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【疑惑の濁流】大相撲は八百長に支配されているか 大麻で追放の元若ノ鵬「告発」の真意 (4/4ページ)
独断で暴露会見を開き、質問を一方的に打ち切る会見シーンは、過去の芸能史上に残る数々の“プッツン会見”を彷彿(ほうふつ)とさせる。
角界に戻りたいがゆえの“揺さぶり”?
元若ノ鵬は“告発”を決意をこう述べた。
「大好きな相撲をきれいな世界に戻したい。その中でもう一度私の夢を叶えたいという思いと、外国人力士の名誉回復のため」
「義憤」にかられての告発であると言いたいようだが…。
元若ノ鵬は大麻取締法違反容疑での逮捕後、協会から解雇された。このため、現在、地位確認を求める訴訟を協会に対して起こしている。
代理人の宮田弁護士らは「会見をすれば相撲協会に早く戻れて、訴訟にも有利になると誤解している」と、元若ノ鵬の“勇み足”だった可能性を指摘した。
一方で−。
「逮捕された後、所持金はほとんどなかった。退職金もなく、生活には困っているはずだ」(関係者)
何らかの金銭目当てを疑う指摘があるのも事実なのだ。
10月3日、八百長をめぐる「週刊現代」の講談社と相撲協会などの訴訟の口頭弁論が行われ、以前から八百長の存在を告発してきた元小結の板井圭介氏は「当時は横綱と大関が(勝ち星を)買い取り、(一番)70〜80万円で下位の力士に負けるよう頼んでいた」と、八百長の具体的な手口を証言した。
−−取り組みは前日決まりますが、八百長はどう決めるのですか?
「付け人を通じて相手の部屋に直接頼みます。支度部屋に行けるわけじゃないので、頼んで了解を得れば成立します。当時はそれが当たり前の世界。(頼まれれば)『はい』と簡単なものでした」
−−八百長力士は多いと?
「正直、全体の取り組みの75〜80%が八百長です」
これに対し、証人出廷した横綱、朝青龍は法廷で、八百長疑惑を全面否定した。
3日の法廷では、元若ノ鵬の証人採用は「留保」とされた。が、裁判所、原告、被告側とも証人採用には前向きで、今後、日程が固まる可能性がある。その証言は、どこまで具体的で、どこまで信憑性があるのか。“暴露”の意図は、法廷の場で明らかにされることになる。