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【政治】

自民税調 たばこ増税見送り 党支持層の反発懸念

2008年12月11日 夕刊

 自民党税制調査会(津島雄二会長)は十一日、二〇〇九年度税制改正の焦点として残っていた、たばこ税の引き上げを見送る方針を固めた。社会保障費の抑制圧縮につなげようと検討したが、賛否が分かれて意見を集約できなかった。公明党税調も「税制抜本改革で検討するべきだ」と〇九年度の引き上げに反対しており、与党税制改正大綱には盛り込まない方向になった。

 来年度予算では、社会保障費の自然増を二千二百億円抑制することになっているが、新たな財源が見つかれば緩和できる。麻生太郎首相は社会保障費の削減は限界に達しているとして、たばこ税引き上げへの期待を表明。政府・与党は一本三円引き上げて一千億円程度の財源を確保し、社会保障費に充てる案を検討した。

 しかし、自民党内では、支持層の葉タバコ農家や販売店からの反発を懸念する声が相次ぎ、税調幹部からも「たばこ税は社会保障の特定財源ではない」「消費が落ち、税収は増えない」と異論が噴出。〇九年度の引き上げは断念し、抜本改革や来年度以降の検討課題にする。

 このほか、自民税調は、〇九年と一〇年に購入した土地を五年超保有した後に売却して利益があった場合、一千万円まで非課税にする制度の導入も決定。個人、法人とも適用され、財務省によると土地取引者の約六割が非課税になる見込みという。新型インフルエンザ対策を促進するための優遇税制の創設など、検討中だった項目も、ほぼすべて結論を出した。

 

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