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【経済】

日銀短観 石油危機以来の悪化 大企業製造業 景況感21ポイント下げ

2008年12月15日 夕刊

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 日銀が十五日発表した十二月の企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の景況を示す業況判断指数(DI)は大企業・製造業でマイナス二四と二一ポイント悪化し、第一次オイルショック後の一九七五年二月と並び、三十三年ぶりの大幅な下落となった。悪化幅は一九七四年八月(二六ポイント)に次いで統計開始以来二番目で、水準では二〇〇二年三月(マイナス三八)以来。悪化は五期連続となった。米国発の金融危機をきっかけとする世界的な景気後退の影響で国内企業景気が急激に悪化する現状が浮き彫りとなった。

 DIは、業況が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いた数値。今回の調査は十一月十日から今月十二日に実施した。

 最大の焦点である雇用の過剰感を示す雇用人員DIは全規模・全産業で六ポイント上昇し、〇四年九月以来の過剰に転じた。大企業・製造業では一〇ポイント上昇の八と〇五年十二月以来、三年ぶりに「過剰」と回答した企業が「不足」とする企業の割合を上回った。新卒採用計画は、来年四月入社について全規模・全産業が前年度比でマイナスとなった。

 また、企業の資金繰りDIも、大企業で八ポイント、中小企業では四ポイント悪化した。金融危機の影響で、大企業が発行するコマーシャルペーパー(CP)の発行環境が極度に悪化し、市場からの資金調達が難しくなっていることを示した。

 業種別では、大企業・製造業の全十五業種でDIが悪化。とりわけ、自動車が過去最大となる四六ポイントの悪化でマイナス四一に低下。電気機械も二八ポイント悪化でマイナス三七に落ち込むなど、輸出関連業種の景況感の冷え込みが目立った。DIがプラスを維持したのは、原材料価格高騰の沈静化でコスト負担が軽減された鉄鋼など二業種のみだった。

 また、大企業・製造業の製商品在庫水準DIが一一ポイント大幅上昇する一方、販売価格DIが一五ポイント低下のマイナス四と下落に転じた。

 

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