2008.12.14
破天荒な無頼派･萩原健一(ｼｮｰｹﾝ)に想う…
私は｢破天荒｣とか｢無頼派｣という言葉が好きです｡堅気ではあるけれど､ﾔｸｻﾞ･遊び人のような自堕落な生活から脱け出せない放蕩者｡暴力主義者でもあり､冷酷な個人主義者と常に世間の嫌われ者…｡
しかし､実は｢仁義｣と｢人情｣の狭間の中でいつも苦しみながら生きる不器用なhumannistではあるのですが､偽悪者故に､そんな純(ｳﾌﾞさ)はおｸﾋﾞも見せず必死に｢悪人｣を演じようとする｡
皆さんが知るところで言えば､まさに萩原健一(ｼｮｰｹﾝ)が典型的な無頼派と言えるでしょう｡
私はそんなｼｮｰｹﾝが好きです｡musicianとしても役者としても｢噛めば噛むほど味が出る｣不思議な魅力を持った存在です｡
私は基本的にmusicianはsong･lighterしか認めない主義です｡
｢いちご白書｣はあのｶﾊﾞ男がﾃﾞｶい鼻を更におっ広げて唄うよりoriginal･lighterの松任谷由実(ﾕｰﾐﾝ)唄う方が100倍､いや10000倍はいい｡｢なごり雪｣はあの男ｵﾝﾅのｻﾒだかｲﾙｶが澄まし顔で唄うより伊勢正三が唄ってこそ､楽曲本来の味がある｡｢たどり着いたらいつも雨降り｣もそうだ｡鈴木ひろみつの似非ROCK調は確かに大衆受けはするだろうが､やはり作者の吉田拓郎が唄うべきだった｡
しかし…｡唯一､他人の歌を唄って完全に自分のものにしてしまうvocalistがｼｮｰｹﾝでした｡
80年前後､女の子相手の女々しいLOVESONGを裏声混じりに唄って｢IDLE･FOlKSINGER｣と持て囃された長渕剛｡しかし80年代半ばに人気が凋落しmusicianとしての挫折に貧した時､ｼｮｰｹﾝの歌唱法を徹底的に真似して喉を潰し､そして再び蘇った事実は知られざる逸話です｡
河島英五の｢酒と泪と男と女｣は彼の代表作であり､ｼﾐｼﾞﾐとした弾き語りは名曲と言っても間違いないでしょう｡ところが､この男女間の悲しくも切ない機微を唄った楽曲が､河島英五の高校時代の作品と知った時､私は少なからずの失望を抱きました｡<恋愛>の<ﾚ>の字でさえ分からない青二才が精一杯背伸びして作った唄に､自分の気持ちをidentifyさせる事など到底不可能に思われたのです｡
そんな時､ｼｮｰｹﾝが唄う｢酒と泪と男と女｣が突然のように胸に迫って聴こえてきました｡敢えてmelodyを崩しながら､時には唸るように､また時には叫ぶように唄うｼｮｰｹﾝの歌唱法は､見事に男との悲哀を浮かび上がらせてくれました｡
いま､私はｼｮｰｹﾝの80年代初期のLIVEｰALBMを毎日のように聴いています｡DVDは既に絶版で数万円のpremiumがついた商品ですが､それだけの価値は十分にありました｡
あのBOROの｢大阪で生まれた女｣も､何故かｼｮｰｹﾝが唄うと､薄汚れた早朝の大阪の繁華街がまるで絵画のように浮かんできます｡そして粗末な四畳半のｱﾊﾟｰﾄ｡東京に去っていく恋人をすがるように追い掛ける彼女の姿…｡自然と涙が溢れてどうしようもなくなってしまいます｡
1985年｡私は容子と別れてからもずっと容子に逢いたいと思い続けてきました｡何故､容子と結婚しなかったのだろう! 堪らない後悔にうちひしがれた事もありました｡容子と結婚するはずだった｡極真芦原道場の黒帯だった容子は編集者でもあり､私には最高の相手と思えてならない時期がありました｡
いまでこそ､本当に私が望んでいた女性と知り合い､彼女との将来に夢を馳せるなかで､すっかり容子の思い出は色褪せてしまいましたが…｡
そんな私が､ｼｮｰｹﾝが叫ぶ｢大阪で生まれた女｣をendlesで聴きながら､あの1985年前後の容子との生活が脳裏に甦り､自然と涙を流していたのです｡
松田優作はｼｮｰｹﾝを尊敬していました｡矢沢永吉が唯一影響を受けた日本人vocalistもｼｮｰｹﾝでした｡ｼｮｰｹﾝの歌唱法やperformanceは高く評価され､また役者としての演技力は常にtopclassといわれてきました｡いつも誰かにｶﾞﾝつけているような､清濁合わせのみ､だけど意外に酒には弱く､本来の姿は女性にも弱い男です｡
しかし､ｼｮｰｹﾝの人生は波乱万丈でした｡喧嘩で何度も検挙され､麻薬もやり､車で人身事故を起こし､TV関係者への脅迫で逮捕されたりもしました｡当然のように女性関係も派手でした｡
しかし､考えようによれば､そんな破天荒で無頼派な生き方をしてきたからこそ､世の中の悲哀を唄いこなす事が出来たのかもしれません｡否､そうに決まっています｡犯罪も含めて､常識人ではおよそ縁のない経験の積み重ねが､彼の唄に｢魂｣を宿し､鬼気迫る演技を可能にした事は否定出来ないでしょう｡
ｼｮｰｹﾝのように無茶苦茶な無頼派人生を送るのも悪くはないなと…､そんな事を半分本気で考える時もある私です｡
K･HAGIWARA
(了)
しかし､実は｢仁義｣と｢人情｣の狭間の中でいつも苦しみながら生きる不器用なhumannistではあるのですが､偽悪者故に､そんな純(ｳﾌﾞさ)はおｸﾋﾞも見せず必死に｢悪人｣を演じようとする｡
皆さんが知るところで言えば､まさに萩原健一(ｼｮｰｹﾝ)が典型的な無頼派と言えるでしょう｡
私はそんなｼｮｰｹﾝが好きです｡musicianとしても役者としても｢噛めば噛むほど味が出る｣不思議な魅力を持った存在です｡
私は基本的にmusicianはsong･lighterしか認めない主義です｡
｢いちご白書｣はあのｶﾊﾞ男がﾃﾞｶい鼻を更におっ広げて唄うよりoriginal･lighterの松任谷由実(ﾕｰﾐﾝ)唄う方が100倍､いや10000倍はいい｡｢なごり雪｣はあの男ｵﾝﾅのｻﾒだかｲﾙｶが澄まし顔で唄うより伊勢正三が唄ってこそ､楽曲本来の味がある｡｢たどり着いたらいつも雨降り｣もそうだ｡鈴木ひろみつの似非ROCK調は確かに大衆受けはするだろうが､やはり作者の吉田拓郎が唄うべきだった｡
しかし…｡唯一､他人の歌を唄って完全に自分のものにしてしまうvocalistがｼｮｰｹﾝでした｡
80年前後､女の子相手の女々しいLOVESONGを裏声混じりに唄って｢IDLE･FOlKSINGER｣と持て囃された長渕剛｡しかし80年代半ばに人気が凋落しmusicianとしての挫折に貧した時､ｼｮｰｹﾝの歌唱法を徹底的に真似して喉を潰し､そして再び蘇った事実は知られざる逸話です｡
河島英五の｢酒と泪と男と女｣は彼の代表作であり､ｼﾐｼﾞﾐとした弾き語りは名曲と言っても間違いないでしょう｡ところが､この男女間の悲しくも切ない機微を唄った楽曲が､河島英五の高校時代の作品と知った時､私は少なからずの失望を抱きました｡<恋愛>の<ﾚ>の字でさえ分からない青二才が精一杯背伸びして作った唄に､自分の気持ちをidentifyさせる事など到底不可能に思われたのです｡
そんな時､ｼｮｰｹﾝが唄う｢酒と泪と男と女｣が突然のように胸に迫って聴こえてきました｡敢えてmelodyを崩しながら､時には唸るように､また時には叫ぶように唄うｼｮｰｹﾝの歌唱法は､見事に男との悲哀を浮かび上がらせてくれました｡
いま､私はｼｮｰｹﾝの80年代初期のLIVEｰALBMを毎日のように聴いています｡DVDは既に絶版で数万円のpremiumがついた商品ですが､それだけの価値は十分にありました｡
あのBOROの｢大阪で生まれた女｣も､何故かｼｮｰｹﾝが唄うと､薄汚れた早朝の大阪の繁華街がまるで絵画のように浮かんできます｡そして粗末な四畳半のｱﾊﾟｰﾄ｡東京に去っていく恋人をすがるように追い掛ける彼女の姿…｡自然と涙が溢れてどうしようもなくなってしまいます｡
1985年｡私は容子と別れてからもずっと容子に逢いたいと思い続けてきました｡何故､容子と結婚しなかったのだろう! 堪らない後悔にうちひしがれた事もありました｡容子と結婚するはずだった｡極真芦原道場の黒帯だった容子は編集者でもあり､私には最高の相手と思えてならない時期がありました｡
いまでこそ､本当に私が望んでいた女性と知り合い､彼女との将来に夢を馳せるなかで､すっかり容子の思い出は色褪せてしまいましたが…｡
そんな私が､ｼｮｰｹﾝが叫ぶ｢大阪で生まれた女｣をendlesで聴きながら､あの1985年前後の容子との生活が脳裏に甦り､自然と涙を流していたのです｡
松田優作はｼｮｰｹﾝを尊敬していました｡矢沢永吉が唯一影響を受けた日本人vocalistもｼｮｰｹﾝでした｡ｼｮｰｹﾝの歌唱法やperformanceは高く評価され､また役者としての演技力は常にtopclassといわれてきました｡いつも誰かにｶﾞﾝつけているような､清濁合わせのみ､だけど意外に酒には弱く､本来の姿は女性にも弱い男です｡
しかし､ｼｮｰｹﾝの人生は波乱万丈でした｡喧嘩で何度も検挙され､麻薬もやり､車で人身事故を起こし､TV関係者への脅迫で逮捕されたりもしました｡当然のように女性関係も派手でした｡
しかし､考えようによれば､そんな破天荒で無頼派な生き方をしてきたからこそ､世の中の悲哀を唄いこなす事が出来たのかもしれません｡否､そうに決まっています｡犯罪も含めて､常識人ではおよそ縁のない経験の積み重ねが､彼の唄に｢魂｣を宿し､鬼気迫る演技を可能にした事は否定出来ないでしょう｡
ｼｮｰｹﾝのように無茶苦茶な無頼派人生を送るのも悪くはないなと…､そんな事を半分本気で考える時もある私です｡
K･HAGIWARA
(了)
2008.12.13
｢野獣死すべし｣のように…戦いと休息(改訂版)
何か突然､大きなﾄﾗﾌﾞﾙやｱｸｼﾃﾞﾝﾄに襲われた時､私はまずﾊﾟﾆｯｸに陥ります｡精一杯平静を装いながら､内心では洞穴にでも隠れたいほどの逃避衝動に駆られます｡それが第1段階です｡
第2段階はﾄｺﾄﾝ落ち込みます｡鬱(不安神経症)にでもなったかのように独りﾄﾞﾛｯﾌﾟするのです｡それを一昼夜耐え続けるのです｡
すると…､突然のように猛烈な怒りが湧き上がってきます｡これが第3段階です｡ただ､この怒りに任せて行動すると､大抵は失敗します｡過去の私の敗北の殆どが､この怒りに任せた行動が原因でした｡時に暴力事件に発展し､警察沙汰になって所轄に連行さる事になります｡
ですから､自らが行動するまでは､第4段階の意識変化まで待たねばなりません｡
燃え盛る怒りを心に溜め込みながら､精神力と冷静な論理的判断力を呼び戻します｡そして戦略と戦術が明確になるまで静かに時を待ちます｡こうして<覚悟>が宿り､完全に<居直り>ます｡
そうなったら何も怖いものがなくなります｡冷酷なまでに冴えた頭と飽和に達した怒りを胸に卑怯なまでに緻密で徹底した反撃がやっと可能になります…｡
つまり､私がﾄﾗﾌﾞﾙやｱｸｼﾃﾞﾝﾄに際して<生死の覚悟>を持え為には4段階の心の変化を待たねばならないのです｡でも､そんな時の私は<無敵>です｡
力なき正義は無能なり…
結局､<正義>だ何だと騒いでみても､勝たなくては全く意味はありません｡自分にとって大切な人間や自らの尊厳は命を盾にしてでも守ります｡決して諦めたり見捨てたりはしない｡
しかし､凡人の私と違い極真会館館長の松井章圭と､我が夢現舎副代表の塚本佳子は､一瞬で<覚悟>を決める超人的な精神力と胆力を有しています｡だから私はこの2人には絶対に勝てないと諦めています｡
かといって､命を賭けて戦う覚悟を持つ…｡そんな生き方が決して格好いいとか｢男｣(塚本は女性ですが…)だなんて思いません｡そんなﾋﾛｲｽﾞﾑに浸ってなどいたら､足元を掬われてしまいます｡
先日も極真会館館長の松井章圭と会食しました｡私は松井に言いました｡
｢たとえ敵が100人揃い､ﾀﾞﾝﾋﾞﾗを振りかざしていても､松井さんは､守るものの為に彼らに向かっていくでしょう｡殺されるのが分かっていても､4､5人は道連れにして死ぬ｡そんな覚悟が松井章圭にはあるんです｣
松井は｢どうでしょうかねえ…｣と笑みを浮かべるだけでしたが､決して否定はしませんでした｡
松井は<極悪人>です｡しかし<極悪人>だからこそ命を賭ける覚悟があるのです｡私はそんな､何事にも臆さずに戦う意志と術を持った松井が眩しく見えました｡
私も松井章圭に負けない! 絶対に物書きとして大きくなる! かつて私や塚本を見下したﾁﾝｹな2流3流の活字Mediaの連中をみんなひれ伏しさせてやる! ｱｲﾂら全員､頭を下げて｢ｳﾁの為に本を書いてください｣と言わせてみせる!
私はﾊﾟｰﾄﾅｰの塚本と共に､いつか必ずの世界に杭を打ち込みます｡今の私たちには､心から応援してくれる<生涯の絆>を誓い合った｢兄弟｣たちがいてくれます｡まさに百人力の応援団です｡
怒りが､怒りが…､冷徹で緻密な怒りが! 怒りこそが最大のｴﾈﾙｷﾞｰ源なのです｡
大藪春彦の｢野獣死すべし｣が私の物書きとしての､更には人生の原点であり聖書でもあります｡なかの一節を紹介します｡この文章には､私の様々な想いが抽象化されながら散りばめられています｡
(前略)弱い弱い男と女が一緒になって､慎ましい家庭の幸福を築く｡これが人生の最高の逸楽であり安らぎかもしれぬ｡しかし今の彼には破壊者とはなれても建設者とはなれぬのだ｡
少なくとも､これから先､己の内にくすぶる凶暴な自我にはけ口を見いだし己れの才能と死を賭けて､現世の苦楽を味わい尽くしてしまうまでは｡
ときがきたら､可愛い足の指を折らねば十から上を数えられぬほどの､楚々たる無垢の少女を妻として､そのあどけない海の泡を現世の女神､生きた美神にまで育て上げるのだ｡
(中略)出来る奴の周りに街娼のごとく群がる女たち｡馬鹿踊りを踊り続ける仮面の下からのぞく､ひやりとする冷酷なｴｺﾞｲｽﾞﾑ､こずるさ｡みじめな頭には､ｹﾁ臭い夢が相応しい｡
彼の頭脳はまだ把握力を失っていない…
H･OYABU
戦いに疲れ切ったら沖縄にいきたいと思います｡
贅沢にもON･THE･SEAではなく､ﾔﾝﾊﾞﾙの森の中にひっそりと建つ超高級ﾘｿﾞｰﾄ｢THE･ATTA･TELACC･HOTEL｣でゆったりと､携帯電話なんて持たずにﾊﾟｰﾄﾅｰと2人だけ､熱帯の甘酸っぱいけれど透明感のある綺麗な空気を吸って､朝は潮の薫り､夜は森の薫りに包まれて､本も読まずTVも見ず､言葉も交さず…｡そして美味しいものを少しだけ｡
吉田拓郎の｢愛の絆を｣の世界に浸って全ての雑念や汚れを洗い清めるのです｡愛だけが満ちた空間で私たちは改めて生きる喜びを実感し合います｡
戦士の休日…束の間の安らぎを塚本との愛に包まれながら､傷を癒し合うのです｡
(了)
第2段階はﾄｺﾄﾝ落ち込みます｡鬱(不安神経症)にでもなったかのように独りﾄﾞﾛｯﾌﾟするのです｡それを一昼夜耐え続けるのです｡
すると…､突然のように猛烈な怒りが湧き上がってきます｡これが第3段階です｡ただ､この怒りに任せて行動すると､大抵は失敗します｡過去の私の敗北の殆どが､この怒りに任せた行動が原因でした｡時に暴力事件に発展し､警察沙汰になって所轄に連行さる事になります｡
ですから､自らが行動するまでは､第4段階の意識変化まで待たねばなりません｡
燃え盛る怒りを心に溜め込みながら､精神力と冷静な論理的判断力を呼び戻します｡そして戦略と戦術が明確になるまで静かに時を待ちます｡こうして<覚悟>が宿り､完全に<居直り>ます｡
そうなったら何も怖いものがなくなります｡冷酷なまでに冴えた頭と飽和に達した怒りを胸に卑怯なまでに緻密で徹底した反撃がやっと可能になります…｡
つまり､私がﾄﾗﾌﾞﾙやｱｸｼﾃﾞﾝﾄに際して<生死の覚悟>を持え為には4段階の心の変化を待たねばならないのです｡でも､そんな時の私は<無敵>です｡
力なき正義は無能なり…
結局､<正義>だ何だと騒いでみても､勝たなくては全く意味はありません｡自分にとって大切な人間や自らの尊厳は命を盾にしてでも守ります｡決して諦めたり見捨てたりはしない｡
しかし､凡人の私と違い極真会館館長の松井章圭と､我が夢現舎副代表の塚本佳子は､一瞬で<覚悟>を決める超人的な精神力と胆力を有しています｡だから私はこの2人には絶対に勝てないと諦めています｡
かといって､命を賭けて戦う覚悟を持つ…｡そんな生き方が決して格好いいとか｢男｣(塚本は女性ですが…)だなんて思いません｡そんなﾋﾛｲｽﾞﾑに浸ってなどいたら､足元を掬われてしまいます｡
先日も極真会館館長の松井章圭と会食しました｡私は松井に言いました｡
｢たとえ敵が100人揃い､ﾀﾞﾝﾋﾞﾗを振りかざしていても､松井さんは､守るものの為に彼らに向かっていくでしょう｡殺されるのが分かっていても､4､5人は道連れにして死ぬ｡そんな覚悟が松井章圭にはあるんです｣
松井は｢どうでしょうかねえ…｣と笑みを浮かべるだけでしたが､決して否定はしませんでした｡
松井は<極悪人>です｡しかし<極悪人>だからこそ命を賭ける覚悟があるのです｡私はそんな､何事にも臆さずに戦う意志と術を持った松井が眩しく見えました｡
私も松井章圭に負けない! 絶対に物書きとして大きくなる! かつて私や塚本を見下したﾁﾝｹな2流3流の活字Mediaの連中をみんなひれ伏しさせてやる! ｱｲﾂら全員､頭を下げて｢ｳﾁの為に本を書いてください｣と言わせてみせる!
私はﾊﾟｰﾄﾅｰの塚本と共に､いつか必ず
怒りが､怒りが…､冷徹で緻密な怒りが! 怒りこそが最大のｴﾈﾙｷﾞｰ源なのです｡
大藪春彦の｢野獣死すべし｣が私の物書きとしての､更には人生の原点であり聖書でもあります｡なかの一節を紹介します｡この文章には､私の様々な想いが抽象化されながら散りばめられています｡
(前略)弱い弱い男と女が一緒になって､慎ましい家庭の幸福を築く｡これが人生の最高の逸楽であり安らぎかもしれぬ｡しかし今の彼には破壊者とはなれても建設者とはなれぬのだ｡
少なくとも､これから先､己の内にくすぶる凶暴な自我にはけ口を見いだし己れの才能と死を賭けて､現世の苦楽を味わい尽くしてしまうまでは｡
ときがきたら､可愛い足の指を折らねば十から上を数えられぬほどの､楚々たる無垢の少女を妻として､そのあどけない海の泡を現世の女神､生きた美神にまで育て上げるのだ｡
(中略)出来る奴の周りに街娼のごとく群がる女たち｡馬鹿踊りを踊り続ける仮面の下からのぞく､ひやりとする冷酷なｴｺﾞｲｽﾞﾑ､こずるさ｡みじめな頭には､ｹﾁ臭い夢が相応しい｡
彼の頭脳はまだ把握力を失っていない…
H･OYABU
戦いに疲れ切ったら沖縄にいきたいと思います｡
贅沢にもON･THE･SEAではなく､ﾔﾝﾊﾞﾙの森の中にひっそりと建つ超高級ﾘｿﾞｰﾄ｢THE･ATTA･TELACC･HOTEL｣でゆったりと､携帯電話なんて持たずにﾊﾟｰﾄﾅｰと2人だけ､熱帯の甘酸っぱいけれど透明感のある綺麗な空気を吸って､朝は潮の薫り､夜は森の薫りに包まれて､本も読まずTVも見ず､言葉も交さず…｡そして美味しいものを少しだけ｡
吉田拓郎の｢愛の絆を｣の世界に浸って全ての雑念や汚れを洗い清めるのです｡愛だけが満ちた空間で私たちは改めて生きる喜びを実感し合います｡
戦士の休日…束の間の安らぎを塚本との愛に包まれながら､傷を癒し合うのです｡
(了)
2008.12.12
｢あのとき…｣苦い青春のひとこま(完全版)
あまりにｵﾏｴが優しいから
僕はｵﾏｴを､ひとり占めに出来ない
空を見上げて､黙って泣いていた
あのときのｵﾏｴは､いまはもういない
あまりにｵﾏｴが陽気だから
僕はｵﾏｴを､ただ見てるだけ
海を見つめて､遠くに行きたいなんて
ポツリと呟いた､ｵﾏｴはもういない
あまりにｵﾏｴを愛しているから
僕はｵﾏｴを､抱きしめられない
ふたりで歩いた､あの道も落ち葉が舞う
寂しい悲しい､季節を待ってるようだ
私が早稲田大学に入学した年…青臭いｶﾞｷでしたが､精一杯の気持ちで作詞･作曲した､ｵﾘｼﾞﾅﾙ楽曲､｢あのとき…｣の歌詞です｡内容は決して創作ではありません｡
高校卒業後､数年間の浪人時代(上智や立教に籍を置いたりしてましたが…)を経て早稲田に合格し､極真会館に入門して一段落ついた頃の事です｡私は改めて<彼女>と行った､鎌倉由比ヶ浜を独りで訪ね､<彼女>と歩いた池袋東口のｻﾝｼｬｲﾝ通り(当時はまだｻﾝｼｬｲﾝ60もｻﾝｼｬｲﾝｼﾃｨも建設中の頃でした)を徘徊し､そして<彼女>を想いながら､この楽曲を書き上げました｡
｢彼女はもういない｣…｡
高校卒業を目の前に<彼女>は逝きました｡中学1年で別々の小学校から一緒のｸﾗｽになりました｡事件を幾度も起こし､施設を出たり入ったりしていた私は､｢ｺﾞﾐｸｽﾞみたいな厭なﾔﾂ｣というﾚｯﾃﾙを貼られ､誰にも相手にされませんでした｡
そんな私をいつも庇ったり冗談言ったり､ｷｬﾋﾟｷｬﾋﾟしながらまとわりついて離れなかった<ｹﾝｶ相手>が<彼女>でした｡<彼女>とは偶然にも3年間､ずっと同じｸﾗｽでした｡
ところで､私は中学2年からNさんという同学年の女性に片思いをしていました｡Nさんへの想いは大学を卒業し､数年後に容子と出会うまで続く事になります｡
<彼女>の名は遥子(ﾖｳｺ)といいます｡
私は遥子にこれっぽっちも異性を感じた事はありません｡少なくとも意識の上ではの話ですが…｡ただ彼女は小学生の途中で東京から転校してきたからなのか､田舎臭さがない垢抜けて可愛いｼｮｰﾄﾍｱｰの子でした｡いつも陽気で笑ってました｡
ひょんな事から鎌倉に行きました｡最初はｸﾞﾙｰﾌﾟでいく予定が狂って2人で行きました｡北鎌倉から山に登り､降りてから長谷寺に寄り､大仏に合掌してから､由比ヶ浜に向かいました｡
気が付くと彼女はﾎﾟﾂﾝと独りで空を見ていました｡訊くと､遥子は呟くように言いました｡
｢あれ鳩かなｶﾓﾒかな､2羽仲良く飛んでるよ…｣
彼女の家庭も複雑で､親が離婚したばかりでした｡2羽のｶﾓﾒと両親が重なって見えたのか､涙を浮かべていました｡悲しそうな遥子の顔を目にしたのはこれが最初で最後です｡
｢海ってどこまでも続いてるんだよね｣
｢当然じゃん｡湖や池じゃねえんだぜ｣
｢遠くの国に行きたいね｣
遥子がいうので｢どこに行きたいって?｣と私が訊くと｢ｱﾌﾘｶとか行きたい｣と彼女は答えました｡
｢ﾊﾞｶか!? せめてﾊﾜｲくらいにしておけよ｣
そんな戯言を言った記憶があります｡江ノ電に乗って鎌倉駅に向かう途中､遥子は突然､真面目な顔で言いました｡
｢ｺｼﾞちゃんて､何故いつもﾅｲﾌ持ってるん?｣
遥子はいつも私を<ｺｼﾞちゃん>と呼んでいました｡あの頃､私は博徒だった父の舎弟で<振り師>の四郎さんから貰った緑のｶﾞﾗｽの柄がついたｼﾞｬｯｸﾅｲﾌを年がら年中持ち歩いていました｡
｢死にたくねえからに決まってるじゃん｣
｢ｺｼﾞちゃんを殺そうなんて人いないよ｡梁川さんがお兄さんなんでしょ｣
遥子は私が小学生時代､2度も名字が変わった事を知っていたし､私と梁川○○(当時､地元の不良や暴走族の裏番で､梁川の親父さんは在日愚連隊のbossであり私の父の<義兄弟>でした)が<義兄弟>の関係にあるという噂から実の兄弟だと思っていたみたいでした｡
これが中2が終わる春休みの話です｡
あれ以来､私は凶器を携帯するのを止めました｡そして､この頃から私は<帰ってきた>お袋のお陰で真面目になり､突然変異のごとくｶﾞﾘ勉に変貌するのです｡
中学卒業後､私は越境で隣県のT高校､遥子は県内のS女子高に進学しました｡通学の方向も違うが故に､中学卒業以来､遥子とは1度も逢っていません｡つまり､私にとっての遥子はいつまでも中学3年生のままです｡
T高は県でもﾄｯﾌﾟｸﾗｽの進学校でした｡授業は想像を超えて厳しいものでした｡しかし校風は極めて自由でした｡学生服着てﾊﾟﾁﾝｺ屋でﾀﾊﾞｺをくわえて遊んでいても一切おとがめがないほどの学校でした｡
私が憧れていたNさんはT高の姉妹高であるT女子高に進学していました｡T高もT女子高も同じT市にありました｡ですから､登下校時や図書館で見かける事め度々ありました｡1度も話した事がない相手でしたが､Nさんへの恋心は募るばかりでした｡
自然と私は遥子の事を忘れていきました…｡続きを読む
僕はｵﾏｴを､ひとり占めに出来ない
空を見上げて､黙って泣いていた
あのときのｵﾏｴは､いまはもういない
あまりにｵﾏｴが陽気だから
僕はｵﾏｴを､ただ見てるだけ
海を見つめて､遠くに行きたいなんて
ポツリと呟いた､ｵﾏｴはもういない
あまりにｵﾏｴを愛しているから
僕はｵﾏｴを､抱きしめられない
ふたりで歩いた､あの道も落ち葉が舞う
寂しい悲しい､季節を待ってるようだ
私が早稲田大学に入学した年…青臭いｶﾞｷでしたが､精一杯の気持ちで作詞･作曲した､ｵﾘｼﾞﾅﾙ楽曲､｢あのとき…｣の歌詞です｡内容は決して創作ではありません｡
高校卒業後､数年間の浪人時代(上智や立教に籍を置いたりしてましたが…)を経て早稲田に合格し､極真会館に入門して一段落ついた頃の事です｡私は改めて<彼女>と行った､鎌倉由比ヶ浜を独りで訪ね､<彼女>と歩いた池袋東口のｻﾝｼｬｲﾝ通り(当時はまだｻﾝｼｬｲﾝ60もｻﾝｼｬｲﾝｼﾃｨも建設中の頃でした)を徘徊し､そして<彼女>を想いながら､この楽曲を書き上げました｡
｢彼女はもういない｣…｡
高校卒業を目の前に<彼女>は逝きました｡中学1年で別々の小学校から一緒のｸﾗｽになりました｡事件を幾度も起こし､施設を出たり入ったりしていた私は､｢ｺﾞﾐｸｽﾞみたいな厭なﾔﾂ｣というﾚｯﾃﾙを貼られ､誰にも相手にされませんでした｡
そんな私をいつも庇ったり冗談言ったり､ｷｬﾋﾟｷｬﾋﾟしながらまとわりついて離れなかった<ｹﾝｶ相手>が<彼女>でした｡<彼女>とは偶然にも3年間､ずっと同じｸﾗｽでした｡
ところで､私は中学2年からNさんという同学年の女性に片思いをしていました｡Nさんへの想いは大学を卒業し､数年後に容子と出会うまで続く事になります｡
<彼女>の名は遥子(ﾖｳｺ)といいます｡
私は遥子にこれっぽっちも異性を感じた事はありません｡少なくとも意識の上ではの話ですが…｡ただ彼女は小学生の途中で東京から転校してきたからなのか､田舎臭さがない垢抜けて可愛いｼｮｰﾄﾍｱｰの子でした｡いつも陽気で笑ってました｡
ひょんな事から鎌倉に行きました｡最初はｸﾞﾙｰﾌﾟでいく予定が狂って2人で行きました｡北鎌倉から山に登り､降りてから長谷寺に寄り､大仏に合掌してから､由比ヶ浜に向かいました｡
気が付くと彼女はﾎﾟﾂﾝと独りで空を見ていました｡訊くと､遥子は呟くように言いました｡
｢あれ鳩かなｶﾓﾒかな､2羽仲良く飛んでるよ…｣
彼女の家庭も複雑で､親が離婚したばかりでした｡2羽のｶﾓﾒと両親が重なって見えたのか､涙を浮かべていました｡悲しそうな遥子の顔を目にしたのはこれが最初で最後です｡
｢海ってどこまでも続いてるんだよね｣
｢当然じゃん｡湖や池じゃねえんだぜ｣
｢遠くの国に行きたいね｣
遥子がいうので｢どこに行きたいって?｣と私が訊くと｢ｱﾌﾘｶとか行きたい｣と彼女は答えました｡
｢ﾊﾞｶか!? せめてﾊﾜｲくらいにしておけよ｣
そんな戯言を言った記憶があります｡江ノ電に乗って鎌倉駅に向かう途中､遥子は突然､真面目な顔で言いました｡
｢ｺｼﾞちゃんて､何故いつもﾅｲﾌ持ってるん?｣
遥子はいつも私を<ｺｼﾞちゃん>と呼んでいました｡あの頃､私は博徒だった父の舎弟で<振り師>の四郎さんから貰った緑のｶﾞﾗｽの柄がついたｼﾞｬｯｸﾅｲﾌを年がら年中持ち歩いていました｡
｢死にたくねえからに決まってるじゃん｣
｢ｺｼﾞちゃんを殺そうなんて人いないよ｡梁川さんがお兄さんなんでしょ｣
遥子は私が小学生時代､2度も名字が変わった事を知っていたし､私と梁川○○(当時､地元の不良や暴走族の裏番で､梁川の親父さんは在日愚連隊のbossであり私の父の<義兄弟>でした)が<義兄弟>の関係にあるという噂から実の兄弟だと思っていたみたいでした｡
これが中2が終わる春休みの話です｡
あれ以来､私は凶器を携帯するのを止めました｡そして､この頃から私は<帰ってきた>お袋のお陰で真面目になり､突然変異のごとくｶﾞﾘ勉に変貌するのです｡
中学卒業後､私は越境で隣県のT高校､遥子は県内のS女子高に進学しました｡通学の方向も違うが故に､中学卒業以来､遥子とは1度も逢っていません｡つまり､私にとっての遥子はいつまでも中学3年生のままです｡
T高は県でもﾄｯﾌﾟｸﾗｽの進学校でした｡授業は想像を超えて厳しいものでした｡しかし校風は極めて自由でした｡学生服着てﾊﾟﾁﾝｺ屋でﾀﾊﾞｺをくわえて遊んでいても一切おとがめがないほどの学校でした｡
私が憧れていたNさんはT高の姉妹高であるT女子高に進学していました｡T高もT女子高も同じT市にありました｡ですから､登下校時や図書館で見かける事め度々ありました｡1度も話した事がない相手でしたが､Nさんへの恋心は募るばかりでした｡
自然と私は遥子の事を忘れていきました…｡続きを読む
2008.12.11
<気持ち>を大切に！
重たい荷物は背負ってしまえば､両手が自由になるだろう
その手で誰かを支えられたら､それはどんなに素敵なんだろう
気持ちだよ 気持ちだよ
君にあげたいものは
気持ちだよ 気持ちだよ
僕の気持ちだよ
君が笑うと嫌なことが､何故だかちっちゃくなるんだよ
泣きたいくらいに落ち込む夜が､君にだってあるだろうに
気持ちだよ 気持ちだよ
君から貰ったものは
気持ちだよ 気持ちだよ
君の気持ちだよ
固めた拳は柔らかいものを､きっと最後に叩くんだろう
だけどそれを止める拳もきっとどこかにあるんだろう
気持ちだよ 気持ちだよ
ひとを繋いでるものは
気持ちだよ 気持ちだよ
そんな気持ちだよ
気持ちだよ 気持ちだよ
君にあげたいものは
気持ちだよ 気持ちだよ
僕の気持ちだよ
T･YOSHIDA
吉田拓郎の｢気持ちだよ｣という唄です｡
これは私が誰よりも大切に想うﾋﾄに贈る唄であり､私の心の｢言葉｣です｡
しかし…この詞を何度も読んでみると､単に愛するﾋﾄへの唄の範疇を越えて､私の仲間や｢義兄弟｣､そして会社のstaffたちへの私からの想いであり､同時に彼ら彼女らから私へのmessageにも聞こえてくるから不思議です｡
筋だ､義理だと突っ張りながらも､本当に大切なﾓﾉは相手に対する<気持ち>なのかもしれません｡<気持ち>無くして礼儀も何もない｡そんな事をつくづくと考えさせ､また自分の生き方を反省させてくれるのが､この唄です｡
機会があったら是非､聴いてみて下さい｡
(了)
その手で誰かを支えられたら､それはどんなに素敵なんだろう
気持ちだよ 気持ちだよ
君にあげたいものは
気持ちだよ 気持ちだよ
僕の気持ちだよ
君が笑うと嫌なことが､何故だかちっちゃくなるんだよ
泣きたいくらいに落ち込む夜が､君にだってあるだろうに
気持ちだよ 気持ちだよ
君から貰ったものは
気持ちだよ 気持ちだよ
君の気持ちだよ
固めた拳は柔らかいものを､きっと最後に叩くんだろう
だけどそれを止める拳もきっとどこかにあるんだろう
気持ちだよ 気持ちだよ
ひとを繋いでるものは
気持ちだよ 気持ちだよ
そんな気持ちだよ
気持ちだよ 気持ちだよ
君にあげたいものは
気持ちだよ 気持ちだよ
僕の気持ちだよ
T･YOSHIDA
吉田拓郎の｢気持ちだよ｣という唄です｡
これは私が誰よりも大切に想うﾋﾄに贈る唄であり､私の心の｢言葉｣です｡
しかし…この詞を何度も読んでみると､単に愛するﾋﾄへの唄の範疇を越えて､私の仲間や｢義兄弟｣､そして会社のstaffたちへの私からの想いであり､同時に彼ら彼女らから私へのmessageにも聞こえてくるから不思議です｡
筋だ､義理だと突っ張りながらも､本当に大切なﾓﾉは相手に対する<気持ち>なのかもしれません｡<気持ち>無くして礼儀も何もない｡そんな事をつくづくと考えさせ､また自分の生き方を反省させてくれるのが､この唄です｡
機会があったら是非､聴いてみて下さい｡
(了)
2008.08.11
《新装版》ﾌｧｲﾄ! 闘う君の唄を闘わないﾔﾂらが笑うだろう…
力なき正義は無能なり…大山倍達が教えてくれた｡
ﾌｧｲﾄ! 闘う君の唄を闘わない奴らが笑うだろう…
ファイト! 闘う君の唄を闘わない奴らが笑うだろう
ファイト! 冷たい水のなかを震えながら昇ってゆけ
暗い水の流れに打たれながら魚たち昇ってゆく
光っているのは傷ついて剥がれかけた鱗が揺れるから
いっそ水の流れに身を任せ流れ落ちてしまえば楽なのにね
痩せこけてそんなに痩せこけて魚たち昇ってゆく
勝つか負けるかそれは分からない
それでもとにかく闘いの出場通知を抱きしめてｱｲﾂは海になりました
ファイト! 闘う君の唄を闘わない奴らが笑うだろう
ファイト! 冷たい水のなかを震えながら昇ってゆけ
あの魚たちの群れｷﾗｷﾗと海のなかの国境を越えていく
諦めという名の鎖を身を捩って解いていく…
中島みゆきと吉田拓郎の合作､｢ﾌｧｲﾄ!｣という唄の歌詞である｡
この唄を聴いて私は幾度､涙を流したか分からない｡実際の歌詞はもっと長い｡悔しい､辛い､悲しい少年や少女の思いが､それぞれのｼﾁｭｴｰｼｮﾝで綴られている｡私も歌詞に出てくる彼らのなかの1人だった…｡
悔しいから反抗した｡
辛いから泣いた｡
悲しいから闘った｡
闘うということがどういう意味か？私は自らの体験から学んだのだ｡本来なら､そんなもの学ぶ必要はない｡否､学びたくもないことだ｡しかし､生き抜くためには闘うしかなかった｡
そんな私を過去､多くの人間たちが嘲笑ってきた｡
｢ﾔｸｻﾞの息子が､ﾁｮｰｾﾝに何が出来るよ! 悔しかったら一人前に学校出て人並み以上に稼いでみな｡どうせﾁﾝﾋﾟﾗになるのがせいぜいだよ｣
｢ﾁﾋﾞが､かかってこいよ､ほーらﾁﾋﾞの癖に生意気に! 柔道だろうがﾌﾟﾛﾚｽだろうがやってこいよ｡いつでもﾌｸﾛにしてやるわ｣
｢口だけ達者でとうとう逃げ出した｡ｱｲﾂはそうやっていつも調子いいこといって都合が悪くなると逃げ出すんだよ｣
｢ﾍﾟﾝは暴力にもなる｡けどｵﾏｴのﾍﾟﾝなんか簡単に折ってやる｡ﾍﾟﾝでさえ握れないようにしてやるよ｡生意気いうのは100年早いんだよ｣
いまでも私を嘲笑うﾔﾂらは絶えない｡
だが､昔と違っているのは､誰も直接私の前で笑わないし､愚弄もしないということだ｡笑うﾔﾂらはいつも姿を隠し､必死になって見えないところから引きつったように笑うだけである｡
そういうのを世間では｢弱犬の遠吠え｣と呼ぶ｡
私は逃げも隠れもしない｡
東京豊島区池袋のMugenが私の本陣だ｡私を笑いたければ､悪口叩きたいならば､ｹﾝｶを売りたいならばMugenにくればいい｡続きを読む
2008.08.08
《報告》｢大山倍達の遺言｣に驚愕の新事実が… (8/9新改訂版)
自ら亡き後に勃発した､人間の醜さと欲のみを露呈した極真会館の分裂騒動…｡大山倍達は果たして予期していたのだろうか？
いま､｢大山倍達の遺言｣について､本章(1-6章まで､その前後に序章と終章が入る｡現時点での原稿量は原稿用紙計算にして千枚弱)をcheckしているところである｡
まず導入部分から驚きの新事実が明らかになる｡そして最後まで続く新事実の連続に､誰もが圧倒されるだろう｡私から概略のまた概略を聞いた松井章圭でさえ､｢まさか…｣と絶句したほどだ｡
全て､極真会館分裂の元凶は三瓶啓二にある｡
これは最初に書いておいてもいいだろう｡American-dramaの｢刑事ｺﾛﾝﾎﾞ｣ではないが､先に事件の犯人を明示しておいてから､如何にして犯人が犯罪を思い付き､如何にして計画を練り､誰を利用し､どのように犯行に至ったのか…｡
｢刑事ｺﾛﾝﾎﾞ｣同様の手法により､100人を超える証人と公開済みのMedia資料､更に未だ表に出ない未公開資料などによって､私たちは三瓶の言動を克明に浮き彫りにした｡
それにしても三瓶の､およそ人間とは思えない悪意と悪事には驚きを超えて改めて唖然とするばかりだ｡鬼畜以下と言っても言い過ぎではないだろう｡人間､どうすればあそこまで邪悪になれるのだろうか…｡私にはdevilやSatanでも､ああはなれないと思えてならない｡何よりも卑怯かつ狡猾きわまりない｡二枚舌､否､三枚舌四枚舌を駆使し､決して｢表｣にはでず､幾つもの顔(ｼﾞｷﾙ&ﾊｲﾄﾞ以上だ)を演じながら常に陰謀を巡らし､権謀術数を尽くし､極真会館という組織を滅茶苦茶に破壊していく様は壮絶でさえある｡
｢最低最悪｣という言葉だけでは表現できないほどの邪悪さ｡冗談も失笑も通じない本物の邪悪さである｡その邪悪な素顔を隠しつつ､三瓶は緑健児や増田章､更に三和､入来たちを自らの手中に収めていった｡
極真会館に影響力の強い古参支部長である廣重毅や西田幸夫たちには､卑屈以上に卑屈な態度で接し､嘘で固めた｢誠意｣と｢大義名分｣を説いて同情を買い､極真会館館長に野望を持つ長谷川一幸や高木薫には内心､とてつもない憎しみと反発感を抱きながらも本心を隠し､猫のように擦りよる｡そして､その人間に利用価値がなくなれば｢物｣のように簡単に捨てる｡
現在の新極真会の基となる支部長協議会派の誕生は､俗に呼ばれる｢三瓶group｣を中心に､独楽鼠のように愚かながらも､ひたすら忠実に動いた緑健児らの暗躍によって生まれ､現在まで生き延びてきたと言える｡
彼らの行動は､まさしく｢悪夢｣でさえ見ないような究極の｢悪夢｣と言っていい…｡
三瓶にお願いがある｡
｢大山倍達の遺言｣の発売後､どうか私たちを名誉毀損で告訴してほしい｡そうすれば､私たちが書き連ねてきた事実の数々が法的に認められ､明々白々となるからだ｡そうでもしないと､いくら私たちが数々の証言と資料やdataに基づいて｢事実｣を記したと明言しても､信じられないと｢大山倍達の遺言｣の内容を批判し拒む人たちは少なくないだろうからである｡
ところで｢大山倍達の遺言｣は､塚本佳子に本文執筆の全てを任せ､私は本書の主題､motifとなる序章と終章のみに徹した｡
改めて推敲しながら思った｡
息子は塚本の原稿をじっくり読んで素晴らしいと絶賛する｡多分Mugenのstaffもそうに違いない｡
彼らには､遠慮している意識も幇間のつもりはないだろう｡しかし私は真っ赤にｱｶをいれる｡勿論､私たちのlevelになれば､私のｱｶを生かすも無視するのも塚本の自由だ｡
｢芦原英幸伝｣の私の原稿…｡
息子は完璧だといって涙した｡当然Mugenのstaffも多くの読者もそう思ったはずだ｡｢芦原英幸伝｣にｸﾚｰﾑを付けるのは､｢ある事情｣により事実を書かれては困る小心者､芦原英幸の愚息･英典と､その太鼓持ちだけである｡平山某とかいう痩せ細ったNetｵﾀｸが好例だ(そういえば平山某､威勢良く私を告訴すると騒いだが､予想通り口だけだった｡ｹﾝｶは口だけ､裁判も口だけ…｡だから貧乏人にはｹﾝｶも裁判もできんと言ったやんか! 同じ悪でも三瓶みたいに悪の権現に成り切れない悲しい人間は数多い｡もっともそれが真っ当な人間の姿ではあるが…｡ちなみに平山も何か事故に遭ったって?)｡
闘う事も知らず､否､出来ない弱虫たちがNetを利用して騒ぐだけだった｡まるで害虫そのものだが､それらもかなり駆除されたようだ｡いずれにせよ､私には全く関係ないが…｡
本筋から外れるが､ひとつだけ納得できないことがある｡｢芦原英幸伝｣を巡るtroubleのなかで唯一､私は芦原会館No.2(本人が自称し､芦原会館規約上でも間違いない)の西山亨だけは別格だと彼の誠意を信じてきた｡西山には誠意がある｡それは新極真会事務局長である小井泰三も同様だ｡彼らに対する私の信頼はいまも変わらない｡
だが､芦原英幸の葬式の直前までの数か月(期間については様々な説がある)､西山は芦原会館に連絡も入れず失踪していた｡複数の証人が存在する以上､嘘は通らない｡その理由は何なのか？ 更に､何故そのような失態を演じたにもかかわらず､彼は並み居る先輩を押しのけて芦原会館No.2の地位をものにしたのだろうか？ それだけが不思議でならない｡仮に芦原英幸が健在だったならば､確実に即刻除名(破門)になっていたに違いないからだ｡
話題を｢芦原英幸伝｣に戻す｡
3-6月にかけて､私のもとには｢芦原英幸伝｣を絶賛する声が連日のように届いた｡私自身､精一杯､芦原英幸への想いを込めて書き上げた作品だ｡実質的な絶版を版元に依頼した事をいまは後悔さえしている｡
そんな私の魂を込めた｢芦原英幸伝｣の原稿にもかかわらず､塚本は推敲段階で､ぼろぼろとｱｶを入れた｡
極真空手の例を挙げて説明してみる｡
初心者の白帯には､やや中級者の段階に入りかけている黄帯の技が完璧に見える｡しかし黄帯にとっては､白帯の技は何もかも素人同然に見えてしまう｡しかしだ｡茶帯の人間には黄帯の技は隙だらけで無駄も多く､まだまだ甘いと思える｡一方､黄帯の者には茶帯の先輩が最強に見える｡
更にlevelを上げていくならば､黒帯と茶帯の間には決定的な差がある｡勿論､組手技術もPowerもstaminaも各段に違う｡だが､もっと決定的なのは闘争心と闘う覚悟の差である(とは言え､現在､極真会館と新極真会の実力差は想像以上に大きく､更に連合系や独立系を含めるならば､いまや｢極真空手｣というだけで黒帯の価値がｲｺｰﾙでは有り得ない｡宗家とかT派では空手の出来ない人間に銭で帯を売っているほどだ｡あくまで喩えである)｡
私と塚本は関東大会､北陸大会などの地方大会に連続出場し､連戦連勝を果たしてきた｡だが､私たちは長年､地方大会止まりという苦境に耐え続けた｡そして､やっと｢大山倍達正伝｣によって全日本選手権の檜舞台に立つことができた｡それも､何とかbest8に入れたと自負している｡
野球に喩えるならば､今まで高校野球で試合をしていた私たちが､突然､ｱﾒﾘｶのMajorに移籍したようなものだ｡それも､ただのMajorではない｡名門中の名門､YankeesかDodgersという超一流のteamのなかで､超一流の選手たちと戦っているのだ｡続きを読む
2008.07.14
《冬眠熊の鼻歌》ﾛｯｸ･ﾐｭｰｼﾞｯｸから｢歴史｣を考える(修正版)
君はﾎﾞﾌﾞﾃﾞｨﾗﾝを聴いたかい!?
ﾌﾞﾙｰｽｽﾌﾟﾘﾝｸﾞｽﾃｨｰﾝを聴いたか?
ﾈﾘｰやｴﾐﾈﾑの叫びを聴いたか!
ﾍﾝﾄﾞﾘｯｸｽはｷﾞﾀｰの天才だった｡ｷｰｽﾘﾁｬｰｽﾞは稀代のﾊﾟﾌｫｰﾏｰだった｡しかしｼﾞｪﾌﾍﾞｯｸが奏でるｷﾞﾀｰのﾄﾞﾗｲﾌﾞ感には､ﾌﾞﾙｰｽの呪縛から終生逃れられなかったｸﾗﾌﾟﾄﾝに欠けている突き抜けた純真さがあった…｡
ﾋﾞｰﾄﾙｽﾞ?
世界ﾎﾟｯﾌﾟｽ界の｢歴史｣に名を刻むｽｰﾊﾟｰﾊﾞﾝﾄﾞだったことについては論を待たない｡だがﾋﾞｰﾄﾙｽﾞの｢歴史｣には決定的な｢事実｣が隠されている｡
ｽﾁｭﾜｰﾄがいた頃が真実のｱｰﾃｨｽﾄ･ﾋﾞｰﾄﾙｽﾞだった｡ｽﾁｭﾜｰﾄが抜け､ﾋﾟｰﾄが消えﾘﾝｺﾞが入り､ﾌﾞﾗｲｱﾝｴﾌﾟｽﾀｲﾝがﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｽし､ｼﾞｮｰｼﾞﾏｰﾃｨﾝがｱﾚﾝｼﾞｬｰとなった瞬間､本来のﾋﾞｰﾄﾙｽﾞは終わった｡西ﾄﾞｲﾂからｲｷﾞﾘｽに帰ったﾋﾞｰﾄﾙｽﾞはｱｲﾄﾞﾙ､そしてﾋｯﾄﾅﾝﾊﾞｰ製造ﾊﾞﾝﾄﾞに変貌した｡
喩えはあまりに卑小過ぎるが､矢沢永吉率いるｷｬﾛﾙのｺﾋﾟｰﾊﾞﾝﾄﾞだったﾁｪｯｶｰｽﾞが芸能界ﾃﾞﾋﾞｭｰした瞬間､ｶﾞｷ娘相手のｱｲﾄﾞﾙｸﾞﾙｰﾌﾟに堕落したようなものだ｡
たしかにﾎﾟｰﾙもｼﾞｮﾝも稀有な天才だった｡ｼﾞｮｰｼﾞの独特な音楽観も極めて稀少なものだった｡だからﾋﾞｰﾄﾙｽﾞという存在を私は決して過小評価しているつもりはない｡だが彼等が本格的に評価されるのは解散してからの70年代である｡
しかし｢歴史｣は嘘をつく｡
ﾋﾞｰﾄﾙｽﾞの来日がさも日本音楽界の｢革命｣のごとく訳知り顔でほざく評論家･文化人たちに私は強烈な違和感を抱かざるを得ない｡あの時､熱狂的に騒いだのはろくに音楽もﾛｯｸも分からないﾐｰﾊｰな娘たちが主だった｡
音楽関係者は一様に冷たい視線を送っていたはずである｡だが､後にﾋﾞｰﾄﾙｽﾞが世界的評価を受けると､さも自分こそが｢歴史の証人｣だったような口を利き始める｡
挙げ句に､｢ｸﾞﾙｰﾌﾟｻｳﾝｽﾞのﾌﾞｰﾑの原点はﾋﾞｰﾄﾙｽﾞである…｣などとまで言い出す似非音楽評論家まで現れてきた｡ｱﾎか!? ｸﾞﾙｰﾌﾟｻｳﾝｽﾞのﾑｰﾌﾞﾒﾝﾄはﾍﾞﾝﾁｬｰｽﾞの｢ｴﾚｷｻｳﾝﾄﾞﾌﾞｰﾑ｣に乗って生まれた現象である｡
いまや毎年夏の出稼ぎﾊﾞﾝﾄﾞに落ちぶれた(と世間は批判するが､私はそうは思わない｡ﾍﾞﾝﾁｬｰｽﾞが世界のﾎﾟｯﾌﾟｽ界をﾘｰﾄﾞしていた時代は確実にあった)ﾍﾞﾝﾁｬｰｽﾞを無視し､何もかもﾋﾞｰﾄﾙｽﾞから｢始まった｣ような綺麗事で言葉を飾るﾊﾞｶ野郎たち…｡
なる程､｢歴史｣は後世のｲﾝﾁｷ文化人が作る､否､捏造するものなのか｡
ﾛｰﾘﾝｸﾞｽﾄｰﾝｽﾞもﾐｯｸとｷｰｽの2枚看板でrock'n'rollを歌い､ﾛﾝｳｯﾄﾞの加入によってﾊﾞﾝﾄﾞとしての完成度を完璧にした｡それは事実であり､今も尚現役でいるだけでも既にﾋﾞｰﾄﾙｽﾞを凌駕するﾓﾝｽﾀｰﾊﾞﾝﾄﾞといえる｡
だが､ﾛｰﾘﾝｸﾞｽﾄｰﾝｽﾞ初期､ﾌﾞﾗｲｱﾝｼﾞｮｰﾝｽﾞという薄幸の天才ﾎﾜｲﾄﾌﾞﾙｰｽﾐｭｰｼﾞｼｬﾝが大きな影響力を有していたことが､いつしか歴史の陰に埋もれてしまったことが悲しい｡ﾌﾞﾗｲｱﾝｼﾞｮｰﾝｽﾞによって結成された第1期のﾛｰﾘﾝｸﾞｽﾄｰﾝｽﾞは地味ではあったが良質なﾎﾜｲﾄﾌﾞﾙｰｽﾊﾞﾝﾄﾞだった｡
ｱﾌﾘｶから奴隷船に乗せられ､中南米を経由してｱﾒﾘｶ､ﾐｼｼｯﾋﾟﾃﾞﾙﾀに運ばれた黒人たちのうち､綿花畑のなかで過酷な重労働に従事させられた人々の叫びがﾌﾞﾙｰｽになった｡ちなみにｼﾞｬｽﾞはﾆｭｰｵﾘﾝｽﾞの街中で働くｸﾚｵｰﾙ(ﾌﾗﾝｽ系白人との混血)たちのなかで生まれた(別な説もあるが)｡そもそもﾌﾞﾙｰｽとｼﾞｬｽﾞは別々に発祥した音楽である｡
このﾌﾞﾙｰｽが再び大西洋を渡りｲｷﾞﾘｽに伝わりﾎﾜｲﾄﾌﾞﾙｰｽになる｡このﾎﾜｲﾄﾌﾞﾙｰｽが､ﾔｰﾄﾞﾊﾞｰｽﾞ､ｸﾘｰﾑを経てﾌﾞﾘﾃｨｯｼｭﾛｯｸとなった｡その代表格がﾚｯﾄﾞﾂｪｯﾍﾟﾘﾝだ｡
ｱﾒﾘｶ本国ではまた独自の発展を遂げるﾌﾞﾙｰｽだが､少なくとも現在のﾛｯｸ､ﾎﾟｯﾌﾟｽの系譜にﾌﾞﾘﾃｨｯｼｭﾛｯｸを外すことはできない｡
あのﾎﾞﾌﾞﾃﾞｨﾗﾝでさえ､ｱﾒﾘｶ独自のｶﾝﾄﾘｰやﾋﾙﾋﾞﾘｰの影響だけでなくｵﾘｼﾞﾅﾙﾌﾞﾙｰｽ､そして逆輸入されたﾌﾞﾘﾃｨｯｼｭﾛｯｸのﾊﾟﾜｰとは無関係でいられなかった｡
何故､ﾎﾞﾌﾞﾃﾞｨﾗﾝは突然､ｴﾚｷｷﾞﾀｰを手にしたのか…｡
話は尽きない｡
｢歴史｣は後付けであってはならない｡後世の人間たちにとって得なように歪曲･捏造されてきたのが｢歴史｣であるならば､それは｢事実｣ではなく単なる｢伝説｣に過ぎない｡
｢歴史｣とは現在の視点で分析･解釈するものではない｡その時代に戻り､その時代の｢環境｣を見失わない冷徹な｢視線｣こそが何よりも重要なのである｡
音楽ひとつからも､｢歴史｣の真理を学ぶことができる｡
ﾎﾞﾌﾞﾃﾞｨﾗﾝはｱﾒﾘｶの良識か!?
Tﾚｯｸｽはﾌﾞﾙｰｽﾛｯｸにｼﾞｬｽﾞのﾌﾞｷﾞｰｻｳﾝﾄﾞを取り入れた。
ﾎﾞﾌﾞﾃﾞｨﾗﾝとﾌﾞﾘﾃｨｯｼｭﾛｯｸの存在がなかったらﾌﾞﾙｰｽｽﾌﾟﾘﾝｸﾞｽﾃｨｰﾝもいなかった。
ﾛｯﾄﾞｽﾁｭﾜｰﾄはﾌﾞﾘﾃｨｯｼｭﾛｯｸ草創期から､80年代ﾛｯｸ不毛のﾀﾞﾝｽﾐｭｰｼﾞｯｸ(ﾃﾞｨｽｺｻｳﾝﾄﾞ)全盛期を生き残り､世界を代表するﾎﾟｯﾌﾟﾛｯｸｼﾝｶﾞｰとして生き延びた。矢沢永吉のﾏｲｸﾀｰﾝはﾛｯﾄﾞｽﾁｭﾜｰﾄが原点である｡
ｸﾗｼｯｸﾐｭｰｼﾞｼｬﾝの道を約束されていたｴﾙﾄﾝｼﾞｮﾝはﾌﾞﾘﾃｨｯｼｭﾛｯｸを知り､新しいﾛｯｸの新境地を拓いた｡ｴﾙﾄﾝｼﾞｮﾝなくしてﾛｯｸﾊﾞﾗｰﾄﾞは語れない。
(了)
ﾌﾞﾙｰｽｽﾌﾟﾘﾝｸﾞｽﾃｨｰﾝを聴いたか?
ﾈﾘｰやｴﾐﾈﾑの叫びを聴いたか!
ﾍﾝﾄﾞﾘｯｸｽはｷﾞﾀｰの天才だった｡ｷｰｽﾘﾁｬｰｽﾞは稀代のﾊﾟﾌｫｰﾏｰだった｡しかしｼﾞｪﾌﾍﾞｯｸが奏でるｷﾞﾀｰのﾄﾞﾗｲﾌﾞ感には､ﾌﾞﾙｰｽの呪縛から終生逃れられなかったｸﾗﾌﾟﾄﾝに欠けている突き抜けた純真さがあった…｡
ﾋﾞｰﾄﾙｽﾞ?
世界ﾎﾟｯﾌﾟｽ界の｢歴史｣に名を刻むｽｰﾊﾟｰﾊﾞﾝﾄﾞだったことについては論を待たない｡だがﾋﾞｰﾄﾙｽﾞの｢歴史｣には決定的な｢事実｣が隠されている｡
ｽﾁｭﾜｰﾄがいた頃が真実のｱｰﾃｨｽﾄ･ﾋﾞｰﾄﾙｽﾞだった｡ｽﾁｭﾜｰﾄが抜け､ﾋﾟｰﾄが消えﾘﾝｺﾞが入り､ﾌﾞﾗｲｱﾝｴﾌﾟｽﾀｲﾝがﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｽし､ｼﾞｮｰｼﾞﾏｰﾃｨﾝがｱﾚﾝｼﾞｬｰとなった瞬間､本来のﾋﾞｰﾄﾙｽﾞは終わった｡西ﾄﾞｲﾂからｲｷﾞﾘｽに帰ったﾋﾞｰﾄﾙｽﾞはｱｲﾄﾞﾙ､そしてﾋｯﾄﾅﾝﾊﾞｰ製造ﾊﾞﾝﾄﾞに変貌した｡
喩えはあまりに卑小過ぎるが､矢沢永吉率いるｷｬﾛﾙのｺﾋﾟｰﾊﾞﾝﾄﾞだったﾁｪｯｶｰｽﾞが芸能界ﾃﾞﾋﾞｭｰした瞬間､ｶﾞｷ娘相手のｱｲﾄﾞﾙｸﾞﾙｰﾌﾟに堕落したようなものだ｡
たしかにﾎﾟｰﾙもｼﾞｮﾝも稀有な天才だった｡ｼﾞｮｰｼﾞの独特な音楽観も極めて稀少なものだった｡だからﾋﾞｰﾄﾙｽﾞという存在を私は決して過小評価しているつもりはない｡だが彼等が本格的に評価されるのは解散してからの70年代である｡
しかし｢歴史｣は嘘をつく｡
ﾋﾞｰﾄﾙｽﾞの来日がさも日本音楽界の｢革命｣のごとく訳知り顔でほざく評論家･文化人たちに私は強烈な違和感を抱かざるを得ない｡あの時､熱狂的に騒いだのはろくに音楽もﾛｯｸも分からないﾐｰﾊｰな娘たちが主だった｡
音楽関係者は一様に冷たい視線を送っていたはずである｡だが､後にﾋﾞｰﾄﾙｽﾞが世界的評価を受けると､さも自分こそが｢歴史の証人｣だったような口を利き始める｡
挙げ句に､｢ｸﾞﾙｰﾌﾟｻｳﾝｽﾞのﾌﾞｰﾑの原点はﾋﾞｰﾄﾙｽﾞである…｣などとまで言い出す似非音楽評論家まで現れてきた｡ｱﾎか!? ｸﾞﾙｰﾌﾟｻｳﾝｽﾞのﾑｰﾌﾞﾒﾝﾄはﾍﾞﾝﾁｬｰｽﾞの｢ｴﾚｷｻｳﾝﾄﾞﾌﾞｰﾑ｣に乗って生まれた現象である｡
いまや毎年夏の出稼ぎﾊﾞﾝﾄﾞに落ちぶれた(と世間は批判するが､私はそうは思わない｡ﾍﾞﾝﾁｬｰｽﾞが世界のﾎﾟｯﾌﾟｽ界をﾘｰﾄﾞしていた時代は確実にあった)ﾍﾞﾝﾁｬｰｽﾞを無視し､何もかもﾋﾞｰﾄﾙｽﾞから｢始まった｣ような綺麗事で言葉を飾るﾊﾞｶ野郎たち…｡
なる程､｢歴史｣は後世のｲﾝﾁｷ文化人が作る､否､捏造するものなのか｡
ﾛｰﾘﾝｸﾞｽﾄｰﾝｽﾞもﾐｯｸとｷｰｽの2枚看板でrock'n'rollを歌い､ﾛﾝｳｯﾄﾞの加入によってﾊﾞﾝﾄﾞとしての完成度を完璧にした｡それは事実であり､今も尚現役でいるだけでも既にﾋﾞｰﾄﾙｽﾞを凌駕するﾓﾝｽﾀｰﾊﾞﾝﾄﾞといえる｡
だが､ﾛｰﾘﾝｸﾞｽﾄｰﾝｽﾞ初期､ﾌﾞﾗｲｱﾝｼﾞｮｰﾝｽﾞという薄幸の天才ﾎﾜｲﾄﾌﾞﾙｰｽﾐｭｰｼﾞｼｬﾝが大きな影響力を有していたことが､いつしか歴史の陰に埋もれてしまったことが悲しい｡ﾌﾞﾗｲｱﾝｼﾞｮｰﾝｽﾞによって結成された第1期のﾛｰﾘﾝｸﾞｽﾄｰﾝｽﾞは地味ではあったが良質なﾎﾜｲﾄﾌﾞﾙｰｽﾊﾞﾝﾄﾞだった｡
ｱﾌﾘｶから奴隷船に乗せられ､中南米を経由してｱﾒﾘｶ､ﾐｼｼｯﾋﾟﾃﾞﾙﾀに運ばれた黒人たちのうち､綿花畑のなかで過酷な重労働に従事させられた人々の叫びがﾌﾞﾙｰｽになった｡ちなみにｼﾞｬｽﾞはﾆｭｰｵﾘﾝｽﾞの街中で働くｸﾚｵｰﾙ(ﾌﾗﾝｽ系白人との混血)たちのなかで生まれた(別な説もあるが)｡そもそもﾌﾞﾙｰｽとｼﾞｬｽﾞは別々に発祥した音楽である｡
このﾌﾞﾙｰｽが再び大西洋を渡りｲｷﾞﾘｽに伝わりﾎﾜｲﾄﾌﾞﾙｰｽになる｡このﾎﾜｲﾄﾌﾞﾙｰｽが､ﾔｰﾄﾞﾊﾞｰｽﾞ､ｸﾘｰﾑを経てﾌﾞﾘﾃｨｯｼｭﾛｯｸとなった｡その代表格がﾚｯﾄﾞﾂｪｯﾍﾟﾘﾝだ｡
ｱﾒﾘｶ本国ではまた独自の発展を遂げるﾌﾞﾙｰｽだが､少なくとも現在のﾛｯｸ､ﾎﾟｯﾌﾟｽの系譜にﾌﾞﾘﾃｨｯｼｭﾛｯｸを外すことはできない｡
あのﾎﾞﾌﾞﾃﾞｨﾗﾝでさえ､ｱﾒﾘｶ独自のｶﾝﾄﾘｰやﾋﾙﾋﾞﾘｰの影響だけでなくｵﾘｼﾞﾅﾙﾌﾞﾙｰｽ､そして逆輸入されたﾌﾞﾘﾃｨｯｼｭﾛｯｸのﾊﾟﾜｰとは無関係でいられなかった｡
何故､ﾎﾞﾌﾞﾃﾞｨﾗﾝは突然､ｴﾚｷｷﾞﾀｰを手にしたのか…｡
話は尽きない｡
｢歴史｣は後付けであってはならない｡後世の人間たちにとって得なように歪曲･捏造されてきたのが｢歴史｣であるならば､それは｢事実｣ではなく単なる｢伝説｣に過ぎない｡
｢歴史｣とは現在の視点で分析･解釈するものではない｡その時代に戻り､その時代の｢環境｣を見失わない冷徹な｢視線｣こそが何よりも重要なのである｡
音楽ひとつからも､｢歴史｣の真理を学ぶことができる｡
ﾎﾞﾌﾞﾃﾞｨﾗﾝはｱﾒﾘｶの良識か!?
Tﾚｯｸｽはﾌﾞﾙｰｽﾛｯｸにｼﾞｬｽﾞのﾌﾞｷﾞｰｻｳﾝﾄﾞを取り入れた。
ﾎﾞﾌﾞﾃﾞｨﾗﾝとﾌﾞﾘﾃｨｯｼｭﾛｯｸの存在がなかったらﾌﾞﾙｰｽｽﾌﾟﾘﾝｸﾞｽﾃｨｰﾝもいなかった。
ﾛｯﾄﾞｽﾁｭﾜｰﾄはﾌﾞﾘﾃｨｯｼｭﾛｯｸ草創期から､80年代ﾛｯｸ不毛のﾀﾞﾝｽﾐｭｰｼﾞｯｸ(ﾃﾞｨｽｺｻｳﾝﾄﾞ)全盛期を生き残り､世界を代表するﾎﾟｯﾌﾟﾛｯｸｼﾝｶﾞｰとして生き延びた。矢沢永吉のﾏｲｸﾀｰﾝはﾛｯﾄﾞｽﾁｭﾜｰﾄが原点である｡
ｸﾗｼｯｸﾐｭｰｼﾞｼｬﾝの道を約束されていたｴﾙﾄﾝｼﾞｮﾝはﾌﾞﾘﾃｨｯｼｭﾛｯｸを知り､新しいﾛｯｸの新境地を拓いた｡ｴﾙﾄﾝｼﾞｮﾝなくしてﾛｯｸﾊﾞﾗｰﾄﾞは語れない。
(了)
2008.07.07
《冬眠熊の鼾》某会､及び某会の稽古会に関して (新版)
最近｢某会｣に関する電話での問い合わせが増えています｡
その電話の内容のひとつに｢某会の稽古に興味がある｣というものが意外に目立つようになりました｡以前は､｢某会とは何？｣という好奇心による問い合わせが中心でしたが､最近は｢稽古に参加したい｣という人が増加気味です｡
某会とは通称｢一撃会｣(仮名)｡極真会館松井章圭館長に甘えて｢一撃｣の名称を使わせてもらっています｡
組織としての活動内容は秘密です｡
ただ一撃会の活動のひとつに､定期的に開いている格技稽古会があります｡一撃会会員は全員､格技実践者であり､その殆どが極真会館OBです｡過半数が黒帯｡稽古会の師範役のB氏はかつて極真会館道場師範代や分支部長を経験し､現在でも空手指導の毎日を送っている､正真正銘､強者中の強者です｡稽古は主に以下の通り｡
｢極真空手をﾍﾞｰｽに､顔面殴打､表捌き&裏捌き､更に合気柔術やｸﾞﾗｳﾝﾄﾞでの締め関節技の研究と実践｣
｢大山道場の匂いを残した80年前後の総本部の稽古に近い｣と言われますので､かなりきついかもしれません｡しかし､受け返しなど城西系の現代的な稽古法も採用し､sparringもlightからheavy(組手)までﾚﾍﾞﾙに合わせて合理的に行っています｡
顔面殴打や捌き(表&裏)､合気柔術､ｸﾞﾗｳﾝﾄﾞなどの練習は極真会館黒帯･茶帯ｸﾗｽの実力を持つ者しか基本的に行いません｡色帯の方には､まず黒帯取得を目指してもらいます｡
ところで､A会館関係者の中からは｢ｵﾏｴらはいつ捌きを学んだのだ!?｣という声が出ているようです｡仮に批判するならば､是非とも稽古会に参加して組手を体験して下さい｡数か月ほど前､私の倅が直接､A会館館長のA氏に電話をし､試合を申し出ました｡更には某会は7名で結構､A会館の支部長は20名でも30名でもいいから対抗戦をやりませんか? そう申し入れもしました｡しかし､とうとう何の音沙汰もなしのままです｡
戦えない人間が､戦う人間を批判する資格は全くありません｡それを｢負け犬の遠吠え｣というのです｡とはいえ､実は以前､A会館の門弟だという人間が道場破り同然の勢いで某会に挑戦してきました｡詳しくは言いませんが救急車を呼びました｡決して複数でﾘﾝﾁ紛いの行為をした訳ではありません｡
これは実話です｡
某会の稽古にはあまりに救急車が来るというので､R大学から勧告処分を受ける寸前になったほどです｡その為に､現在は完全にR大学極真会館同好会の稽古と某会の稽古は別々に行っています｡
捌きについては､少なくとも今の合気道化したA会館とは比較にならない実戦性と合理性を持って実践している事だけは自負しています｡本物か偽物かは､実際に実戦で使えるか否かが全てでしょう｡
また一撃会にはﾌﾞﾗｼﾞﾘｱﾝ柔術の指導者資格を持つ専門家もいます(極真空手も黒帯)｡私の倅も講道館指定選手です｡ﾖﾈｸﾗｼﾞﾑでﾎﾞｸｼﾝｸﾞも学ぶ倅を中心に行う顔面殴打の練習も重要なﾒﾆｭｰのひとつです｡
某会の稽古に参加した場合､最初から｢正会員｣とはなりませんが､人間性､思想性､そして格技の実力如何によって､幹部会議を経て､まずは｢準会員｣として認められる事になります｡
稽古を中心に会員同士の信頼関係を結び合う事で正会員の道が開けるという事です｡会員は全国に散らばっている為､近く中京支局を設置し､一撃会師範代･C氏の指導のもと､関西･中部地区の会員が定期的な稽古会や会合に参加する予定です｡
ちなみに某会はあくまでも営利目的ではない｢同志｣の集まりです｡勿論､入会金や月謝は一切不要です｡
30-40歳を過ぎ､一般の大会は目指せないが､｢壮年部｣｢ﾋﾞｼﾞﾈｽﾏﾝｸﾗｽ｣に安住することなく､あくまで高い実戦性を追求したいという人間が某会の中核といえるでしょう｡
《準会員参加資格》
�〇笋寮簑佚�な支持者(ﾌｧﾝ)であり､最低でも｢大山倍達正伝｣の読者であること｡
��年齢は30歳以上､格技実践者｡�Ｅ豕�本部主宰稽古会または中京支局主宰稽古会のいずれかに月に2回出席することが求められる｡
�た噺喫歉擇量筏�証やﾊﾟｽﾎﾟｰﾄの提示を求めます｡
�ソ蠡阿垢覲糞�･流派･団体は問いません｡ただ現在､似非合気道芦原会館に所属している方は断っております(芦原会館離脱者､正道会館会員は歓迎)｡
基本的に自主的な組織であり､極真会館松井章圭館長や郷田勇三最高顧問のお墨付きです｡
見学は不可(見学して参加した人が未だ皆無なので､誓約書を書いてもらって体験稽古して頂きます)｡希望者､興味のある方は､当blogの他のｺﾗﾑに記載されている私の電話番号､またはMugen(代表番号03-5992-1138)に連絡下さい｡
ちなみにA会館支部長平山某のように執拗な嫌がらせ電話をする人間には相応の報復を致します｡生涯を棒に振りたくない方は､出来心によるｲﾀｽﾞﾗ電話をお控えください｡
付記
稽古会は確かに厳しいです｡
今も現場の道場で指導している某会師範のB氏が｢一部の支部道場を除いて､うちほど激しい組手やｻﾊﾞｷ組手をやってるところは殆どない｣と断言するくらいです｡しかし当然ながらｼｺﾞｷなどは一切ありません｡稽古はみんな溌剌と頑張っています｡また､稽古後の食事会も楽しみのひとつです｡
30歳を過ぎた極真OBの方､色帯でも再度黒帯を目指したいという方､まだまだ壮年部に落ち着くのは嫌だ､最高の実戦技術を身につけたいという方々の連絡をお待ちしています｡また会員同士の絆は深く､極めて温かい関係を築いております｡
ちなみに､きたる7/20は年に2回の全国総会です｡全国に散らばる会員が一同に会して講習会&稽古会を行います｡稽古後はお決まりの徹夜の《密談》｡しかし楽しい飲み会です｡
結社の力は個人の限界をｶﾊﾞｰし合う力があります｡我々は勿論､ｶﾙﾄ宗教団体でもなければ､純粋な政治結社でもなく､当然､非合法活動団体でもありません(我々を支えてくれる巨大にして強力な組織を背後に有しているのは事実ですが)｡
民族･宗教の壁を超えて｢正義｣を貫く為の組織といってもいいでしょう｡私たちは自らの組織と､そこに属する1人ひとりの会員を守る為には一丸となって戦います｡その為には｢あらゆる手段｣を選びません｡
ただ非合法行為に｢自らの手｣を汚すことは決してありません｡
私達はK.KOJIMAのもと､｢正義｣の｢新撰組｣｢仕置人｣たらんと誓い合い､｢風林火山｣をﾓｯﾄｰに活動します。
その電話の内容のひとつに｢某会の稽古に興味がある｣というものが意外に目立つようになりました｡以前は､｢某会とは何？｣という好奇心による問い合わせが中心でしたが､最近は｢稽古に参加したい｣という人が増加気味です｡
某会とは通称｢一撃会｣(仮名)｡極真会館松井章圭館長に甘えて｢一撃｣の名称を使わせてもらっています｡
組織としての活動内容は秘密です｡
ただ一撃会の活動のひとつに､定期的に開いている格技稽古会があります｡一撃会会員は全員､格技実践者であり､その殆どが極真会館OBです｡過半数が黒帯｡稽古会の師範役のB氏はかつて極真会館道場師範代や分支部長を経験し､現在でも空手指導の毎日を送っている､正真正銘､強者中の強者です｡稽古は主に以下の通り｡
｢極真空手をﾍﾞｰｽに､顔面殴打､表捌き&裏捌き､更に合気柔術やｸﾞﾗｳﾝﾄﾞでの締め関節技の研究と実践｣
｢大山道場の匂いを残した80年前後の総本部の稽古に近い｣と言われますので､かなりきついかもしれません｡しかし､受け返しなど城西系の現代的な稽古法も採用し､sparringもlightからheavy(組手)までﾚﾍﾞﾙに合わせて合理的に行っています｡
顔面殴打や捌き(表&裏)､合気柔術､ｸﾞﾗｳﾝﾄﾞなどの練習は極真会館黒帯･茶帯ｸﾗｽの実力を持つ者しか基本的に行いません｡色帯の方には､まず黒帯取得を目指してもらいます｡
ところで､A会館関係者の中からは｢ｵﾏｴらはいつ捌きを学んだのだ!?｣という声が出ているようです｡仮に批判するならば､是非とも稽古会に参加して組手を体験して下さい｡数か月ほど前､私の倅が直接､A会館館長のA氏に電話をし､試合を申し出ました｡更には某会は7名で結構､A会館の支部長は20名でも30名でもいいから対抗戦をやりませんか? そう申し入れもしました｡しかし､とうとう何の音沙汰もなしのままです｡
戦えない人間が､戦う人間を批判する資格は全くありません｡それを｢負け犬の遠吠え｣というのです｡とはいえ､実は以前､A会館の門弟だという人間が道場破り同然の勢いで某会に挑戦してきました｡詳しくは言いませんが救急車を呼びました｡決して複数でﾘﾝﾁ紛いの行為をした訳ではありません｡
これは実話です｡
某会の稽古にはあまりに救急車が来るというので､R大学から勧告処分を受ける寸前になったほどです｡その為に､現在は完全にR大学極真会館同好会の稽古と某会の稽古は別々に行っています｡
捌きについては､少なくとも今の合気道化したA会館とは比較にならない実戦性と合理性を持って実践している事だけは自負しています｡本物か偽物かは､実際に実戦で使えるか否かが全てでしょう｡
また一撃会にはﾌﾞﾗｼﾞﾘｱﾝ柔術の指導者資格を持つ専門家もいます(極真空手も黒帯)｡私の倅も講道館指定選手です｡ﾖﾈｸﾗｼﾞﾑでﾎﾞｸｼﾝｸﾞも学ぶ倅を中心に行う顔面殴打の練習も重要なﾒﾆｭｰのひとつです｡
某会の稽古に参加した場合､最初から｢正会員｣とはなりませんが､人間性､思想性､そして格技の実力如何によって､幹部会議を経て､まずは｢準会員｣として認められる事になります｡
稽古を中心に会員同士の信頼関係を結び合う事で正会員の道が開けるという事です｡会員は全国に散らばっている為､近く中京支局を設置し､一撃会師範代･C氏の指導のもと､関西･中部地区の会員が定期的な稽古会や会合に参加する予定です｡
ちなみに某会はあくまでも営利目的ではない｢同志｣の集まりです｡勿論､入会金や月謝は一切不要です｡
30-40歳を過ぎ､一般の大会は目指せないが､｢壮年部｣｢ﾋﾞｼﾞﾈｽﾏﾝｸﾗｽ｣に安住することなく､あくまで高い実戦性を追求したいという人間が某会の中核といえるでしょう｡
《準会員参加資格》
�〇笋寮簑佚�な支持者(ﾌｧﾝ)であり､最低でも｢大山倍達正伝｣の読者であること｡
��年齢は30歳以上､格技実践者｡�Ｅ豕�本部主宰稽古会または中京支局主宰稽古会のいずれかに月に2回出席することが求められる｡
�た噺喫歉擇量筏�証やﾊﾟｽﾎﾟｰﾄの提示を求めます｡
�ソ蠡阿垢覲糞�･流派･団体は問いません｡ただ現在､似非合気道芦原会館に所属している方は断っております(芦原会館離脱者､正道会館会員は歓迎)｡
基本的に自主的な組織であり､極真会館松井章圭館長や郷田勇三最高顧問のお墨付きです｡
見学は不可(見学して参加した人が未だ皆無なので､誓約書を書いてもらって体験稽古して頂きます)｡希望者､興味のある方は､当blogの他のｺﾗﾑに記載されている私の電話番号､またはMugen(代表番号03-5992-1138)に連絡下さい｡
ちなみにA会館支部長平山某のように執拗な嫌がらせ電話をする人間には相応の報復を致します｡生涯を棒に振りたくない方は､出来心によるｲﾀｽﾞﾗ電話をお控えください｡
付記
稽古会は確かに厳しいです｡
今も現場の道場で指導している某会師範のB氏が｢一部の支部道場を除いて､うちほど激しい組手やｻﾊﾞｷ組手をやってるところは殆どない｣と断言するくらいです｡しかし当然ながらｼｺﾞｷなどは一切ありません｡稽古はみんな溌剌と頑張っています｡また､稽古後の食事会も楽しみのひとつです｡
30歳を過ぎた極真OBの方､色帯でも再度黒帯を目指したいという方､まだまだ壮年部に落ち着くのは嫌だ､最高の実戦技術を身につけたいという方々の連絡をお待ちしています｡また会員同士の絆は深く､極めて温かい関係を築いております｡
ちなみに､きたる7/20は年に2回の全国総会です｡全国に散らばる会員が一同に会して講習会&稽古会を行います｡稽古後はお決まりの徹夜の《密談》｡しかし楽しい飲み会です｡
結社の力は個人の限界をｶﾊﾞｰし合う力があります｡我々は勿論､ｶﾙﾄ宗教団体でもなければ､純粋な政治結社でもなく､当然､非合法活動団体でもありません(我々を支えてくれる巨大にして強力な組織を背後に有しているのは事実ですが)｡
民族･宗教の壁を超えて｢正義｣を貫く為の組織といってもいいでしょう｡私たちは自らの組織と､そこに属する1人ひとりの会員を守る為には一丸となって戦います｡その為には｢あらゆる手段｣を選びません｡
ただ非合法行為に｢自らの手｣を汚すことは決してありません｡
私達はK.KOJIMAのもと､｢正義｣の｢新撰組｣｢仕置人｣たらんと誓い合い､｢風林火山｣をﾓｯﾄｰに活動します。
2008.06.25
《冬眠熊の寝言》私は酒が飲めません… (改訂版)
私は酒が飲めない｡
実は18歳までは酒が大好きだった(法的には禁止だが)｡大学浪人時代である｡予備校はだいたい午前中で授業が終わる｡下宿(ｱﾊﾟｰﾄ)に帰ると､まず冷蔵庫からﾌﾞﾗｯｸﾆｯｶのﾎﾞﾄﾙを取り出し､ｺｯﾌﾟに半分ほどついて一気に飲み干す｡体が急に楽になって午前中の勉強の疲れが溶けていくような快感に浸ったものだ｡
それが毎日の日課だった｡
当時は｢酒｣といえばｳｨｽｷｰと決まっていた｡ﾋﾞｰﾙは別だが､日本酒は年寄りが飲むものという風潮があった｡焼酎などは労働者専用なんて感じだ｡みんなｳｨｽｷｰは水割りで飲む｡しかし私はｽﾄﾚｰﾄにﾁｪｲｻｰの水､またはでかい氷が入ったｵﾝｻﾞﾛｯｸ…これが定番だった｡私よりひと世代上の人たちの間では､ｳｨｽｷｰをｿｰﾀﾞで割ったﾊｲﾎﾞｰﾙが流行ったという｡私も飲み屋やｽﾅｯｸではたまにﾊｲﾎﾞｰﾙを飲んだ｡
だが､考えてみればまだまだｶﾞｷだった気がする｡ただ粋がっていただけで､酒の味など分からなかった｡それでも､飲めば心地よいし気持ちが落ち着いた｡ﾋﾞｰﾙは大瓶2本目あたりから､ただの水のような感じがして胃が膨れるだけですぐ飽きた｡ﾋﾞｰﾙが美味いと思うのは最初の1杯だけであった｡その分､ｳｨｽｷｰは直ぐに酔えるし､あの時代はなかなかｶｯｺいい酒だった｡
私はｶﾞｷの頃から人一倍ひねくれ者だった｡天の邪鬼とも呼ばれた｡何でもNo.1が嫌いだった｡ｳｨｽｷｰといえばｻﾝﾄﾘｰ､ﾋﾞｰﾙといえばｷﾘﾝという時代である｡私はあえてﾆｯｶを好み､ﾋﾞｰﾙはｱｻﾋと決めていた｡
ちなみに1980年前後､ｵｰﾃﾞｨｵならばSONY､ｶﾚｰ粉といえばﾊｳｽ､ｺｰﾗといえばｺｶ･ｺｰﾗ､腕時計といえばｾｲｺｰと相場が決まっていた｡だが､私はSONYは絶対買わない｡ﾋﾞｸﾀｰか山水､西ﾄﾞｲﾂ製のﾏﾗﾝﾂに憧れていた｡ｶﾚｰ粉は当然S&Bｺﾞｰﾙﾃﾞﾝｶﾚｰ一筋｡ｺｰﾗはﾍﾟﾌﾟｼ､ﾌｧﾝﾀならばﾐﾘﾝﾀﾞ(覚えている人はいるだろうか? ﾍﾟﾌﾟｼから出ていたﾌｧﾝﾀのﾗｲﾊﾞﾙとして売られていた清涼飲料水だ)｡そして腕時計はｼﾁｽﾞﾝ…と､何でもNo.1よりNo.2を好んだ｡
ある日､予備校の模擬試験のあった夜の事だった｡赤羽にある私のｱﾊﾟｰﾄに高校時代の浪人仲間が3人集まった｡各自､色々な｢酒｣を持ち込んできた｡こんな時でなければ思い切り酒など飲めない｡浪人の身分は悲しいものだ｡
最初に4人でﾋﾞｰﾙの大瓶を1ﾀﾞｰｽ開けた｡次に飲みかけのﾌﾞﾗｯｸﾆｯｶを飲み干した｡友人がｶﾃｨｻｰｸという洋酒を持ってきた｡
｢よ､洋酒じゃねえか!｣
喜んでｶﾃｨｻｰｸに舌鼓をうった｡もう冷蔵庫の氷はない｡当時はまだｺﾝﾋﾞﾆなど近くになかった｡自然とｽﾄﾚｰﾄになる｡ｶﾃｨｻｰｸがなくなると､私が好きで保存していたｹﾝﾀｯｷｰﾊﾞｰﾎﾞﾝを棚の奥から取り出した｡近所に住む従兄弟にもらった､これも舶来物だ｡味など分からない(否､ﾊﾞｰﾎﾞﾝだけは独特の薫製の味がしたから分かった)ｹﾝﾀｯｷｰﾊﾞｰﾎﾞﾝをみんなで､まるで西部劇のﾋｰﾛｰになったつもりで瓶ごと口飲みで回した｡
そんな時､またひとり友人がやってきた｡彼はｻﾝﾄﾘｰﾚｯﾄﾞとｳｵｯｶを持参してきた｡口直しだ! なんて息巻いてｳｵｯｶを飲み出した辺りから変になってきた｡意識が飛ぶという訳ではないが､少なくとも意識朦朧の状態に陥った｡
笑い話が残っている｡
ﾂﾏﾐがなくなったので､私は実家から送ってきたｷｭｳﾘのお新香を出すといって台所に立った｡冷蔵庫からお新香を数本取り出して､まな板の上で包丁を使って輪切りにした｡
ﾊｯと気がついた｡
｢おかしいな｡まだ醤油をかけてないのに醤油がかかってら｣
それでも気にせずお新香を皿に盛ってみんなの輪に戻った｡友人たちも手掴みでｷｭｳﾘを口に運んだ｡すると､突然友人のひとりが私に言った｡
｢ｶｯｻﾝ(私のﾆｯｸﾈｰﾑだった)の左手､真っ赤だぞ! 血が出てるんじゃないか?｣
見ると､確かに私の左指から血が滴り落ちていた｡どうやら､包丁で切ってしまったようだ(その時の傷は今も残っている)｡…という事は､ｷｭｳﾘのお新香にかかっているのは醤油ではなくて私の血だったのだ! それでも酔っている勢いは怖い｡誰も気にせずｷｭｳﾘを頬張り続けた｡
そのうち気が遠くなった｡
目が覚めると猛烈な吐き気に襲われた｡廊下に出ると共有の洗面台がある｡そこに私は吐いた｡吐き続けた｡鈍い胃の痛みとともに血が出てきた｡どす黒い血だった｡それでも洗面台にもたれかかり吐き続けたら､今度は鮮血､明らかにさっきとは違う血が洗面台に飛び散った｡
私が戻らないので友人が様子を見に来たが､そこで大騒ぎになった…ような気がする｡私はまた昏倒した｡
改めて気がついたら､私は病院の診療ﾍﾞｯﾄﾞに寝かされていた｡友人たちは酔いも吹き飛び､私を担いで近所の病院に連れ込んだのだ｡医師に言われた言葉は今も忘れない｡
｢あと30分遅かったら死んでたよ｣
その後､私は同じ言葉を医師から2度言われた経験がある｡勿論急性ｱﾙｺｰﾙ中毒が原因ではない｡
それ以来､体質が変わったのか､一切｢酒｣を受け付けない体になってしまった｡食堂で､隣のﾃｰﾌﾞﾙでﾋﾞｰﾙを飲んでいる人がいると､微かなﾋﾞｰﾙの香りだけで気持ち悪くなってﾄｲﾚに駆け込んだほどである｡
それでも大学に入り､極真空手を学ぶようになると､宴会がよくあった｡飲めない私を無理に飲ませる嫌な先輩は幸いにもいなかった｡三瓶先輩も､酒好きで有名だがその辺は寛容だった｡決して無理強いはしなかった｡唯一､A先輩が来た時だけは､洗面器にﾋﾞｰﾙやｳｨｽｷｰや焼酎などを並々と入れて掻き回したﾔﾂを強引に回し飲みさせられた｡でも必ず近くの先輩が庇ってくれた｡
そのうち､稽古のあとに先輩たちが美味しそうに缶ﾋﾞｰﾙを飲むのを見て､また飲んでみようかと思うようになった｡稽古後､顔や腕一杯に汗の結晶が白く浮き出た時､先輩からもらったｷﾞﾝｷﾞﾝに冷えた缶ﾋﾞｰﾙは美味かった｡だから､いつしか完全な下戸ではなく､ﾋﾞｰﾙならば中ｼﾞｮｯｷ1杯くらいは飲めるようになった｡ﾁｭｰﾊｲも2杯は飲める｡だが､美味しいとは思わない｡そして必ず気持ち悪くなる｡
数年前までは｢付き合い｣で少しは酒も口にしたが､ある日を境にﾋﾟﾀﾘと止める事にした｡今は絶対に飲まない｡どうしても…という時だけ覚悟を決めて飲むだけである｡
幸いにも､私の周囲にはあまり酒を嗜まない人間が多い｡極真会館の松井館長も基本的には飲まない｡黒澤浩樹も下戸だ｡増田章も飲まない｡悪友の家高も好んで飲まない｡Mugenのｽﾀｯﾌも殆ど飲まない｡
そういえば大山(倍達)総裁も下戸だった｡劇画の逸話は完全なﾌｨｸｼｮﾝ｡総裁自身は｢飲めば飲める｣と仰っていたが､きっと強がりに違いないと私は確信した｡ある日､千葉の旅館に滞在中､政治家か地元の有力者が総裁を訪ねてきた｡｢まあ､一杯どうぞ｣と注がれたﾋﾞｰﾙを｢私は飲まない主義なんだが…｣と言いながらｸﾞﾗｽに半分ほど飲んだ｡直後､総裁の顔はﾀﾞﾙﾏのように赤くなり｢私は寝たいよ｣と言い始めた｡
ちなみに､矢沢永吉さんも酒に超弱いというのは身近な人ならば誰でも知っている｡ｺﾝｻｰﾄでは終盤になると｢ねっ! 帰りに美味いﾋﾞｰﾙ飲んでって!｣と叫ぶのが定番だし､ｲﾝﾀﾋﾞｭｰでも｢酒は好きです｣と公言しているが､友人の吉田拓郎が最初にﾗｼﾞｵで｢矢沢はﾋﾞｰﾙ一口で真っ赤になるからつまらない｣とﾊﾞﾗし､その後は松任谷由実や後藤次利などが証言している｡長渕剛が完全な下戸なのは知られているが､あの高倉健さんも飲めないという｡みんな､酒好きのｲﾒｰｼﾞを売っているが､なかなか面白い｡
唯一不思議なのは極真会館最高顧問の郷田勇三師範だ｡郷田師範は下戸で知られていた｡だが､50の坂を越えた頃から突然､酒が飲めるようになった｡今では酒豪の仲間入りである｡夜7時を過ぎて電話をすると､殆ど行きつけのﾎﾙﾓﾝ屋さんで管を巻いている｡困ったものだ｡
以前､私は家高とｺｰﾗを飲みながらしみじみと言い合ったものである｡
｢俺たちが今､こうして無事に生きているのは酒が嫌いだったからだな｡もし､俺たちが酒好きだったら今頃は殺されていたに違いない｣
私は倅にも一切､酒を飲ませない｡
(了)
実は18歳までは酒が大好きだった(法的には禁止だが)｡大学浪人時代である｡予備校はだいたい午前中で授業が終わる｡下宿(ｱﾊﾟｰﾄ)に帰ると､まず冷蔵庫からﾌﾞﾗｯｸﾆｯｶのﾎﾞﾄﾙを取り出し､ｺｯﾌﾟに半分ほどついて一気に飲み干す｡体が急に楽になって午前中の勉強の疲れが溶けていくような快感に浸ったものだ｡
それが毎日の日課だった｡
当時は｢酒｣といえばｳｨｽｷｰと決まっていた｡ﾋﾞｰﾙは別だが､日本酒は年寄りが飲むものという風潮があった｡焼酎などは労働者専用なんて感じだ｡みんなｳｨｽｷｰは水割りで飲む｡しかし私はｽﾄﾚｰﾄにﾁｪｲｻｰの水､またはでかい氷が入ったｵﾝｻﾞﾛｯｸ…これが定番だった｡私よりひと世代上の人たちの間では､ｳｨｽｷｰをｿｰﾀﾞで割ったﾊｲﾎﾞｰﾙが流行ったという｡私も飲み屋やｽﾅｯｸではたまにﾊｲﾎﾞｰﾙを飲んだ｡
だが､考えてみればまだまだｶﾞｷだった気がする｡ただ粋がっていただけで､酒の味など分からなかった｡それでも､飲めば心地よいし気持ちが落ち着いた｡ﾋﾞｰﾙは大瓶2本目あたりから､ただの水のような感じがして胃が膨れるだけですぐ飽きた｡ﾋﾞｰﾙが美味いと思うのは最初の1杯だけであった｡その分､ｳｨｽｷｰは直ぐに酔えるし､あの時代はなかなかｶｯｺいい酒だった｡
私はｶﾞｷの頃から人一倍ひねくれ者だった｡天の邪鬼とも呼ばれた｡何でもNo.1が嫌いだった｡ｳｨｽｷｰといえばｻﾝﾄﾘｰ､ﾋﾞｰﾙといえばｷﾘﾝという時代である｡私はあえてﾆｯｶを好み､ﾋﾞｰﾙはｱｻﾋと決めていた｡
ちなみに1980年前後､ｵｰﾃﾞｨｵならばSONY､ｶﾚｰ粉といえばﾊｳｽ､ｺｰﾗといえばｺｶ･ｺｰﾗ､腕時計といえばｾｲｺｰと相場が決まっていた｡だが､私はSONYは絶対買わない｡ﾋﾞｸﾀｰか山水､西ﾄﾞｲﾂ製のﾏﾗﾝﾂに憧れていた｡ｶﾚｰ粉は当然S&Bｺﾞｰﾙﾃﾞﾝｶﾚｰ一筋｡ｺｰﾗはﾍﾟﾌﾟｼ､ﾌｧﾝﾀならばﾐﾘﾝﾀﾞ(覚えている人はいるだろうか? ﾍﾟﾌﾟｼから出ていたﾌｧﾝﾀのﾗｲﾊﾞﾙとして売られていた清涼飲料水だ)｡そして腕時計はｼﾁｽﾞﾝ…と､何でもNo.1よりNo.2を好んだ｡
ある日､予備校の模擬試験のあった夜の事だった｡赤羽にある私のｱﾊﾟｰﾄに高校時代の浪人仲間が3人集まった｡各自､色々な｢酒｣を持ち込んできた｡こんな時でなければ思い切り酒など飲めない｡浪人の身分は悲しいものだ｡
最初に4人でﾋﾞｰﾙの大瓶を1ﾀﾞｰｽ開けた｡次に飲みかけのﾌﾞﾗｯｸﾆｯｶを飲み干した｡友人がｶﾃｨｻｰｸという洋酒を持ってきた｡
｢よ､洋酒じゃねえか!｣
喜んでｶﾃｨｻｰｸに舌鼓をうった｡もう冷蔵庫の氷はない｡当時はまだｺﾝﾋﾞﾆなど近くになかった｡自然とｽﾄﾚｰﾄになる｡ｶﾃｨｻｰｸがなくなると､私が好きで保存していたｹﾝﾀｯｷｰﾊﾞｰﾎﾞﾝを棚の奥から取り出した｡近所に住む従兄弟にもらった､これも舶来物だ｡味など分からない(否､ﾊﾞｰﾎﾞﾝだけは独特の薫製の味がしたから分かった)ｹﾝﾀｯｷｰﾊﾞｰﾎﾞﾝをみんなで､まるで西部劇のﾋｰﾛｰになったつもりで瓶ごと口飲みで回した｡
そんな時､またひとり友人がやってきた｡彼はｻﾝﾄﾘｰﾚｯﾄﾞとｳｵｯｶを持参してきた｡口直しだ! なんて息巻いてｳｵｯｶを飲み出した辺りから変になってきた｡意識が飛ぶという訳ではないが､少なくとも意識朦朧の状態に陥った｡
笑い話が残っている｡
ﾂﾏﾐがなくなったので､私は実家から送ってきたｷｭｳﾘのお新香を出すといって台所に立った｡冷蔵庫からお新香を数本取り出して､まな板の上で包丁を使って輪切りにした｡
ﾊｯと気がついた｡
｢おかしいな｡まだ醤油をかけてないのに醤油がかかってら｣
それでも気にせずお新香を皿に盛ってみんなの輪に戻った｡友人たちも手掴みでｷｭｳﾘを口に運んだ｡すると､突然友人のひとりが私に言った｡
｢ｶｯｻﾝ(私のﾆｯｸﾈｰﾑだった)の左手､真っ赤だぞ! 血が出てるんじゃないか?｣
見ると､確かに私の左指から血が滴り落ちていた｡どうやら､包丁で切ってしまったようだ(その時の傷は今も残っている)｡…という事は､ｷｭｳﾘのお新香にかかっているのは醤油ではなくて私の血だったのだ! それでも酔っている勢いは怖い｡誰も気にせずｷｭｳﾘを頬張り続けた｡
そのうち気が遠くなった｡
目が覚めると猛烈な吐き気に襲われた｡廊下に出ると共有の洗面台がある｡そこに私は吐いた｡吐き続けた｡鈍い胃の痛みとともに血が出てきた｡どす黒い血だった｡それでも洗面台にもたれかかり吐き続けたら､今度は鮮血､明らかにさっきとは違う血が洗面台に飛び散った｡
私が戻らないので友人が様子を見に来たが､そこで大騒ぎになった…ような気がする｡私はまた昏倒した｡
改めて気がついたら､私は病院の診療ﾍﾞｯﾄﾞに寝かされていた｡友人たちは酔いも吹き飛び､私を担いで近所の病院に連れ込んだのだ｡医師に言われた言葉は今も忘れない｡
｢あと30分遅かったら死んでたよ｣
その後､私は同じ言葉を医師から2度言われた経験がある｡勿論急性ｱﾙｺｰﾙ中毒が原因ではない｡
それ以来､体質が変わったのか､一切｢酒｣を受け付けない体になってしまった｡食堂で､隣のﾃｰﾌﾞﾙでﾋﾞｰﾙを飲んでいる人がいると､微かなﾋﾞｰﾙの香りだけで気持ち悪くなってﾄｲﾚに駆け込んだほどである｡
それでも大学に入り､極真空手を学ぶようになると､宴会がよくあった｡飲めない私を無理に飲ませる嫌な先輩は幸いにもいなかった｡三瓶先輩も､酒好きで有名だがその辺は寛容だった｡決して無理強いはしなかった｡唯一､A先輩が来た時だけは､洗面器にﾋﾞｰﾙやｳｨｽｷｰや焼酎などを並々と入れて掻き回したﾔﾂを強引に回し飲みさせられた｡でも必ず近くの先輩が庇ってくれた｡
そのうち､稽古のあとに先輩たちが美味しそうに缶ﾋﾞｰﾙを飲むのを見て､また飲んでみようかと思うようになった｡稽古後､顔や腕一杯に汗の結晶が白く浮き出た時､先輩からもらったｷﾞﾝｷﾞﾝに冷えた缶ﾋﾞｰﾙは美味かった｡だから､いつしか完全な下戸ではなく､ﾋﾞｰﾙならば中ｼﾞｮｯｷ1杯くらいは飲めるようになった｡ﾁｭｰﾊｲも2杯は飲める｡だが､美味しいとは思わない｡そして必ず気持ち悪くなる｡
数年前までは｢付き合い｣で少しは酒も口にしたが､ある日を境にﾋﾟﾀﾘと止める事にした｡今は絶対に飲まない｡どうしても…という時だけ覚悟を決めて飲むだけである｡
幸いにも､私の周囲にはあまり酒を嗜まない人間が多い｡極真会館の松井館長も基本的には飲まない｡黒澤浩樹も下戸だ｡増田章も飲まない｡悪友の家高も好んで飲まない｡Mugenのｽﾀｯﾌも殆ど飲まない｡
そういえば大山(倍達)総裁も下戸だった｡劇画の逸話は完全なﾌｨｸｼｮﾝ｡総裁自身は｢飲めば飲める｣と仰っていたが､きっと強がりに違いないと私は確信した｡ある日､千葉の旅館に滞在中､政治家か地元の有力者が総裁を訪ねてきた｡｢まあ､一杯どうぞ｣と注がれたﾋﾞｰﾙを｢私は飲まない主義なんだが…｣と言いながらｸﾞﾗｽに半分ほど飲んだ｡直後､総裁の顔はﾀﾞﾙﾏのように赤くなり｢私は寝たいよ｣と言い始めた｡
ちなみに､矢沢永吉さんも酒に超弱いというのは身近な人ならば誰でも知っている｡ｺﾝｻｰﾄでは終盤になると｢ねっ! 帰りに美味いﾋﾞｰﾙ飲んでって!｣と叫ぶのが定番だし､ｲﾝﾀﾋﾞｭｰでも｢酒は好きです｣と公言しているが､友人の吉田拓郎が最初にﾗｼﾞｵで｢矢沢はﾋﾞｰﾙ一口で真っ赤になるからつまらない｣とﾊﾞﾗし､その後は松任谷由実や後藤次利などが証言している｡長渕剛が完全な下戸なのは知られているが､あの高倉健さんも飲めないという｡みんな､酒好きのｲﾒｰｼﾞを売っているが､なかなか面白い｡
唯一不思議なのは極真会館最高顧問の郷田勇三師範だ｡郷田師範は下戸で知られていた｡だが､50の坂を越えた頃から突然､酒が飲めるようになった｡今では酒豪の仲間入りである｡夜7時を過ぎて電話をすると､殆ど行きつけのﾎﾙﾓﾝ屋さんで管を巻いている｡困ったものだ｡
以前､私は家高とｺｰﾗを飲みながらしみじみと言い合ったものである｡
｢俺たちが今､こうして無事に生きているのは酒が嫌いだったからだな｡もし､俺たちが酒好きだったら今頃は殺されていたに違いない｣
私は倅にも一切､酒を飲ませない｡
(了)
2008.06.19
《冬眠熊の睡眠障害》励ましの電話は嬉しいのですが…
この約1週間､否､半月の間に予想を超えて読者(ﾌｧﾝ)から電話が掛かり続けである｡
意外にといっては何だが､みな例外なく最初に自らの自己紹介をし､紳士的な言葉遣いで語りかけてくれるのは嬉しい｡
殆どが格技空手関係者である｡最も多いというか目立つのが元芦原会館関係者､次に所属団体は異なるものの極真空手関係者である｡これも意外なのだが､新極真会の方々からの電話も少なくないのには少し驚いている｡
《話題》を敢えて分けると以下のようになる｡
��｢芦原英幸伝｣と､芦原会館との確執について｡応援の声と再販後の｢芦原英幸伝｣を読みたいという声が大半を占める｡
�∈８紊龍某振�手勢力図､つまり数ある極真空手団体の中で､今後も残っていくのはどれか? または新極真会との関係についての質問が多い｡また極真館の真剣勝負試合についての見解を求める声もある｡
��今後､私とY.TUKAMOTOが書いていく予定の作品に対する質問である｡
�に寝颪箸い辰討い觧笋�主宰する組織についての質問｡これも意外なのだが､稽古会にどうすれば参加できるかという(稽古内容やsparringの程度を十分に気にしながらではあるが)声もある｡
�，砲弔い討倭阿�ｺﾗﾑで書いたように､私の手を離れた以上､今私が話すべき事はないと答えます｡ただ､どうしてもという人には｢事の経過｣は説明します｡いずれにせよ芦原会館は早晩､崩壊･壊滅するでしょう｡
�△砲弔い討�､今度発売予定の私たちの著書｢大山倍達の遺言｣を読んで下さいとのみ答える｡ただMugenとして､大山倍達の理念である｢最強の空手｣を追求し続ける極真館を公式に支持･応援していること｡同時に松井章圭館長の極真会館が正統な極真空手の系譜を引いており､Mugenも支持していることは答えている｡極真館の真剣勝負試合は｢極真空手界の革命｣と位置づけている｡
��について…
｢力道山と大山倍達｣
｢ﾋﾟｽﾄﾝ堀口とその時代｣
｢銀座警察･東声会 町井久之伝｣
｢戦後の闇に葬られた幻の武道団体､大日本武徳会の真実｣
｢女子ﾌﾟﾛﾚｽ興亡記 徒花｣
｢首相･浜口雄幸を撃った男〜1人1殺､佐古屋留吉伝｣
また､私が監修を務める作品として､
｢系譜 大山倍達｣(著･宮田玲欧)
｢格闘技論 決定版｣
｢格闘技Wikipedia｣
などを考えている｡しかし､まずは１つひとつを精一杯､最高の作品に仕上げなくてはならないので､あくまで予定であって決定ではない｡
�い遼寝颪世�､これは稽古だけが目的の組織ではない｡まずは私の絶対的な支持者(ﾌｧﾝ)である事が条件です｡かといってfanclubとは違います｡以前の､blogから発展したcommunication-boxとも全くの別組織です｡
意外にといっては何だが､みな例外なく最初に自らの自己紹介をし､紳士的な言葉遣いで語りかけてくれるのは嬉しい｡
殆どが格技空手関係者である｡最も多いというか目立つのが元芦原会館関係者､次に所属団体は異なるものの極真空手関係者である｡これも意外なのだが､新極真会の方々からの電話も少なくないのには少し驚いている｡
《話題》を敢えて分けると以下のようになる｡
��｢芦原英幸伝｣と､芦原会館との確執について｡応援の声と再販後の｢芦原英幸伝｣を読みたいという声が大半を占める｡
�∈８紊龍某振�手勢力図､つまり数ある極真空手団体の中で､今後も残っていくのはどれか? または新極真会との関係についての質問が多い｡また極真館の真剣勝負試合についての見解を求める声もある｡
��今後､私とY.TUKAMOTOが書いていく予定の作品に対する質問である｡
�に寝颪箸い辰討い觧笋�主宰する組織についての質問｡これも意外なのだが､稽古会にどうすれば参加できるかという(稽古内容やsparringの程度を十分に気にしながらではあるが)声もある｡
�，砲弔い討倭阿�ｺﾗﾑで書いたように､私の手を離れた以上､今私が話すべき事はないと答えます｡ただ､どうしてもという人には｢事の経過｣は説明します｡いずれにせよ芦原会館は早晩､崩壊･壊滅するでしょう｡
�△砲弔い討�､今度発売予定の私たちの著書｢大山倍達の遺言｣を読んで下さいとのみ答える｡ただMugenとして､大山倍達の理念である｢最強の空手｣を追求し続ける極真館を公式に支持･応援していること｡同時に松井章圭館長の極真会館が正統な極真空手の系譜を引いており､Mugenも支持していることは答えている｡極真館の真剣勝負試合は｢極真空手界の革命｣と位置づけている｡
��について…
｢力道山と大山倍達｣
｢ﾋﾟｽﾄﾝ堀口とその時代｣
｢銀座警察･東声会 町井久之伝｣
｢戦後の闇に葬られた幻の武道団体､大日本武徳会の真実｣
｢女子ﾌﾟﾛﾚｽ興亡記 徒花｣
｢首相･浜口雄幸を撃った男〜1人1殺､佐古屋留吉伝｣
また､私が監修を務める作品として､
｢系譜 大山倍達｣(著･宮田玲欧)
｢格闘技論 決定版｣
｢格闘技Wikipedia｣
などを考えている｡しかし､まずは１つひとつを精一杯､最高の作品に仕上げなくてはならないので､あくまで予定であって決定ではない｡
�い遼寝颪世�､これは稽古だけが目的の組織ではない｡まずは私の絶対的な支持者(ﾌｧﾝ)である事が条件です｡かといってfanclubとは違います｡以前の､blogから発展したcommunication-boxとも全くの別組織です｡