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塩谷総合病院:今年度、赤字4億2000万円 「県の無利子貸付理解を」 /栃木

 ◇JA厚生連「県の無利子貸付理解を」

 今年度中に塩谷総合病院(矢板市)の経営撤退を決めているJA栃木厚生連の鈴木宗男理事長が11日、宇都宮市内で会見し、撤退決定までの経緯と現在の状況を説明した。同病院は今年度もすでに4億2000万円の赤字が発生しており、鈴木理事長は「医師不足による患者の減少や診療報酬の引き下げが経営悪化の最大の原因」と経営移譲の理由を説明した。

 県は同病院の運転資金として、厚生連に3億円の無利子貸し付けを決め、12月定例議会に補正予算案として提出している。県が民間病院へ無利子貸し付けを行うのは異例だが、同病院の財務状況では外部からの借り入れは難しく、鈴木理事長は「県から借りないと移譲まで経営することが困難であり、県民の皆様にもご理解いただきたい」と語った。

 厚生連によると、昨年12月に経営撤退を決めた時点では同病院には医師23人、看護師ら137人がいたが、8月現在で、医師13人、看護師ら104人に減少した。患者数も減っており、05年度に約24万7000人いた入院・外来の患者数は、07年度は約20万4000人に急減した。

 医療スタッフの不足が患者数の減少につながり、経営悪化に拍車を掛けた形。診療報酬引き下げもあって、05年度約51億円だった医療収入は07年度に約41億円に減少した。

 厚生連は経営改善のため役職員の報酬削減や、職員の退職金支払い先延ばしを行っており、3月末現在で109人の退職金計4億3000万円が未払いという。

 厚生連は塩谷総合病院を含む3病院や、看護学校、健診センターを運営している。【葛西大博】

毎日新聞 2008年12月12日 地方版

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