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少年審判の被害者傍聴制度、トラブル防止に各家裁配慮(1/2ページ)

2008年12月15日17時50分

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写真少年審判の審判廷。少年は長いす(中央)に座り、被害者は傍聴席(右手前)に座る=東京家裁、上田幸一撮影

写真メモを取れるテーブルも用意された被害者や遺族のための傍聴席(手前)。左斜め前方、前列の茶色い長いすが少年席=15日午前、大阪家裁、森井英二郎撮影

写真被害者が座る長いす(左端)と少年の長いす(右端)を木製のさくなどで隔てた審判廷=名古屋家裁

写真少年審判が執り行われる部屋。家裁によって廷内の広さ、被害者傍聴席の位置は異なる=10日午前、福岡市中央区の福岡家裁、岩崎央撮影

 非公開の場で行われる少年審判に、事件の被害者やその家族が傍聴者として同席できる制度が15日に始まった。各地の家裁では、この日に向け、審判廷に傍聴用のいすを新設するなど対応に追われてきた。死亡事件など重大な事件の審判が対象だけに、少年と被害者側が近くに居るとトラブルが生じないか――。そんな懸念から、審判廷にさくを設けた家裁もある。

 東京家裁では、七つある審判廷のうち三つを傍聴に対応できる形に模様替えした。裁判官3人が入る合議用審判廷でも広さは35平方メートル程度。最後列のドア付近に傍聴者用のいすを入れるために、内開きのドアを外開きに改造した。

 少年の席と傍聴席の間の距離に気を配った。これまでより少年の席を裁判官の席に近づけ、少年の席の後ろには鑑別所職員や少年の学校職員らが使う長いすを2列、置いた。それでも傍聴席から少年の席までは約2.5メートル。数歩の距離だ。

 大阪家裁は、傍聴に対応するため審判廷の改修工事をした。大阪地裁の法廷では3月、殺人事件の被害者遺族の少年が、傍聴席からさくごしに被告の少年をけってけがをさせる事件が起きた。家裁の担当者は「あのようなことが起きないよう最善の配慮を尽くしたい」と話す。

 名古屋家裁では、交通事件などで複数の少年を審理するときに使っていた広い部屋を傍聴に対応できる審判廷にした。さらに木製のさくを設けて、はっきり傍聴席を分けた。後ろ2列が傍聴席で、しかも被害者は最後列に座ってもらうという徹底ぶりだ。

 しかし、こうした大きな審判廷は大都市の家裁にしかないため、地方の家裁は苦労している。大分家裁は、普段は非公開の協議などで使うラウンド法廷の丸テーブルを撤去して、机を配置する。

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