、杵築市は失業者を臨時職員として採用することを決め、16日から募集を始めた。来年1〜3月に1カ月交代で延べ数十人程度を雇い、家賃の一部も市が負担することを検討している。
民間会社の解雇者を自治体が雇用して救済するのはきわめて異例。市緊急雇用等対策本部によると、市内には再雇用を見込める企業が少ないため、緊急措置として臨時職員の雇用を決めた。交通整理や草刈り作業などで、給与は平均11万円前後の見込み。
非正規社員の大半は請負会社などが借り上げたアパートに住んでおり、市には解雇された人から「求人情報を教えて」「アパートを出なければいけない」といった相談が計9件寄せられている。採用する臨時職員には市営の宿泊施設や民間アパートを提供し、家賃の一部を市が負担する。
市商工観光課によると、雇用枠は各担当課と調整中だが、全25課で1、2人ずつを採用する考え。家賃補助も含めた事業費も企画財政課と調整中で、「年末に路頭に迷う人を出してはならない。再就職が決まるまでの手助けが必要だ」として、募集開始に踏み切った。
一方、JAおおいた大分市地域本部も15日から、解雇や契約を打ち切られた非正規社員らを対象に、野菜の選別作業などにあたるパート従業員の募集を始めた。25日まで受け付け、来月中旬から50〜60人程度を雇う。