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大分キヤノン「非正規」労組員、年の瀬失職に窮状訴え

申入れ書を渡し、時折言葉を詰まらせながら記者会見で心境を語る請負会社労組の加藤州平さん(10日午前11時2分、大分県庁で)=中司雅信撮影

 大分キヤノン(大分県国東市)が来年3月までに非正規労働者約1100人を削減する問題は、労働者の雇用契約解除が段階的に進み、関係者に不安が広がっている。

 一部労働者が労働組合を結成し、10日、新規募集する場合の優先採用などを同社に申し入れたが、「年の瀬に職を失うなんて……」とショックは隠せない。大量の人員削減計画に「企業城下町」は悲鳴を上げている。

 会社に申し入れた労働組合「日研総業ユニオン大分キヤノン分会」の分会長・加藤州平さん(34)は10日、雇用契約を解除された。申し入れ後、大分市の県庁で記者会見し、「自分は今日で終わり。(いずれ)寮を出ないといけない……」と涙ぐんだ。

 「正社員登用制度有」。愛媛県出身の加藤さんは昨年1月、就職情報誌に載っていた文句にひかれ応募し、大分市の工場で働き始めた。デジタルカメラのレンズ加工などに従事。給料は手取りで10万〜15万円だったが、請負会社「日研総業」がアパートを借り上げた寮に入居し、盆と正月には実家に仕送りをしてきた。

 減産の動きには気付いていたが、「大企業の子会社だから大丈夫」と思い込んでいた。ところが雇用契約の満了は来年1月なのに先月10日、工場内の食堂で請負会社の社員から「解雇予告通知書」を受け取った。

 「愛媛に帰っても仕事はない」。悩み抜いた末、雇用契約の解除を通告された同僚と十数人で労働組合を結成した。

 組合員のうち加藤さんら10人前後が10日付で雇用契約を解除された。寮への入居が認められているのは、来年1月20日まで。ほかの人も来年1月までに会社を去るよう言い渡されており、「仲間の窮状を訴えていきたい」と決意を語った。

2008年12月11日  読売新聞)
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