長谷川「今年が一番ええ」…報知プロスポーツ大賞

太陽に向かって拳を突き上げる長谷川穂積

　３３回目を迎えた報知新聞社制定「２００８報知プロスポーツ大賞」の受賞者が８日決定し、ボクシングはＷＢＣ世界バンタム級王者の長谷川穂積（２７）＝真正＝が受賞した。

　年間３度の防衛に、２戦連続２回ＫＯ。２年ぶり３度目の受賞は長谷川が名王者たる証しになった。「世界ベルトを取ってから、今年が一番ええ１年です」新神戸駅で一報を耳にした王者は、過去２度とは違う喜びをかみしめた。

　ちょうど１年前、「またああいう場（表彰式）に戻れますかね」と話した。０７年１０月にジムを移籍。１月のマルドロット（イタリア）とのＶ５戦は減量苦と、さらには新設した真正ジム初戦という重圧との戦いだった。しかし、この指名試合を１２回判定で突破すると、長谷川は恐るべき強さを発揮した。

　Ｖ６戦はファッシオ（ウルグアイ）を、Ｖ７戦は世界戦初のサウスポー、バルデス（メキシコ）をともに２回で撃沈。この２戦の内容にアルセ、ミハレス（ともにメキシコ）らスター選手から対戦熱望の声も届いた。「海の向こうの評価を上げたことがうれしい」

　これまでは米国進出にこだわってきたが、少し心境が変わってきたという。「日本でビッグマッチをしたい！　アメリカもいいけど、日本を盛り上げたいんです」逆境を支えてくれた仲間とファンへ、本物のボクシングを届けるのがエースの使命だ。

　◆長谷川　穂積（はせがわ・ほづみ）１９８０年１２月１６日、兵庫県西脇市生まれ。２７歳。９９年１１月、プロデビューを果たした。２００３年５月に、東洋太平洋バンタム級王座獲得、３度の防衛に成功した。０５年４月、ウィラポン・ナコンルアンプロモーション（タイ）を１２回判定で破り、ＷＢＣ世界バンタム級王座を獲得、７度防衛。０７年１０月に、千里馬神戸ジムから真正ジムに移籍した。１６７センチの左ボクサーファイター。戦績は２７戦２５勝（９ＫＯ）２敗。家族は妻と１男１女。