中国の学者ら303人が「民主化要求」、拘束者も |
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2008/12/10(水) 16:52
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中国人学者や作家などが303人が9日、三権分立など共産党の一党独裁体制の撤廃を求める「08憲章」をインターネットで発表した。香港メディアの明報によると、署名者の相当数が身柄を拘束されたという。
「08憲章」は、国連の世界人権宣言60周年の12月10日付で発表。実際には9日にインターネットで公開された。同憲章は前文で、中国憲政100周年、民主の壁誕生30周年、中国政府による「市民的及び政治的権利に関する国際規約」署名10周年にも合わせたとしている。
同憲章は、「20世紀後期の改革開放で、中国は毛沢東時代の普遍的貧困と絶対権力制から抜け出し、生活水準が大幅に向上し、個人の経済の自由と社会権利も部分的に回復した」と評価する一方で、2004年の憲法改正で盛り込まれた「人権の尊重と保障」など政治の進歩は「紙の上にとどまっている状態」と批判した。
具体的な要求では、◆民主的立法と司法の独立など三権分立◆民意反映の最高機関である人権委員会の設立◆公職選挙制の採用◆戸籍制度改革による都市と農村の差別撤廃◆結社・集会・言論・宗教の自由◆財産保護、創業の自由と行政による業界独占の撤廃――などを盛り込んだ。
同憲章は台湾問題にも踏み込み「香港やマカオの自由制は維持。大陸部も自由と民主の体制に返還した上で平等な立場で台湾と交渉。民主的な憲政の仕組みを持つ「中華連邦共和国」を樹立せよと要求した。
香港メディアの明報によると、同憲章の署名者の相当数が身柄を拘束された。署名者のひとりで北京市在住の劉暁波氏の家族によると、9日午後11時頃に警察関係者が家を訪れ、拘留許可証を示して劉氏を連行した。しかし拘留の理由は説明しなかったという。警察官は劉氏自宅を約10時間にわたり捜索し、パソコンや携帯電話などを押収したという。
劉暁波氏は学生などによる1989年の民主化運動の支持者で、同年6月4日に当局が天安門広場を占拠していた人々を武力排除した後(第二次天安門事件)に逮捕され、2年間投獄された。1996年に民主派を支持する文章を発表したことで、3年間の労働改造処分になった。
89年の運動を支持したことで、共産主義青年団の委員を除名された張祖樺氏も08憲章に署名。9日に警察に連行されたが、10日には帰宅したという。
08憲章の署名は居住地も併記。北京市が比較的多いが、上海市、広東省、四川省、貴州省、湖南省、浙江省などとする署名も目立つ。ただし、インターネットで発表されたこともあり、名を連ねている人の意思の確認はできていない。(編集担当:如月隼人)
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