ここから本文エリア 上尾 日産ディーゼルユニオンが相談会2008年12月13日
◇派遣従業員集まらず 参加求めビラ配りへ 日産ディーゼル工業(上尾市)で働く派遣従業員3人が結成した労働組合「派遣ユニオン日産ディーゼル工業支部」(通称・日産ディーゼルユニオン)が12日夜、上尾市の市コミュニティセンターで、解雇や生活への不安を抱える同社の派遣従業員のための相談会を開いた。しかし、3人以外、参加者の姿は無かった。 この日午後7時、上尾市のJR上尾駅西口前の集合場所に集まったのは、荒井健太郎委員長(27)ら同労組の3人だけだった。このため、急きょ団体交渉に向けた対策会議に切り替えた。参加者がいなかったことについて「あきらめているんだろうか」といった声も出たが、改めて18、19日に相談会への参加を求めるビラを配るという。 荒井委員長ら3人は別々の派遣会社から、日産ディーゼル工業上尾工場に派遣されているが、いずれも18日付で中途解雇通告を受け、寮の退去も通告された。同労組は、同社と派遣元の会社3社に解雇通告や退寮通告の撤回を求める文書を届けた。 派遣元2社から17日と22日に団交の打診が来ており、12日の対策会議では荒井委員長ら3人と派遣ユニオンの関根秀一郎書記長が団交の日程などを話し合った。また、寮からの退去通告の撤回を重点に求めていくという。 荒井委員長は9月12日から日産ディーゼル工業で働き、11月1日から来年1月31日までの契約書にサインも済ませていた。しかし、11月18日、派遣元の会社の担当者から、「12月18日に解雇になります。(解雇から)3日以内に寮から出てください」と電話があった。 数日後、期間を12月18日までに書き換えた契約書を示された。訳もわからないままサインしてしまった。「貯金はなく生活の見通しはたたない。使い捨てにしないでほしい」。そんな思いで労組を結成したと話す。 金融危機などの影響で大幅に需要が減り、日産ディーゼル工業は先月下旬、派遣社員ら1159人のうち約200人を今月末までに削減することを公表した。労組結成について、同社広報・コミュニケーション室は「コメントは差し控えさせていただきたい」としている。 県勤労者福祉課によると、県内では現在9社で計1千人を超す非正規従業員の雇用打ち切りが見込まれている。ハローワーク大宮では「年末から年明けにかけて、契約打ち切りなどの動きが具体化するのではないか」とみている。
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