【エルサレム前田英司】中東和平交渉を巡り、パレスチナ交渉団を率いるクレイ元自治政府首相は12日、イスラエル側が占領地ヨルダン川西岸の6.8%相当を併合する考えや、パレスチナ難民5000人だけ帰還を認める提案をしていたと明らかにした。AP通信などが伝えた。パレスチナ側は受け入れ難いと判断し、提案を拒否したという。
昨年11月の米アナポリスでの国際会議を機に再開した和平交渉の細部が公表されたのは初めて。オバマ米政権誕生(来年1月)やイスラエルの総選挙(同2月)を控え、交渉を後退させないための予防線として経過に言及したとみられる。
元首相によると、イスラエル側は西岸の6.8%に相当するマーレアドミムなど4カ所の大規模入植地を併合し、自国領として維持する考えを示した。一方、パレスチナ側が要求する聖地エルサレムの分割にはイスラエル交渉団代表のリブニ外相は具体的な考えを示さなかったという。
毎日新聞 2008年12月13日 20時24分(最終更新 12月13日 20時32分)