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フィギュア:キム・ヨナ、ミスをしてもSP1位のワケ(下)

 ところが、簡単と思われた2度目のジャンプでミスが出た。トリプルルッツを行う際にステップが絡み、1回転に終わった。これにより基礎点6.0点から5.7点に減点された。

 演技を見守っていたファンは残念がり、首位は逃したかに見えた。しかしミスをしても崩れないのがキム・ヨナの持ち味。その後、ダブルアクセル(基礎点3.5点)で加算点1.2点を得たのに続き、レイバックスピン、シットスピン、ステップ シークエンス、コンビネーションスピンで最高のレベル4を獲得し、トリプルルッツのミスを挽回した。

 さらに熟練味溢れる演技でライバルを圧倒した。芸術点のプログラム構成要素で最高の30.44点を獲得し、大勢は決した。

◆浅田善戦も大勢は動かず

 一方の浅田も今季最高の演技で65.38点を獲得。今季SPの自己ベストを更新した。これまでの自己ベストは64.64点だった。

 これといったミスはなかったが、トリプルルッツ-トリプルループのコンビネーションジャンプのグレードが下がった。とはいえ、浅田の調子は上昇曲線を描いており、0.56点の差は事実上、キム・ヨナと同じ位置にいるといえる。

 浅田は「今日は良い演技ができてうれしい。今日の演技は明日のフリーにつながると思う」と話した。

 だがそこまでだ。というのは、技術面でこれといった進展が見られなかったからだ。この日もそうだったが、技術の完成度においてはキム・ヨナのほうがワンランク上だった。特にキム・ヨナの表現力と負けん気は他の追随を許さなかった。

 問題はミスだ。フリーでミスさえしなければキム・ヨナの優勝はほぼ確実といえよう。

 もっとも、日本の記者らは、これといってミスのなかった浅田の得点がキム・ヨナの得点より低かったことについて、「あきれた採点」と不満をもらした。

高陽=キム・ソンウォン記者

スポーツ朝鮮/朝鮮日報日本語版

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