武田久（左）の契約更改で代理人を務めた北村晴男弁護士 Photo By スポニチ

　日本ハム・武田久投手（３０）の契約更改交渉が１１日、札幌市内の球団事務所で行われ、日本テレビ系の人気番組「行列のできる法律相談所」に出演する北村晴男弁護士（５２）が初めて代理人として同席した。合意には至らなかったが、番組では見られないような“スマイル交渉”を展開。元高校球児の同弁護士は球界本格進出にも意欲満々で、来季は代理人依頼の行列ができるかもしれない。

　無愛想キャラを売りにしている北村弁護士が“スマイル戦略”でデビュー戦を乗り切った。約４０分間の交渉で出した答えは「保留」。しかし「法廷はケンカするだけだが（球団と選手は）共通の目標がある。同じ方向を向いている。普段は反対方向に向いた仕事ですから」と上機嫌に語った。

　初仕事で対決したのは、番組の司会役タレント島田紳助と“島田”違いの島田チーム統括本部長だった。北村弁護士は長野高時代に野球部で活躍し、弁護士界でも野球好きとして有名。「高校の時は野球しか考えてなかった。仕事で野球に携われるとは…。チャンスがあればと思っていたし、資料をつくるのが楽しい」。今季６２試合（４勝７敗６セーブ）に登板した武田久のＤＶＤを事前にチェックするなど周到に準備し、交渉１時間前には球団事務所に到着した。

　球団が提示したのは１億１０００万円の現状維持にプラス出来高とみられる。同弁護士は「前半はスーパーの活躍だったが（不振の）後半は過去２年のツケが出た」と冷静に分析しながらも「３年連続６０試合の登板はすごいというのが共通の理解。今後はインセンティブなど、きめ細かい契約にしていきたい」と次回の上積みに自信満々。交渉は和やかな雰囲気の中で行われ、島田本部長は「最初は（番組内ではライバル関係にあった）丸山先生を呼ぼうかなと思ったけど。穏やかな人で、イメージと違ってずっと笑顔でした」と話した。

　今季からマネジメント契約を結ぶ所属事務所を通じ、代理人を依頼した武田久も北村弁護士の仕事ぶりには「話し合いの感触が良いので、年内に終わらせたい」と納得顔だ。今後は「電話やメールでの交渉になる」という北村弁護士。会見ではつい「早期解決を…」と言ってしまい、すぐに「いや、早期の契約を目指します」と言い直す場面もあったが、プロ野球界参入は上々のスタートとなった。

　◆北村　晴男（きたむら・はるお）１９５６年（昭３１）３月１０日、長野県更埴市（現・千曲市）生まれの５２歳。長野―早大。野球では高３夏に県８強。司法試験は３０歳時に８度目の受験で合格し、８９年東京弁護士会に弁護士登録。９２年に都内で「北村法律事務所」を開設。０４年からは「北村・加藤・佐野法律事務所」に所属。血液型ＡＢ。 【日本ハムグッズ】

[ 2008年12月12日 ]