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12 月 10 日 (水)  
12/10(水)20:00更新
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フィリピンの子ども10人 日本国籍申請
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日本の国籍法が改正され、両親が結婚していなくても父親が子どもを認知すれば日本国籍が認められるようになったのを受けて、日本人の父親とフィリピン人の母親の間に生まれた子どもたち10人が、10日、マニラの日本大使館に国籍取得の申請を行いました。

国籍取得の申請を行ったのは、日本人の父親とフィリピン人の母親の間に生まれ、フィリピンに暮らす2歳から19歳までの子どもたち10人です。
子どもたちはいずれも父親に認知されているものの、両親が結婚していないため、これまでの国籍法の規定では日本国籍が認められてきませんでした。
しかし、ことし6月、日本の最高裁判所が日本国籍の取得に両親の結婚を条件にしている国籍法の規定を憲法違反と判断したことがきっかけで法律が改正され、今後、両親が結婚していなくても父親が子どもを認知すれば日本国籍が認められるようになりました。
母親やNGO関係者に付き添われた子どもたちは、大使館の係官に出生証明書や父親の戸籍謄本などの書類を提出したあと、「日本国籍を取りたい」という意志を確認する書類に署名しました。
このうち、ルソン島のブラカン州で母親と暮らすヒロシ・アキノくん(16)は日本で生まれてすぐにフィリピンに来たため、父親とは1度も会ったことがないということで、「日本でお父さんに会いたい。それから勉強して働きたい」と、日本国籍の取得に期待を膨らませていました。
国籍法改正 虚偽認知防止にDNA鑑定も
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国籍法の改正に当たっては、参議院の法務委員会で付帯決議が行われており、虚偽の認知を防ぐため、届け出に疑いがある場合に、認知した父親に対する聞き取り調査をできるかぎり行うことや、親子で写った写真の提出をできるかぎり求めるとしており、法務省が、近く、各地の法務局に対し、具体的な方法を定めた通達を出すことにしています。
また、法律の施行状況を、当分の間、半年ごとに委員会に報告するとともに、親子関係を確認する手段として、DNA鑑定などを念頭に、「科学的な方法」の導入を検討することなどを求めています。
“証拠を集めるのは難しい”
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DNA鑑定を行ったり、親子で写った写真を提出させたりするよう求める声があがっていることについて、フィリピンで子供たちの支援をしているNGO「マリガヤハウス」の代表河野尚子さんは「証拠を集めるのは難しいです。父親との関係が破たんしている子が多いので、協力を得るのは難しいです」と話しています。
※このニュースは12月10日20時00分時点でのものです。
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