1/15発売の「フリースタイル」は読んだか? なんと、あの漫画家松本大洋(wiki)特集だぜ!
窪塚洋介演じる映画「ピンポン」やアニメ映画化された「鉄コン筋クリート」の作者だ。
パラっと中身を覗いてみると対談になっており、「マンガを書こうと思ったきっかけはなんですか」という
ライトな質問から、作品のネタばらしやシーンの意味、執筆中の作者の思いなどコアな部分にまで
触れられている大変丁寧な内容。3万字を超える、25ページまでのぶち抜きインタビューだ。
値段は777円と結構安くて、おれは迷わず購入しちまった。
じんちゃんwiki ――松本大洋――
松本大洋(まつもとたいよう)。漫画家。2007年現在38歳。
詩人工藤直子を母に、「隣人13号」の井上三太を従兄弟に持つ。
作風は非常にアーティスティックで意味深長。
独自の生命観や視点を持ち、作品に独特のコントラストを付けている。
連想されるキーワードは「街(場所)」「友情(戦友)」「花(命)」。
「才能」や「友情」、「競争からの解放」を描いたスポーツ漫画「ピンポン」や、
「変わりゆく街」や「補い成長し合う心」を描いた「鉄コン筋クリート」は傑作と名高い。
「ソコカラナニガミエル?」など特徴的で心に残る言葉を生み出す作家である。
「謎多き天才漫画家」「難解でディープな作風と個性的なタッチ」と、
松本大洋は天才肌の漫画家の代表として挙げられることの多い人物だったので、
その輪郭が掴める「対談」という形式が嬉しかった。
反面、「おれをがっかりさせないでくれよ……」という、憂いのようなものを感じていたのも事実だ。
スゴイスゴイと思っていたのに話を聞いてみると幻滅、というケースは少なくない。
変に腰が低かったり、世間ずれして教養じみたことを喋ってみたり、小賢しかったり――いわゆる
「普通の人」に見えてしまうと、もうこれから作品を見る目すら違ってきてしまう。
おれは「フリースタイル」を購入するとき、「こりゃ一種のギャンブルだな」と思っていた。
読み進める内にびっくり。なんのなんの。
やっぱり松本大洋は天才だと思い知らされてしまうのだ!
これは嬉しい誤算だった。
伝わってくるのは「意味とかじゃなくてその時そう描きたかったから描いた」ということと、
「絵を描くのが好きで好きで堪らない」というこの2点のみ。
インタビュアーの「あれはこう狙って描いているんですか」という質問には、
「僕も分からないです」「そうだと思います、なんとなく」「あまり理由は考えたことなかった」など、
びっくりするほど曖昧模糊。どんなに食い下がって「こう読み取ったのですが」とやっても、もこもこ。
自身の発する言葉と言えば、「終わったあとにどーんってなった」「どーん、どーん、どーんって」
「ドーンって投げてガーンって打つ感じが」「ワーッと」「もう、『ワーッ』ってなる」など非常に感覚的。
どーんばっかりじゃんけ。
インタビュアーも最初は小賢しい感じで「アニミズム」とか「ドラマトゥルギー」とか言ってるんだけど、
途中から「ドカンッて」「ピコーン、ピコーン」「パッパッパッて」なんて言い換えてるし。
影響されてますよ。(でも、その辺りから二人のシンクロ率が高くなってるのが面白い)
これは狙ってない。
間違いなく松本大洋は天才で、あの作品は人間の内面を絵で表現しているのだ。
作為的に細工された小作を錯誤していたのではなく(←ラップ)、
人間や自然の本質を捕らえ、絵で表現することの出来る天才の作品を楽しんでいたのだ。
おれの思っていた通りだった。
特に印象に残った受け答えはこんな感じ。
・ZERO
――松本さんの作品で、”花”という比喩的なイメージが常に出てきますが、(ZEROの)最初の章が「造花」とだいされていて、花の幻を見てからリングに上がる。あの花のイメージって言うのはなんなんですか?
松本 僕も分からないですね。花が描きたかったのかな。
――その後も、”花”がポツポツ出てくるんですよね、例えば「鉄コン筋クリート」のなかでシロが刺されたときに花を見るでしょう。(中略)『造花』って題されていることの不思議さは……。
松本 あまり理由を考えたことがなかった。
・鉄コン筋クリート
松本 僕、子供の頃親と離れて暮らしていた時期があって、そこを脱走するんですね。(中略)車を盗んで逃げたこともあるんです。
――それ何歳の時なんですか?
松本 小学校三年生ぐらいかな。車は二回ぐらいやって、溝に落としたり、電柱にぶつけたりした(笑)。(中略)で、その先にあったのが僕の中で『鉄コン筋クリート』の世界なんですよね。
松本 いまって、本当に街の性格がなくなっているって思うじゃないですか。ちゃんとデパートがあって、ロータリーがあって、タクシーが待っててっていう感じで。でも、なんかあのころ(昭和)は街にそれぞれ個性があって、街って生き物みたいだなって思ってたんです。高校の頃は僕、明大前の近くに住んでいて、ここは新宿の子分だと思っていたりだとか(笑)。
・ピンポン
松本 『ZERO』のときももちろん何回かボクシングジムに取材は行ったんですけど、聞きたくないんですね、分かってくるとうまく描けないっていうか、飛べないんですよ、作品が。
――現実に縛られてしまう?
松本 そうです。それでおじさんがいろいろ言ってくるので、「うわ、こんなの聞かなきゃよかった」ってなっちゃったんですけど。
・ナンバーファイブ
松本 こないだ本屋さんに行ったら、「松本大洋は決して読者とは馴れ合わないのだ」とポップが立ってて……。
――(笑)
松本 「えっ!」って思って。おれはすっごく馴れ合いたくて描いたのに……と思って(笑)
どうだ。頭に描いていた松本大洋のイメージと違わない……いや、天才性を感じさせながらも
ちょっと人の良さそうなプラスのイメージを持った松本大洋を垣間見ることが出来ただろう。
26ページからは松本大洋のアートワーク集が12ページも載っており、これまた見応え十分。
とっても豪華な作りになっている。
興味のある方は、ぜひ手にとって鑑賞されたし。
取り上げられなかった面白いやりとりはまだまだある。永久保存版だぞ!
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◇今日のわぁ━━ヽ(。´▽`。)ノ━━ぃ拍手:
女神の鬼さん / なんか細かいトコから手が混んでるw
裏技とかも面白いし^^ お世話になってまぁすw
Djinn:☆-(ノ゚Д゚)八(゚Д゚ )ノイエーイ これからもよろしく(*´・Д・)(・Д・`*)ネー
盗賊窃盗さん / とても楽しいページですね^^
お気に入りに入れときましたんで〜
Djinn:Δ_(・Д・*)ありがとんがりこーん お気に入り嬉しいです(*´∇`*)
パテルさん / 魔剣工房、フォーチュンベル最高です!
Djinn:(*ノェノ)キャー 超嬉しい。新作も乞うご期待。
kajjさん / 流れ流れてたどりつきましたw
美女集…たまらんですなぁノ-^;)
Djinn:お主も好きじゃのう。久々に更新してみるか(*・д・*)