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天皇陛下 皇位継承問題で心労…宮内庁長官が体調で所見

12月11日22時12分配信 毎日新聞


天皇陛下 皇位継承問題で心労…宮内庁長官が体調で所見

羽毛田信吾・宮内庁長官=宮内庁提供

 宮内庁の羽毛田信吾長官は11日、天皇陛下が心労などで体調を崩したことに関し「私なりの所見」として、陛下が「皇統(皇位継承)の問題」で悩んでいることを初めて明らかにした。これまで皇室典範改正に絡む皇位継承問題で、陛下自身の受け止め方は伝えられていなかった。

 羽毛田長官は会見で「陛下ご自身のお立場から常にお心を離れることのない将来にわたる皇統の問題をはじめとし、皇室にかかわるもろもろの問題を憂慮のご様子」と述べた。ただ、皇統の問題の具体的な内容については「控えた方がいい」と触れなかった。

 また、皇太子妃雅子さまに関して「両陛下は、皇太子妃殿下が公務をなさらないことを不満に思っている」との記事が散見されるとした上で「両陛下からこのたぐいのお言葉を伺ったことは一度もない」と否定。「皇室そのものが妃殿下に対するストレスであり、ご病気の原因ではないか」との論調があることにも触れ、「皇室の伝統を受け継がれて、今日の時代の要請に応えて一心に働き続けてこられた両陛下は、深く傷つかれた」と心労の一因になっているのではないかと述べた。

 公務については、陛下は23日で75歳となることもあり「ここ1カ月程度はご日程を可能な限り軽いものにしたい」と述べ、天皇誕生日や年末年始の各行事について延期や内容の見直しを検討していることを明らかにした。【真鍋光之】

 ◇一時は皇室典範改正論議に発展…継承問題

 皇位継承問題を巡っては将来、継承者がいなくなる可能性もあったことから皇室に関する事項を定めた皇室典範の改正論議に発展した経緯がある。

 1947年に施行された皇室典範は第1条で「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する」と定め、女性天皇を認めていない。小泉政権当時の05年、皇太子さまに次ぐ皇位継承者は秋篠宮さま、次が天皇の弟の常陸宮さまとなり、いずれは継承者不在の事態も予想された。

 このため、同年11月に、首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」は、継承順位を「長子優先」とし、女性・女系天皇を容認する意見書をまとめた。これを受けて政府は改正案作りを進めたが、06年9月に秋篠宮ご夫妻に悠仁さまが誕生したことから、改正論議は下火になった。

 ◇解説…側近の立場から強い憂慮を示す

 羽毛田信吾・宮内庁長官の「所見」は、皇位継承の問題が必ずしも天皇陛下のストレスの原因とはストレートには語っていないが、天皇家の当主としての気持ちを側近の立場からそんたくしたもので、強い憂慮がにじんでいる。

 関係者によると、陛下は皇位の安定した継承を常に気にかけており、皇太子ご夫妻のお子さま誕生を待ち望んでいた。皇太子さまが結婚して愛子さまが生まれるまでの8年間は「(誕生を)いつも気にしておられ、心の休まる時がなかった」という。秋篠宮ご夫妻の長男悠仁さまが誕生したが、将来の皇室は、女性皇族が結婚によって皇籍を離れるために「先細り」となる。長官の所見は、陛下が今でも心の奥底で皇統問題を憂慮し続けていることを示している。

 長官は皇太子妃雅子さまに関する一部の報道についても「両陛下は深く傷つかれた」と述べた。両陛下と皇太子ご夫妻の間に「溝がある」と憶測して、事実に基づかない報道があるのは事実。普段の穏やかな表情の裏で、陛下の心労、心痛は限界まで来ていたとみられる。宮内庁をはじめとして周囲には、単に陛下の「公務の軽減」ではなく、胸の内を理解する努力が求められる。【真鍋光之】

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最終更新:12月12日1時27分

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