経済危機の影響でメーカーが急速な「派遣切り」を進める中、派遣労働者など非正規労働者が、年末年始にかけて派遣会社の寮などを追い出され、大量の路上生活者が出ることが懸念されている。11月半ばに愛知県内の工場で派遣切りを受け、12月初めから大阪市内の公園で路上生活する男性(41)が12日、毎日新聞の取材に応じた。男性は「とにかくつらい。このままで年を越せるのだろうか」と肩を震わせた。
男性は1週間前から大阪市中心部のオフィス街に隣接する河岸の公園にいる。昼間は所持品を詰め込んだスポーツバッグを枕にし、ベンチで眠る。寒さが厳しい夜はJR大阪駅周辺を歩き回ったり、地下街出入り口に座り込んでひたすら夜が明けるのを待つ。15万円ほどあった所持金を使い切り、この数日間は水以外口にしていないという。男性は「恥ずかしくて情けない。ごみ箱をあさり、残飯を食べるにはまだ抵抗がある」とうつむいた。
京都府出身。有名国立大学法学部を卒業後、商社と大手精密機器メーカーで5年ほど正社員として働いたが、職場になじめず退職。請負や派遣など非正規雇用を転々としてきたという。11月半ば、2年間働いた愛知県小牧市内の自動車部品工場から、派遣契約を打ち切られた。受注が減ったことが理由だった。派遣会社が用意した寮費月5万円のワンルームマンションを、すぐに出るよう通告された。
関西に戻ったものの、母親らと折り合いの悪い実家には戻れず、大阪市内のカプセルホテルに滞在しながら、ハローワークに通うなどして就職活動を続けた。しかし、年齢と住居不定がネックになり、再就職はできないままだ。複数の派遣会社にも登録したが、大切に持ち続ける携帯電話には連絡がない。
1週間の路上生活でフリースの上着はほこりまみれになり、無精ひげも伸びた。「暖かい部屋に住み、食べていくことがこんなに大変だと思わなかった」と嘆く一方、「まじめに働いてきたのになぜこうなるのか。理不尽だと思う」と怒りをあらわにした。【日野行介、写真も】
2008年12月15日
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