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東金の5歳園児遺棄:学校関係者ら「ほっと」 集団登下校、付き添い続く /千葉

 東金市田間の保育所園児、成田幸満(ゆきまろ)ちゃん(当時5歳)の死体遺棄事件で、遺体の発見現場近くの市立鴇嶺(ときがね)小=同市東岩崎=では8日も児童たちが保護者や教諭らに付き添われて集団登下校した。勝木諒容疑者(21)=同市東上宿=の逮捕後、初めての登校日。学校関係者らは胸をなで下ろす一方、学校からわずか100メートルしか離れていないマンションに容疑者が住んでいたことにショックを隠せない様子だった。【斎藤有香、駒木智一、斎川瞳、吉村建二】

 児童たちは午前7時半ごろから、保護者に伴われて次々と登校。校門では教諭らが笑顔で出迎えた。下校時も、地元住民によるパトロール隊に見守られながら学年ごとに集団下校した。

 2年生の長女(8)を同小に通わせている女性(35)は「容疑者は逮捕されたが、下校時の出迎えはこれからも続ける」と複雑な表情。同校に近い岩崎地区の三橋武区長(61)は「事件以来、街頭パトロールの回数を増やし、毎朝児童の登校に付き添った。容疑者が逮捕されてほっとしている」と話した。

 市立東金中(猪野孝男校長、661人)では、事件以降、部活動の終了時間の30分繰り上げや、下校時の職員の見回りなどを実施してきた。今後もしばらくは続ける予定で、植草茂生教頭(49)は「生徒は落ち着きを取り戻している。事件発生から逮捕までの2カ月半は長かったが、事件が解決に向かってほっとしている」と話した。

 同市教委学校教育課の古川尚弘課長は「今回の事件では、学校だけで子供たちを守るのは難しいと実感した。地域の協力が不可欠だ。児童や生徒の安全確保のため、今後もきめ細かな対応をしていきたい」と話した。

 ◇10年後の自分は「けいさつかん」--小学校の卒業文集に勝木容疑者

 勝木容疑者は99年3月に同市内の小学校を卒業。卒業文集では「10年後の自分にひとこと」の欄に、「けいさつかんになれましたか」と書いていた。「やりたいこと」の欄には「赤ちゃんのお世話」と書いていた。

 文集の原稿のタイトルは「友だち」で、約600字。仲の良い友人4人の名前を挙げ、放課後の帰り道や近所で一緒に劇をして遊んだ様子をつづり、「ぼくはげきが大すきです」と書いていた。友人のことは「すばらしくビューティフルななかま」と表現し、「これからも楽しくあそんでいきます」と締めくくっていた。

 小学校時代、勝木容疑者を教えた元教諭の女性(59)は「本人は気が優しくて、あまり友達のいない2年下の学年の女の子にも、頭をなでたり声をかけたりして仲良くしていた。今回のことは、相手にしてくれる仲間がほしかったからなのか」と振り返った。

 ◇「子供への見守り、声かけは不可欠」--東金市長が談話発表、市民の協力呼び掛け

 東金市の志賀直温市長は8日、容疑者の逮捕を受け、「事件発生以来、不安で心配な日々を過ごされた市民の皆様の多くが、容疑者逮捕の報によりその思いから解き放たれたのではないかと思う。亡くなった幸満ちゃんのご冥福をお祈りし、遺族の方々にお悔やみを申し上げる」との談話を発表した。

 談話では「市に寄せられる不審者情報はなくなったわけでなく、犯罪を防ぐための地域住民による子供たちへの見守り・声かけは必要不可欠」として、市民の協力を呼び掛けている。また、小中学校の安全に関しては、「各学校ごとの安全計画に従い、今後もきめ細かな対応に努める」とした。【柳澤一男】

毎日新聞 2008年12月9日 地方版

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