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少年審判の被害者傍聴制度、トラブル防止に各家裁配慮(2/2ページ)

2008年12月15日17時50分

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写真少年審判の審判廷。少年は長いす(中央)に座り、被害者は傍聴席(右手前)に座る=東京家裁、上田幸一撮影

写真メモを取れるテーブルも用意された被害者や遺族のための傍聴席(手前)。左斜め前方、前列の茶色い長いすが少年席=15日午前、大阪家裁、森井英二郎撮影

写真被害者が座る長いす(左端)と少年の長いす(右端)を木製のさくなどで隔てた審判廷=名古屋家裁

写真少年審判が執り行われる部屋。家裁によって廷内の広さ、被害者傍聴席の位置は異なる=10日午前、福岡市中央区の福岡家裁、岩崎央撮影

 那覇家裁では、家裁内の傍聴席のある法廷を流用することにした。高い場所にある裁判官席は使わず、書記官席などの配置を変えて審判廷に近い環境を作る。「被害者の感情を害するなど二次的な被害を招かないようにしながら、少年が萎縮(いしゅく)して審判で発言しにくくならないよう配慮しなければならない。二つのバランスをどう保つか、制度が始まった後も検討を重ねていく」と同家裁総務課はいう。

 制度のスタートは15日だが、これより前に審判が始まっている事件でも、次の期日が15日以降なら、被害者側は傍聴の申し出ができることになっている。

 制度開始にあわせ、最高裁は「少年犯罪によって被害を受けた方へ〜少年審判の傍聴について〜」というリーフレットを作って各家裁に備えた。11月末からは、傍聴の対象となる事件の被害者にリーフレットを各家裁から送って知らせる態勢をとっている。

     ◇

 ■少年審判の被害者傍聴制度 少年事件のうち、殺人や傷害致死など「故意の犯罪行為」で死亡させた事件と交通死亡事故▽これらの事件で被害者が危篤に陥るなど生命に重大な危険が生じた場合――が対象。傍聴を希望する被害者やその家族は家裁に申し出る。家裁は、被害者らの話と、少年の付添人の意見を必ず聞いたうえで、「少年の健全育成を妨げるおそれがない」と判断すれば傍聴を認めることができる。12歳未満の少年の事件は対象外。

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